二十四節気の「大寒」の節気。
一年で一番寒い。
けれど今年の富士山。
頂上付近の雪がひどく少ない。
暖冬であることは、
富士の山が示している。
それも行き過ぎるとちょっと心配だ。
今日の毎日新聞巻頭コラム「予録」
「100歳になったら、もう大丈夫。
全人口の中で100歳を超えて死ぬ人は、
ごくわずかしかいないんだ」
数字のごまかしのジョーク。
スティーブン・ランズバーグ。
ロチェスター大学経済学部教授。
「数字はうそをつかないが、
うそつきが数字を使う」
厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査。
雇用保険などの過少受給者は、
延べ2000万人を超える。
私たちの世代も過少受給者に入るらしい。
「”数字のうそ”が国民に与える
損害の大きさにもあぜんとする」
月刊商人舎2018年710月号。
特集は、
「嘘つき⁉」マーケティング
ずいぶんと評判が良かった。
マーケティングや経済学も、
数字は嘘をつかないが、
嘘つきが数字を使う。
その厚生労働省が今日、発表した数字。
外国人労働者数。
2018年10月末時点の外国人労働者数は、
前年同期比14.2%増の146万463人。
これは6年連続の増加。
一方、総務省の労働力調査では、
18年10月時点の派遣社員の雇用者数は、
約130万人。
調査開始以来初めて、
外国人労働者が派遣社員の数を上回った。
今年4月には改正出入国管理法施行。
外国人の流入はさらに加速される。
国籍別に見ると、
一番多いのが中国の38万9117人。
全体の26.6%。
二番目がベトナムの31万6840人で、
全体の21.7%。
三番目がフィリピンで、
16万4006人の11.2%のシェア。
対前年伸び率は、
ベトナム31.9%、
インドネシア21.7%、
ネパール18.0%。
総人数、伸び率ともに、
ベトナムが多い。
外国人労働者を雇用する事業所数は、
21万6348カ所で、前年同期比11.2%増。
これも過去最高を更新。
在留資格別に見ると、
「専門的・技術的分野の在留資格」が、
27万6770人で、前年同期比16.1%増。
「身分に基づく在留資格」は、
49万5668人で、前年同期比8.0%増。
後者は永住者や日本人の配偶者など。
4月施行の改正入管法では、
農業や介護、造船など14業種で、
受け入れを拡大する見通し。
前にも指摘したが、
小売流通業は、除け者状態。
いずれも厚生労働省の数字だから、
そのつもりで見ておこうか。
さて今日は夕方から、
中学高校時代の仲間と、
毎年恒例の新年会。
横浜私立聖光学院。
中高一貫教育の私立学校なので、
全員6年間の付き合いだった。
巨人軍ではないが、
「紳士たれ」が校訓。
先輩から受け継いだ同人誌で、
小説や詩やエッセイを書いていた。
同人誌のタイトルは『ひこばえ』
7人の仲間は一人も落ちこぼれず、
全員が元気いっぱい。
三代目魚河岸青木鮮魚店で、
魚尽くしの料理と日本酒を楽しんだ。
私の隣から、
福田良太郎、篠田宏、廣部秀一、
関孝和、城戸康、冨澤弘文。
全員が100歳まで行けそうだ。
「そうなったらもう、大丈夫?」
茨木のり子。
詩人、エッセイスト、童話作家。
1926年6月12日生まれ、
2006年2月17日没。
大正生まれで、昭和、平成を生きた。
後藤正治のノンフィクションがいい。
その茨木のり子の詩。
倚りかからず
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
〈詩集『倚りかからず』より〉
「倚りかかる」は「よりかかる」と読む。
ちなみに、㈱良品計画が、
文庫本を発刊している。
「MUJI BOOKS」
その中に「茨木のり子」がある。
「伊丹十三」もあるけれど。
“古今東西から長く
読み継がれてきた本をあつめて、
MUJI BOOKSでは
「ずっといい言葉」とともに
本のあるくらしを提案します”
「倚りかからない」も収蔵されている。
いい仕事するなあ。
500円+税だ。
私たち「ひこばえ仲間」の聖光紳士も、
倚りかかるのは、
椅子の背もたれだけだ。
〈結城義晴〉