一昨日の朝日新聞「折々のことば」
鷲田清一さんの編著で第1367回。
プロジェクトを
起こす際に、
プロジェクト全体を表す
詩を作る
(ある自治体の職員)
文化・観光政策を担当する幹部職員。
年度始めの挨拶文の中に記した。
「米国西海岸ではよく、
プロジェクトを立ち上げる時に、
みなで詩をつくり、
それを部屋に飾って取り組む」
ケン・ブランチャードも、
チームマネジメントの中では、
キックオフの時点で、
設立趣旨書が必須だと説く。
それを「詩」によって表現する。
「現時点で想定できる目標より
遥か向こうに届くイメージを
喚起するためか、あるいは、
“絶対こっちだよな”という
方向感覚を共有しようとしてか」
「いずれにせよ
人の心を波打たせる提案だ」
わかるなあ。
「プロジェクト」の意味。
大辞林三版では、
「新しいものを考え出し、
実用化するための研究や事業」
デジタル用語辞典では、
「組織、業務本来の組織とは別に、
目的を達成するために
臨時で構成される組織や
その業務のこと」
一方、大辞林第三版の「詩」の解説。
「詩」とは、
①一定の韻律などを有し、
美的感動を凝縮して表現したもの。
②人の心に訴え、
心を清める作用をもつもの。
また、詩的趣があるさま。
新しいものを考え出し、
実用化するための研究や事業において、
人の心に訴え、
心を清める作用をもつものを使う。
この相反するものを、
同時に使うところが、
オクシモロンだ。
“oxymoron”は、
「意味の矛盾する語句を並べて、
言い回しに効果を与える修辞法」
プロジェクトに詩。
いいなあ。
今日、届いたのが、
「明治マーケティングレビュー」
1年に4回の発刊。
つまり季刊。
私の連載は、
「小売業のスーパーマーケティング」
もう、44回になる。
まるまる11年。
愛読してくださる読者もいるのだから、
こんなに続いているのだろうけれど、
本当にありがたい。
感謝します。
さて、今日は午前中に、
横浜商人舎オフィスに来客。
片山隆さん。
㈱寺岡精工前社長。
ヨーロッパの小売業に特に詳しいが、
アメリカや中国にも精通していて、
片山さんに聞けば何でもわかる。
一昨年10月に社長を退任して、
1年間は相談役だったが、
それも辞して、今は完全フリー。
自由な時間を満喫しているが、
挨拶に来てくださった。
もう、30年の付き合いになるが、
思い出すのが2010年の秋のイギリス。
8年半ほど前のこと。
ロンドンの郊外へと一緒した。
バリー・セント・アダムス。
ヒースロー空港から、車で2時間余り。
1970年ごろに建てられた、
立派な商家が五つ星ホテルとなった。
売り物はアンティークの調度。
そして広大なイギリス式の庭園。
オーナー夫人が手厚くもてなしてくれた。
片山さんと一緒に動いて、
宿泊し、食事と一献。
左から二番目が取締役だった片山さん。
真ん中が藤本昭さん、
当時、マックスバリュ西日本㈱社長。
私の隣が渡辺哲久さん。
同じくマックスバリュ西日本取締役。
そして、一番左が中川悦明さん。
当時、寺岡精工神戸営業所長。
翌朝は ハーバート・リテールを訪問。
ウェルカムボード。
テスコのサービスベンダー。
実にいい勉強になった。
もちろんテスコの店も、
丁寧に案内してもらった。
ネットスーパーも、
この時点でほとんど完成形だった。
片山さんは私より一つ年下。
もうリタイヤするに十分な年だが、
依然としてグローバル情報が、
自然に入ってくる。
私にとっては、
世界の小売業を語り合うことのできる、
数少ない同志だ。
まだまだ元気なことはうれしいし、
業界にとってもありがたいことだ。
プロジェクトに詩ならず、
「秤屋⇒SA企業」にグローバル情報。
それがわが同志だ。
〈結城義晴〉