今日は啓蟄。
「けいちつ」と読んで、
冬ごもりの虫がはい出る季節。
二十四節気のなかでも、
なかなかによろしい響き。
ふしぎだと思うこと
これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
これが科学の花です
ノーベル賞受賞の朝永振一郎博士。
子どもたちにこう説く。
この言葉、科学に限らない。
仕事の解決やイノベーションにも、
すごくよく当てはまる。
啓蟄の今日は、
不思議だと思うことを、
観察して確かめ、
よく考える。
そして最後に謎が解ける。
そこまで考え続ける。
仕事の解決やイノベーションの、
芽と茎と花。
「調査・研究とは十箇月の、
妊娠のようなものであり、
問題の解決とはある朝の、
分娩のようなものである」
結城義晴著『Message』より。
企業の決算とは、
芽と茎によって咲く「花」だ。
十カ月の妊娠の後の、
「分娩」のようなものだ。
今日は午後から東京・品川。
「へんげ?」
品川インターシティホール。
㈱ロピアのグループ。
その社内経営方針発表会。
48期の決算報告および方針発表会。
2月28日に締めた2018年度の決算が、
6日目にもう発表される。
このスピード感がロピアのDNAである。
そのうえで2019年度の予算と方針が、
それぞれに発表される。
まず、全員で立ち上がって、
ロピアの理念を唱和。
それからグループ代表のメッセージ。
高木勇輔さん。
昨年、代表取締役社長を退いて、
グループ代表に就任した。
そしていま、
グループ全体を統括しつつ、
将来のビジョンを描くと同時に、
新規事業開発などの役割に専念する。
いわゆるR&D。
リサーチ&ディベロップメント。
20分ほどの話の最後に、
壮大なビジョンを提起し、
全員の奮起を訴えた。
続いて昨年、
社長に就任した福島道夫さん。
全41店舗の店長、チーフ、
そして本部要員など、
350人くらいが参集した。
ロピアの営業の核となるのは、
全部門のチーフだ。
そのチーフ以上の社員たちに直接、
決算と予算を発表し、
「責任の組織化」を図る。
福島さんは資料をもとに、
先進企業の経営指標と比較しながら、
ロピアの経営実態を50分ほど語った。
はじめての社長による方針説明。
驚くほど堂々としていて、
しかもわかりやすくて上手だった。
次は取締役管理本部長の内田貴之さんが、
ロピアの成長戦略を提起した。
秀逸の分析と問題提起によって、
ビジョン実現のためのプロセスが、
わかりやすく描き出された。
管理本部長の後は、
営業本部長・相川博史さんの政策発表。
これも具体的で力強かった。
その後、グループ会社の社長たちが、
次々に登壇して、
それぞれに今年度の方針を説明した。
すべての報告や発表が終わってから、
結城義晴の登壇。
2月にアメリカ研修が開催された。
その総括が講演テーマだったが、
今日の発表を全部聞いて、
ロピアの将来に対して言いたいことが、
ふつふつとわいてきた。
チーフをはじめとして、
幹部の人たちにも、
語りたいことがあった。
それを語った。
ロピアがビジョンを達成するまで、
死ぬに死ねない。
「それを見定めて、
歴史の証人になるであろう」
最後の言葉は私自身の決意表明となった。
最後は高木秀雄会長の講話。
若い人たちにも、
人生の在り方や商人の素晴らしさを、
淡々と語りかけた。
すべての報告やスピーチが終了してから、
部門別の分科会が行われた。
熱のこもった討議もあった。
そして最後は懇親会。
乾杯の音頭は岩下禮二郎さん。
長らくロピアをコンサルティングする。
食事と懇親が進んで、
昨年度の各部門ごとのMVPが発表された。
そして福島社長から表彰状と金一封。
受賞者たちは本当にうれしそうだ。
1年間の成果を数字をもとに、
評価され、表彰されるからだ。
現場のチーフや店長、バイヤーが、
ロピアを支えている。
だから彼らが表彰され、
全員が祝福する。
そして中締めは井上裕一さん。
現在は惣菜事業部長。
全員で元気いっぱいの三本締め。
高木勇輔さんとしっかり握手。
アメリカにご一緒した内田さんとは、
ツーショット。
「ロピアをよろしく頼みます」
そして帰り際に、
今日、一番活躍した社長。
福島道夫さんと握手。
ふしぎだと思うこと
これがイノベーションの芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
これがイノベーションの茎です
そうして最後になぞがとける
これがイノベーションの花です
イノベーションを、
起こし続けてほしい。
そして模倣困難なポジショニングを、
築いてほしい。
「たとえば十箇月の
調査と研究。
一瞬の
問題解決。
この繰り返しが
仕事である」
〈結城義晴〉