三月、去る。
今月も早い、早い。
引退宣言をしたイチロー。
「引退するというより、
いつクビになるかばかり考えていた」
本当のプロフェッショナルは、
そういうものだ。
球団からのクビというだけでなく、
マーケットからの支持を失う。
そのことをいつも考えている。
そしてイチローは、
一般人に戻って、
シアトルに去った。
三月、去る。
新規出店は多い。
今日も朝から、
ゴルフにでも行くような時間帯に、
東京・新中野へ向かう。
サミットストア鍋屋横丁店。
本日あさ10時OPEN!
「美味しさの魅力いっぱい」
プレチラシは店長とチーフたちの写真がトップ。
3月8日の報道は、
サミットnews|
4店目の都心型小型店「鍋屋横丁店(中野区・278坪)」3/23出店
鍋屋横丁店は、
売場面積278坪の都心小型店。
昨年、サミット㈱は、
300坪クラスの店舗を3店、
東京都心につくった。
それらがいずれも好調。
2018年2月、江原町店、
10月、本天沼店。
そして11月、三田店。
これらの成功によって、
サミットの出店余地が、
格段に広がった。
小型店物件のほうがはるかに、
都心には多いからだ。
流通Supernewsに、
サミットストア鍋屋横丁店概要がある。
住所は東京都中野区本町4丁目30番21号。
建物は地上12階建てのマンション。
その1階と2階の2層の店舗だ。
都心で、バックヤードを確保し、
売場を1000㎡級にするには、
2層が必須となる。
それをきちんとした店に仕立て上げる。
この理論性がまず必要で、
サミットにはその理論がある。
同時に三軒茶屋店以来の、
長い長い経験の蓄積がある。
懐かしい。
もう、三軒茶屋店はないけれど、
関西スーパーの住之江店とともに、
業界をリードした2層小型店だった。
部門売場やバックルームの配置は、
2階に売場と青果・鮮魚作業場、
フレッシュサラダ・カットフルーツ作業場
おさかなキッチンコーナー、
グロサリーストックなど。
1階に売場とサミCafe、
総菜・寿司作業場、
ベーカリー作業場、
グリルキッチン作業場、
煮魚・焼魚作業場。
さらに納品口、駐車場・駐輪場など
売場面積の918㎡(278坪)に対して、
バックヤード面積は645㎡(195坪)。
加工製造機能は600坪の売場の店と同等。
これがサミットの、サミットたる所以だ。
駐車台数は6台に対して、
駐輪台数50台と多い。
都心型の特長。
営業時間は9時から25時。
地下鉄の新中野駅の終電が終わる時間帯。
年商目標は18億9000万円だが、
軽く20億円を超えて25億に向かうだろう。
従業員数は78.1人と計算されている。
正社員24.0、パートタイム・アルバイト社員54.1人。
パートタイム・アルバイト社員は、
月間173時間を1人と換算している。
オープン前から顧客が並んでくれる。
そしてビデオが流れる。
サミット全体がそうだが、
この店も「人」を前面に打ち出す。
8時に到着すると、
店内は開店作業の真っただ中。
その業務の邪魔をしないように、
写真を撮ったりインタビューをしたり。
竹野浩樹社長が説明してくれた。
絶好調の企業の社長に対して、
本当に失礼かもしれないが、
住友商事の商社マンだった竹野さんが、
立派なスーパーマーケットマンに、
見事、変身した。
商人舎ゼネラルマネジャーの亀谷しづえに、
手振り身振りで解説してくれた。
それから赤迫伸一さん。
執行役員店舗サポート部マネジャー。
月刊商人舎2月号に登場してもらった。
サミット「究極のLSP」
その第3部は、
「LSPが店を楽しくする」
ぜひ、この記事を読んでから、
鍋屋横丁店を訪れてほしい。
すごくよくわかる。
今回はレジに新しい趣向を凝らした。
それは月刊商人舎4月号で、
詳細に解説する。
それからレジ袋のデザインを刷新した。
環境循環のコンセプト。
イリイチの「コンヴィヴィアリティ」、
「自立共生」の考え方に通じる。
9時ごろから開店朝礼が始まった。
店長の加藤有士仁(ともおみ)さんが、
ユーモアたっぷりにあいさつ。
8部門8人のチーフがまた、
それにこたえるように決意表明。
「みんなひそかに練習して、
加藤さんを泣かせようとしました」
このチームワークが、
鍋屋横丁店の真骨頂だ。
それから竹野浩樹さん。
全員を励まし、勇気と元気が出るような話。
これも月刊商人舎4月号で紹介しよう。
最後は勝ち鬨。
素晴らしい。
今日はテレビクルーが入って取材。
サミットはそれに協力した。
まったく突然だが、
取材していた私にもインタビュー。
向こうが私のことを知っていた。
とっさに三つのポイントを話した。
放映があったら見てください。
そして竹野さんと服部哲也さん。
服部さんは取締役専務で、
コーネル大学RMPジャパン伝説の1期生。
いわば私の弟子のひとりです。
そしてサミットnews|
服部哲也取締役専務商品統括がプロセスセンター担当など兼務
店頭では行列が続いた。
10時に開店すると、
2階のエスカレーターを登ったところで、
竹野さんと服部さんが、
顧客にカゴを手渡し。
いつも1時間くらいそれをする。
「けれどこの店は狭いので10分くらい」
と竹野さん。
この店は絶対に成功する。
名前がいい。
「鍋屋横丁店」
庶民的で、
「なんか、いいもん売ってるよ」的な、
いい感じの名前です。
よろしく。
近くの店も覗いてみた。
丸正中野鍋横店。
のれん分けの丸正グループの店。
商売の三原則「QSC」。
品質、(フレンドリー)サービス。
そしてクレンリネス。
それをもっともっと磨かねば、
サミットに凌駕されてしまう。
商略よりもまず基本の徹底だ。
サミットの目の前に、
ファミリーマート+薬ヒグチ。
こちらは業態が違うので、
きちんと機能するだろう。
そして全日食チェーンの店。
クレンリネスも一定以上のレベル。
ボランタリーチェーンの良さを生かして、
地域になくてはならない店になりたい。
そんな店を眺めて、
日経新聞次長の白鳥和生さんと、
1時間以上も懇談。
白鳥さんはサミット鍋屋横丁店から、
2分の所に住んでいる。
幸せだね。
最後に朝日新聞「折々のことば」
今日の第1411回。
当たり前のことを
ちゃんと続けるっていうのが、
何でもいちばん
大事なんじゃないですか。
特別なことなんてなにもないの。
(ふじこさん)
「東京の立ち食いそば店
“ファミリー”の女将の言葉」
「吸う/吐く、食う/出す、
覚める/眠る、働く/休む……。
いのちは同じことの
果てしないくり返し」
「だからその世話と下支え、
休みない手入れが何より大事。
仲間の食事を作ったり、
職場の環境を整えたり、
人を育てたり看病したり」
エッセイスト、平松洋子の『そばですよ』から。
これこそ基本の徹底だ。
サミットストア鍋屋横丁店も、
1年に2日の休みを除いて、
同じことの果てしない繰り返し。
それがお客様の命を守ることだ。
がんばれ!!
〈結城義晴〉