今日も朝から、
東海道新幹線のぞみ。
新横浜から発って、
すぐに丹沢連峰が見えてくる。
横浜は雨模様。
だから富士山はあきらめていた。
しかし、新富士駅を過ぎたあたりから、
上空の黒雲と下層雲の間に、
にょっきり、姿を現した。
富士川鉄橋を渡るときには、
意外なほどに美しかった。
新大阪についてからは、
地下鉄の御堂筋線で心斎橋まで行って、
長堀鶴見緑地線に乗り換えて西長堀。
阪急オアシス新町店。
3月14日にオープンした。
今日は久しぶりの取材。
商人舎流通Supernews。
3月7日に速報した。
阪急オアシスnews|
カフェ&バー導入の小型店「新町店」(大阪市)3/14出店
これが秀逸の店舗だ。
この店の特長「Cafe&Bar」の前で、
志水孝行取締役常務執行役員と写真。
1時間以上も質疑に答えてもらって、
そのあとまた1時間くらいかけて、
事細かに売場を解説してくれた。
志水さんは今、営業本部商品統括室長で、
店舗企画部長と販売促進部長を兼ねる。
2011年には一緒にアメリカを訪問して、
クォリティ&サービス型フォーマットを、
トップマネジメントの皆さんと研究した。
当時はまだ㈱阪食だった阪急オアシス。
㈱サンシャインチェーン本部、
㈱ハローデイ、㈱エブリイ。
当時の㈱阪食社長の千野和利さん。
サンシャイン社長の川崎博道さん。
ハローデイ社長の加治敬通さん。
そしてエブリイ社長の故岡崎雅廣さん。
志水さんも取締役専務の松元務さんも、
参加していた。
[商人舎企画]
「春のUSAスーパーマーケット特別視察研修」
サンフランシスコを中心に、
ホールフーズやトレーダー・ジョー、
バークレー・ボウルやウィンコフーズ、
アンドロニコスやドレーガーズ、
そしてナゲットマーケットは、
何店も丁寧に勉強した。
素晴らしかった。
帰国の時には、
サンフランシスコ空港に、
巨大な虹がかかった。
阪急オアシスはあのころから、
何段もステップを登って、
格段の進化を見せた。
私はその進化のプロセスを、
ずっと見てきただけに、
この新町店の方向性も理解できるし、
大いに納得できる。
さらに総合企画課長の藤原慎也さんと、
同じく総合企画担当課長の上山直美さん。
実に丁寧な対応でお世話になった。
感謝のしるしを月刊商人舎4月号の、
他の追随を許さない原稿と誌面で示そう。
次の月刊商人舎は営業と店舗の特集。
楽しみにしてください。
さて、2011年の春のUSA研修会で、
テキストの冒頭に入れた私の文章。
「模倣と創造」
1
あなたには何か、
成功体験がありますか。
そのサクセスストーリーを
思い浮かべることができますか。
そして次の瞬間、それを、
すべて捨て去ることはできますか。
しかしなぜ、過去の成功体験を
捨てなければならないのか。
時代が変わり、環境が変化したことに、
対応しなければならないからか。
あるいはそれが
経験法則の列に加えられるべき
成功体験ではなかったからか。
2
「ベストプラクティス」とは、
最良の実践成功例を意味します。
だからベストプラクティスは常に、必ず、
その手法を、さまざまな他者から
学びとられてしまいます。
学ぶ側は、最良の実例と、
同じ手順を踏むことで、
同じような結果を
享受することができます。
ノウハウの学習と蓄積によって、
時間短縮と経費削減の成果が生まれます。
しかし、成果獲得の結果主義に
頼りきってしまうと、
今度は停滞と後退が訪れます。
突き詰めればそれは、模倣だからです。
模倣には、失敗の経験がありません。
創造の苦しみもありません。
百を目指している限り、
決して千にも一万にもならないのです。
3
それでは私たちはなぜ、
歴史が好きなのでしょう。
なぜ歴史を学ぶのでしょう。
そこには経験的法則と進化の軌跡が
存在するからです。
4
そうです。
まず、現状を否定してかかる。
現状を肯定的に支えている
成功要素を拒否してみる。
同時に、身近な事例の歴史に学び、
小さな経験法則を探る。
すべては現状を客観化するために、
過剰に現実を評価するところから始まる。
そのうえで、模倣によって、
スピードアップとコストダウンの
改善を果たす。
創造によって、
市場の拡大と技術の革新を図る。
5
模倣と創造。
イミテーションとクリエーション。
そしてイノベーション。
経営のスピードと運営のコスト。
成功体験と経験法則。
6
進化とは、階段をひとつ登っては、
しばらく停滞することの
繰り返しによって、
成し遂げられるものです。
そのために私たちは、
模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをことさらに、
尊ぶこともないのです。
<結城義晴著『メッセージ』(商業界刊)より>
模倣と創造を、
真剣に真摯に繰り返してきて、
今、阪急オアシス新町店がある。
志水さんから、
新町店を案内してもらいながら、
私は感慨にふけっていた。
〈結城義晴〉