結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年03月26日(火曜日)

阪急オアシス新町店の「Cafe&Bar」と2011年の「模倣と創造」

今日も朝から、
東海道新幹線のぞみ。
新横浜から発って、
すぐに丹沢連峰が見えてくる。DSCN96249
横浜は雨模様。

だから富士山はあきらめていた。

しかし、新富士駅を過ぎたあたりから、
上空の黒雲と下層雲の間に、
にょっきり、姿を現した。
DSCN96279

富士川鉄橋を渡るときには、
意外なほどに美しかった。
DSCN96299

新大阪についてからは、
地下鉄の御堂筋線で心斎橋まで行って、
長堀鶴見緑地線に乗り換えて西長堀。

阪急オアシス新町店。
3月14日にオープンした。

今日は久しぶりの取材。

商人舎流通Supernews。
3月7日に速報した。

阪急オアシスnews|
カフェ&バー導入の小型店「新町店」(大阪市)3/14出店DSCN24929
これが秀逸の店舗だ。

この店の特長「Cafe&Bar」の前で、
志水孝行取締役常務執行役員と写真。IMG_44159
1時間以上も質疑に答えてもらって、
そのあとまた1時間くらいかけて、
事細かに売場を解説してくれた。

志水さんは今、営業本部商品統括室長で、
店舗企画部長と販売促進部長を兼ねる。DSCN26209
2011年には一緒にアメリカを訪問して、
クォリティ&サービス型フォーマットを、
トップマネジメントの皆さんと研究した。

当時はまだ㈱阪食だった阪急オアシス。
㈱サンシャインチェーン本部、
㈱ハローデイ、㈱エブリイ。

当時の㈱阪食社長の千野和利さん。
サンシャイン社長の川崎博道さん。
ハローデイ社長の加治敬通さん。
そしてエブリイ社長の故岡崎雅廣さん。

志水さんも取締役専務の松元務さんも、
参加していた。

[商人舎企画]
「春のUSAスーパーマーケット特別視察研修」
20110304140554.jpg
サンフランシスコを中心に、
ホールフーズやトレーダー・ジョー、
バークレー・ボウルやウィンコフーズ、
アンドロニコスやドレーガーズ、
そしてナゲットマーケットは、
何店も丁寧に勉強した。
20110302005413

素晴らしかった。
20110302005438

帰国の時には、
サンフランシスコ空港に、
巨大な虹がかかった。
20110303202906

阪急オアシスはあのころから、
何段もステップを登って、
格段の進化を見せた。

私はその進化のプロセスを、
ずっと見てきただけに、
この新町店の方向性も理解できるし、
大いに納得できる。

さらに総合企画課長の藤原慎也さんと、
同じく総合企画担当課長の上山直美さん。IMG_44239
実に丁寧な対応でお世話になった。

感謝のしるしを月刊商人舎4月号の、
他の追随を許さない原稿と誌面で示そう。

次の月刊商人舎は営業と店舗の特集。
楽しみにしてください。

さて、2011年の春のUSA研修会で、
テキストの冒頭に入れた私の文章。

「模倣と創造」


あなたには何か、
成功体験がありますか。
そのサクセスストーリーを
思い浮かべることができますか。
そして次の瞬間、それを、
すべて捨て去ることはできますか。

しかしなぜ、過去の成功体験を
捨てなければならないのか。
時代が変わり、環境が変化したことに、
対応しなければならないからか。
あるいはそれが
経験法則の列に加えられるべき
成功体験ではなかったからか。


「ベストプラクティス」とは、
最良の実践成功例を意味します。
だからベストプラクティスは常に、必ず、
その手法を、さまざまな他者から
学びとられてしまいます。
学ぶ側は、最良の実例と、
同じ手順を踏むことで、
同じような結果を
享受することができます。

ノウハウの学習と蓄積によって、
時間短縮と経費削減の成果が生まれます。
しかし、成果獲得の結果主義に
頼りきってしまうと、
今度は停滞と後退が訪れます。

突き詰めればそれは、模倣だからです。

模倣には、失敗の経験がありません。
創造の苦しみもありません。
百を目指している限り、
決して千にも一万にもならないのです。


それでは私たちはなぜ、
歴史が好きなのでしょう。
なぜ歴史を学ぶのでしょう。

そこには経験的法則と進化の軌跡が
存在するからです。


そうです。
まず、現状を否定してかかる。
現状を肯定的に支えている
成功要素を拒否してみる。
同時に、身近な事例の歴史に学び、
小さな経験法則を探る。

すべては現状を客観化するために、
過剰に現実を評価するところから始まる。
そのうえで、模倣によって、
スピードアップとコストダウンの
改善を果たす。
創造によって、
市場の拡大と技術の革新を図る。


模倣と創造。
イミテーションとクリエーション。
そしてイノベーション。
経営のスピードと運営のコスト。
成功体験と経験法則。


進化とは、階段をひとつ登っては、
しばらく停滞することの
繰り返しによって、
成し遂げられるものです。

そのために私たちは、
模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをことさらに、
尊ぶこともないのです。
<結城義晴著『メッセージ』(商業界刊)より>

模倣と創造を、
真剣に真摯に繰り返してきて、
今、阪急オアシス新町店がある。

志水さんから、
新町店を案内してもらいながら、
私は感慨にふけっていた。

〈結城義晴〉

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