「ほぼ日」の糸井重里。
今日の巻頭言の最後のひとこと。
「平成最後ってよく聞くけど、
4月いっぱいは平成だよね」
納得。
今日はその3月30日。
まだ平成までは1カ月と2日間ある。
今日は土曜日だけれど、
横浜商人舎オフィスに出社。
原稿書き。
そして来客を迎える。
森治彦さん。
㈱ダイナムの前社長。
パチンコホールのチェーンストア。
香港証券取引所メインボードに、
2012年に上場。
現在は社長を退任して、
「全日遊連」の事務局長。
全日本遊技事業協同組合連合会。
全国に51の協同組合がある。
その総本山で事務局長を務める。
「押す力と引く力」
私が㈱商業界社長を辞めた時にも、
それを実感したが、
森さんも同じように、
引く力によって要職を担う。
大阪は岸和田の快男児。
命知らずの「だんじり魂」を持っている。
最近の情勢について報告を受けて、
さまざまな相談。
そして焼肉でランチ。
新田間川の桜も、もう満開。
今日は花見頃。
昭和27年生まれの同年。
固い握手。
これからは産業の健全化のために、
大いに力を発揮してほしい。
昨日の「産経抄」
産経新聞の巻頭コラム。
「命もいらず、
名もいらず、
官位も金もいらぬ人は
始末に困るものなり」
西郷隆盛の言葉である。
「そんな人こそ、ともに、
国家の大事業を進められる」
「手柄を気にしなければ、
人間はいくらでも
優れたことを
成し遂げられる」
「伝説の軍略家」西郷どんの口癖だった。
宮沢賢治を思い出す。
「雨ニモ負ケズ
風ニモ負ケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ」
「アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ
入レズ二」
西郷どんは、
賢治よりずっと前の、
江戸時代末期の人。
雨ニモ負ケズを、
知る由もない。
どちらの言葉も、
商人本来のあり方に通じる。
今日も朝日新聞「折々のことば」
第1418回。
オーケストラ奏者は
キョロキョロしてなきゃ
いけない
(「文明と哲学」第10号から古部賢一)
古部は1968年生まれのオーボエ奏者。
「ステージの前方と奥、端と端は、
たがいの音がほとんど聴こえない」
「譜面に目を凝らすのでなく、
指揮者の棒の動きに
目を奪われるのでもなくて、
離れた仲間の姿に視線を泳がす」
これ、サッカーの名手の、
ベースボールの名選手の、
あるいは優れたラガーの、
抜群のバスケットボーラーの
プレーのスタイルに共通するもの。
もちろん店の中で働く時の、
優れた店長や商人の動き方も同じ。
「音はじかに聴こえなくても
目を遣(や)り、目くばせしあう」
それがチームプレーの極意。
編著者の鷲田清一さん。
「その意味で
デモクラティックな社会の
雛形(ひながた)でもある」
「democratic」とは、
「民主的な」という意味。
サッカーも野球も、
ラグビーもバスケットボールも、
民主的な組織でなければ勝てない。
そして小売業やサービス業の店も、
極めて民主的なチームがいい。
だから仕事しながら、
キョロキョロしてなきゃ
いけない。
それでいて、
命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人こそ、
抜きん出た商人となる。
〈結城義晴〉