テキサス州ダラス都市圏。
テキサス第一にして、
アメリカ第4の大都市圏。
ニューヨーク、ロサンゼルス、
シカゴに次いで4番目。
成田国際空港を飛び立ってから、
11時間ちょっと。
意外に思うかもしれないが、
緑と湖の街でもある。
ダラスフォートワース国際空港。
アメリカン航空の拠点のハブ空港。
到着してから、入国審査が終わるまで、
2時間半もかかってしまった。
これまでの最長記録。
それでも全員そろって、
元気にウォルマートへ。
このダラスフォートワース地区で、
30.1%の圧倒的な市場シェアを持つ。
そのウォルマートに期待していたのが、
イースター・プロモーション。
左サイドの食品売場の入り口には、
イースターのカップケーキやクッキー。
右サイドのノンフードの入り口にも、
イースターのプレゼント商品が、
オンパレード。
水色のパネルに、
「Easter」の文字。
レジ前にもイースターの商品。
主通路沿いにも、
イースター・アイテム。
アクションアレーの島陳列にも、
イースター、イースター。
ウォルマートの徹底ぶりには、
いつも期待を裏切られることがない。
もちろんレギュラー売場も、
整然としていてボリューム感がある。
この店はロールバックが多い。
エブリデーロープライスが基本だが、
そのうえでディスカウントをする。
それがロールバック。
オーガニック商品も、
驚くほど増えてきた。
センターが青果部門、
右サイドがデリ。
そして奥主通路に入ると、
リーチイン冷蔵ケース。
これほど管理レベルの高い大型店は、
世界中を見渡しても多くはない。
店に到着したのが夕方の7時ごろで、
エンド前にはナイトクルーのために、
センターから商品が到着。
早め早めの作業体制である。
牛乳は1ガロン1.98ドル。
1ガロンは3.8リットルで、
これは極めて高い競争力をもつ。
卵もラージサイズの1ダースが1.88ドル。
朝食に必須のオレンジジュース。
3.33ドル。
子供服売場はフック陳列で、
カラフルだ。
中通路のアクションアレー。
この大型テレビは、
ロールバックで124ドルと、
さらにディスカウント。
ファーマシー売場。
真っ白なサインに変わって、
清潔感を演出する。
大型のバケツで
子ども用水着のプレゼンテーション。
可愛らしい。
スキャン&ゴーのセルフレジ。
隣にサムズクラブ。
ウォルマートのMWC。
メンバーシップホールセールクラブ。
サムズでも入口の「一丁目一番地」には、
イースター商材が並ぶ。
イースター・バスケットが19.98ドル、
イースター・トランクが29.98ドル。
ダラス・フォートワースエリアのサムズで
さらに1000アイテムを、
エブリデー・ロープライス。
日本では見かけないような、
超大型のビニール製のボート。
大型のバーベキューグリル。
サマーシーズンに向けて、
アウトドアグッズが並ぶ。
奥壁面の食品売場。
ロティスターは焼き立てを提供。
平和堂のメンバーも、
ていねいに売場を見ている。
大型の庭木もこれだけ揃えると、
茂みのようになる。
冷凍食品の冷凍ケースと売場。
コストコそっくりだ。
ワインの売り方もコストコと同じ。
木箱に入れて販売する。
高級品をディスカウント。
デジタルサイネージが、
売場の各所で販促用に使われている。
サムズカードをかざすと、
サンプルが無料になる。
店頭に張り出された
創業者サム・ウォルトンと
表彰されたアソシエーツたちの写真。
ウォルマートの視察を終えると、
夕日が射してきて、日が暮れ始めた。
夕食はステーキハウス。
いつものソルトグラス。
団長、副団長と写真。
テキサスらしい、
木とレンガ造りの内装。
鹿のはく製や、
カウボーイの写真。
地ビールのシャイナーボック。
これがうまい。
そしてTボーンステーキ。
副団長の野村博さんが、
乾杯のあいさつ。
アルプラザ長浜支配人。
そして中締めは、 吉田邦彦さん。
店舗サポート部SV課 スーパーバイザー。
長い長い一日が終わった。
団員は朝、彦根を出て、
成田空港に来て、
それからダラスまで。
そしてダラスの視察とディナー。
私も横浜から、成田、ダラスまで。
大きな成果が得られそうな出だしだ。
さて最後に日経新聞の「投資情報」
ちょっと気になるニュース。
小売り・サービス業の2月期企業のうち、
決算発表を終えた131社を集計。
「今期は8割強にあたる106社が、
最終増益を見込む」
今期というのは、
2020年2月・3月期のこと。
そうか?
この2月・3月に終わった企業は、
トータルすると3年ぶりの減益に沈んだ。
だから2020年2・3月決算時点で、
「回復シナリオ」は描かれているが、
「達成は容易ではない」
日経の見方は、
小売り・サービス業には今期、
3つの壁が立ちはだかる。
1つ目の壁は人手不足。
セブン&アイ・ホールディングスの、
井阪隆一社長。
「新規出店に偏っていた投資の比率を見直し
既存店投資を重視する」
人員不足と関係している。
不足状態でも確保しなければ、
新店を開発できない。
無理に手当てすると、
人件費は上昇する。
そこで利益が圧迫される。
2つ目の壁は「原材料高」。
だからこの春、値上げの嵐。
消費マインドは冷え込む。
そして3つ目の壁は10月の消費増税。
これも消費に水を差すことは確かだ。
似鳥昭雄さんが答える。
ニトリホールディングス会長。
「消費は昨年後半から下り坂。
そこに消費増税が来るので、
お客さんは買い物を抑えると思う」
同感だ。
しかし似鳥さん、
「景気後退期こそチャンス」
PBをはじめとする商品力があるからだ。
マーケットは伸びない。
しかし同業他社から顧客を奪う。
上場企業の一部は、
「景気後退期こそチャンス」だろうが、
大半の企業にとっては、
今年も来年も厳しさは増してくる。
ダラスをはじめとするテキサス州も、
トランプ大統領のアメリカ全土も、
景気はよろしいし、
失業率は低くて、3.8%。
しかし日本は底冷えがしてくるだろう。
元気なアメリカの本質は何か。
それを見なければならない。
(つづきます)
〈結城義晴〉