「ネコは自分の名前を知っている」
ナショナルジオグラフィック日本版に掲載。
上智大学の齋藤慈子准教授。
総合人間科学部心理学科の心理学者。
学術誌「Scientific Reports」に論文を発表。
「ネコは、ネズミの捕まえ方から、
缶を開ける音が何を意味するのかまで、
多くのことを知っている」
「さらには、自分の名前も
聞き分けているらしい」
私の家にもネコがいた。
ジジという名前だった。
平成17年3月7日に生まれ、
10年10カ月生きた。
そして平成28年1月4日午前11時49分。
死んだ。
考えてみると、
ジジは、平成の猫だった。
齋藤准教授が大学院で選んだテーマは、
「霊長類の認知に関する研究」。
齋藤さんはネコ好きだ。
「ネコが大好きです。
ネコはとてもかわいらしく、
とてもわがままです。
なでて欲しいときは寄って来ますが、
放っておいて欲しいときには
離れていきます」
そこでその後、
ネコに研究対象を絞り込んだ。
わかる。
齋藤准教授のこれまでの実験研究は。
ネコにある能力を観察すること。
人のジェスチャーを理解する。
隠してある食べ物を見つける。
飼い主の声を聞き分ける。
自分を見て名前を呼ぶ人に、
食べ物をねだったりする。
これらすべてが示唆しているのは、
ネコが自分の名前を聞き分けていることだ。
齋藤さんの研究チームの研究方法。
日本の家庭と猫カフェで、
飼い主と見知らぬ人の両方に、
ネコの名前を呼んでもらう。
そこで耳や頭の動き、尾の振り方など、
名前を聞き分けていることを示す反応を、
丹念に録画する。
今回の研究では、
4種類の異なる実験を、
延べ112匹のネコに行った。
例えば、
音がその猫の名前と似ている、
4つの名詞で呼びかける。
家庭や猫カフェで飼われている、
他のネコの名前で呼びかける。
その結果、ネコは自分の名前に対して、
「有意な反応」を示した。
飼い主が名前を呼んだ時だけでなく、
見知らぬ人が呼んだ時でも、
興味を示した。
齋藤さんの説明。
「ネコは、自分の名前の響きと、
食べ物やなでられることなどのご褒美を
結びつけて覚えているのかもしれない」
一方、イヌは自分の名前に、
反応するよう生まれついている。
「人は、イヌが従順かつよく反応するよう、
何世紀にもわたり交配してきた。
一方、ネコはヤマネコが、
ネズミを追いかけて農村に入り込み、
ほぼ自然に家畜化していった」
イヌが家畜化したのは
ネコより2万年も早い。
また、イヌのしつけ教室で
最初に行われることの1つは、
名前を呼ばれたときに
反応するよう訓練することだ。
そうすることで、イヌに
何かをさせることやしつけが容易になる。
「イエネコはまだ進化している」
齋藤さんのコメント。
「その要因は人」にある。
「10~20年前まで、
ペットのネコの大半は、
屋外でほとんどの時間を過ごし、
家にいるのは夜や天気が悪い時だけだった」
ところが、近年、ネコは、
室内で生活するようになってきた。
人とより密接に関わるようになれば、
人の合図を読み取り反応する能力は、
さらに強まるかもしれない。
「ネコの社会性は、
進化の途上なのです」
齋藤准教授の結論。
2014年2月2日のブログ[ジジの気分]再再掲。
「ジジとじゃん・けん・ぽん」
ジジです。
きょうは、すごく、
あたたかい。
春みたいです。
ユウキヨシハルのおとうさん、
ボクとあそんでくれるみたいです。
なに、するんですか?
「じゃんけんぽんは、
どう?」
じゃあボクは、右手。
さいしょは、グー!
じゃん・けん・ぽん!
「わあ、おとうさんのかちだ!」
・・・・・・・・・。
「もういっかい?」
さいしょは、グー!
じゃん・けん・ぽん!!
あいこで、しょっ!
「また、お父さんのかちだーっ。
うれしいっ!」
・・・・・・・なんか、
ボク、つまんない。
「まけてあげるから、
もいっかい、やろっ!?」
さいしょは、グー!
じゃんけん・ポン!
こんどは、ボクのかち?
ちょっと、うれしい。
もいっかい。
さいしょは、グー。
じゃん・けん・ぽん!
わあ、ボク、
また、かった。
・・・・・・・・でも、
なんだか、
つまんない。
ボクはグーしか、だしてないし!
じゃん・けん・ぽんって、
ボクには、むいてないみたいです――。
懐かしい。
ネコは自分の名前を知っている。
それどころか考えることもできる。
それを私は確信している。
〈結城義晴〉