新緑の気持ち良さ。
「滔々たる荒川のほとり、
万緑の河畔あくまで緑。
その緑の中に一点
紅を点ずる者あり。
その名をお袖といふ」
この季節になるといつも、
口を突いて出てくる。
『人生劇場』二番の前口上。
今日は午前中に、
白幡文化スポーツ事業団の会計監査。
地域への私のほんの少しのご奉仕。
午後は東京駅へ。
丸の内北口の天井。
日本の首都の表玄関として誇らしい。
それから徒歩で10分、
大手町プレイスウェストタワー。
フルクルタクシーが走っている。
km自動車が始めた迎車料金無料タクシー。
もう都内に1000台走行している。
車体はロンドンのタクシーと同じで、
乗りやすいし車内空間が広い。
日本惣菜協会news|
’18年惣菜市場10兆2518億円で9年連続伸長
「2019年版惣菜白書」が発表された。
一般社団法人日本惣菜協会の調査。
協会による「惣菜の定義」――。
「市販の弁当や惣菜など、
家庭外で調理・加工された食品を
家庭や職場・学校・屋外などに
持ち帰ってすぐに
(調理加熱することなく)食べられる、
日持ちのしない調理済食品」
事業所向け給食、および、
調理冷凍食品やレトルト食品など
比較的保存性の高い食品は除外される。
惣菜をさらに分類すると、
5つに分けられる。
⑴米飯類
⑵調理麺
⑶調理パン
⑷一般惣菜
⑸袋物惣菜
このうち世間で「惣菜」と呼ばれているのは
⑷の一般惣菜で、和・洋・中華の惣菜、
そして煮物、焼物、炒め物、揚物、
蒸し物、和え物、酢の物、サラダなど。
⑴から⑸まであるということは、
「白書」が範囲とする「惣菜」は、
「中食」のこととなる。
「惣菜白書」に3つの市場が示されている。
2017年の内閣府「国民経済計算」より。
①内食市場35兆3281億円
②中食市場10兆0555億円
③外食市場25兆6561億円
これらを合算した食品市場は、
71兆0397億円。
私は1995年、
㈱商業界食品商業編集長時代に、
「中食市場動態調査研究会」に、
「専門委員」として参加した。
毎月1回ずつ議論を重ねて、
1年経過すると報告書を出した。
農林水産省が主催して、
座長は故田内幸一先生だった。
当時、日本大学商学部教授、
そして一橋大学名誉教授。
㈱ロック・フィールドの岩田弘三さん、
㈱柿安本店の赤塚保さんが、
忙しいのに毎回、出席して、
持論を展開してくださった。
コンビニのバイヤーも参加していたし、
総合スーパーのバイヤーも顔を連ねた。
食品スーパーマーケットからは、
誰も選ばれていなかったと記憶している。
この研究会は3年ほど続けられて、
日本で初めて「中食」が正式に認知された。
日本は惣菜のメニューが豊富だ。
それは「中食市場」ととらえたからだ。
アメリカではドイツ語を借用して、
「デリカテッセン」と呼ばれるし、
「デリ」と略される。
「デリカ」は日本語。
米国のデリカテッセンは、
加工肉とチーズを中核として、
そこにサラダをはじめとする、
調理済食品が加わってくる。
プリペアードフードの開発は、
ウェグマンズの貢献が大きい。
日本惣菜協会の⑸袋物惣菜は、
「容器包装後低温殺菌され、
冷蔵にて1カ月程度の日持ちする
調理済包装食品」
ポテトサラダ等のサラダ、
肉じゃが、鯖の味噌煮など。
この分類の定義を見ていると、
多分にコンビニ業態の影響を受けている。
コンビニはまず、
⑴米飯と⑷一般惣菜を開発した。
その次に⑵調理麺、⑶調理パン、
そして今、⑸の袋物惣菜が伸びる。
さらに新たに、
レトルト惣菜や冷凍食品惣菜が、
伸びている。
つまりこれまでの定義では、
除外されていた領域だ。
2018年度の市場規模は10兆2518億円。
前年対比102.0%。
しかも2009年から9年連続の伸長である 。
業態別のスケール。
⑴コンビニ3兆3074億1600万円
⑵食料品スーパー2兆6824億1400万円
⑶総合スーパー9481億3700万円
⑷百貨店3596億3100万円
⑸専門店・他2兆9542億4600万円
⑴コンビニと⑵食料品スーパーは、
どちらも前年比102.4%。
⑶総合スーパーの伸びは102.9%。
⑸専門店・他は101.2%。
⑷百貨店だけが98.7%とマイナスである。
マーケットシェアは、
⑴コンビニが32.3%/0.2ポイント増
⑵食料品スーパーは26.2%/0.1ポイント増
⑶総合スーパーは9.2%/変わらず
⑷百貨店は3.6%/0.1ポイント減
⑸専門店・他29.0%/0.2ポイント減
惣菜の業態として、
市場をけん引するのは、
コンビニとスーパーマーケットである。
2016年に9兆8399億円だったが、
2017年に10兆円大台を超えて、
10兆0555億円。
そして2018年が10兆2518億円。
前年比2%強ずつ拡大している。
ここにレトルト惣菜と冷凍食品惣菜が、
確実に加わってくる。
そしてそれは、
家庭内にどんどん入り込んで、
内食を侵食していく。
宅配ビジネスやオンライン商売にも、
フレッシュ惣菜よりも乗りやすい。
同時にテイクアウト惣菜は、
外食をも飲み込んで、
「グロサラント」化していく。
「イータリー化」していく。
もちろんいまだ、
「グロサラント」は、
収益性に大きな問題を抱える。
そしてこの面では、
10月の軽減税率導入の壁も立ちはだかる。
しかしそれらの課題は、
必ず解決されて、
惣菜と中食市場は、
食生活最大の成長領域になるに違いない。
それはこれらの概念の真ん中にある、
「家庭」や「ホーム」が変質し、
溶解し、拡散していくからだ。
したがって、
内食・中食・外食の枠を超えた、
新しいビジネスモデルが、
惣菜領域を席巻していくのである。
〈結城義晴〉