今日は午後から新幹線のぞみ。
富士川を渡るが、富士は見えず。
西のほうから雲の軍団が北上中。
米原を超えて伊吹山。
そして佐和山城跡と、
彦根カントリー倶楽部。
新大阪に着いて、
小洒落たフランス料理。
「前芝料理店」
豚の頭のひき肉料理。
㈱万代の人事部マネジャー。
海野正敏さんと津田睦さん。
白ワインと赤ワインも少しだけ楽しんだ。
さて、昨日の続き。
生物学者の福岡伸一さん。
why(なぜ)疑問と、
how(いかにして)疑問。
「why疑問文」は、
大きい問いであり、
深い問いでもある。
「大きな問いに答えようとすれば、
答えは必然的に
大きな言葉になってしまう。
大きな言葉には解像度がない」
「それは結局、
何も説明しないことに
限りなく近い」
そこで「小さなhow疑問」を、
解く行為に徹すること。
「いちいちのhowに答えないことには、
決してwhyに到達することは
できないからである」
そこでコンビニの24時間営業や、
「見切り」問題。
土曜日の日経新聞一面トップ。
「コンビニ 成長モデル転機」
中村直文さんの署名記事。
編集委員で流通の専門家。
セブン-イレブンの24時間営業。
東大阪市の加盟店オーナーが「待った!」
「ローソンも今期の出店数を減らし、
24時間営業をしない店の実験など
経営路線の修正を余儀なくされた」
さらに実質的な「見切り」のポイント還元。
セブン-イレブンが電子マネーnanacoで、
見切り分を本部もちで5%程度の還元。
相前後してローソンもPontaで、
6月から実験開始。
実質的な加盟店の「見切り」販売。
これによって廃棄は減り、
加盟店オーナーの負担は緩和される。
コンビニの4大原則。
鈴木敏文さんがつくり上げた鉄則。
⑴クレンリネス
⑵品揃え(欠品しないこと)
⑶鮮度
⑷フレンドリーサービス
この鮮度と欠品防止に対して、
「売れ筋でロスを出せ!」と指示が出た。
売れ筋商品に関しては、
ロスを出すくらい多めの発注で、
在庫をもって品揃えをせよ。
そうすれば鮮度がいい商品が、
絶対に欠品しない。
残れば廃棄してもよろしい。
これに対しても、
オーナーたちから反論が出た。
ここで鈴木さんの鉄則は、
「how疑問」から発したものだったが、
いまや「why疑問」となっている。
今の時代に沿った「how疑問」に、
正当な答えが求められている。
それが今回の「見切り」ポイント還元だ。
中村さんの結論。
「コンビニだけでなく、
チェーン経営の小売店は
割安な労働力に依存し、
規模拡大による収益の拡大を目指してきた」
「だが日本は人口減時代に突入し、
従来の成長モデルは通用しない」
最後の最後の言葉。
「デフレの中で長く続いてきた”安売り時代”が
大きく変わるかもしれない」
この最後のところは、
今回の論旨とずれている。
今日の日経新聞「総合面」
岡田元也イオン(株)社長。
2面全面でインタビュー記事の展開。
この中で、コンビニの24時間営業問題に、
解を出す。
「24時間営業が適正かどうかというのは
本質的でない議論だ」
「コンビニ業界で
本部がこれだけもうかっているのは
富の再配分に問題がある」
富の再配分の問題。
これは実は「how疑問」への解である。
そのうえで、
「加盟店にはもっと自主的な判断で
経営をする権利があるはずだ」
私は3月7日のブログで、
イヴァン・イリイチを引用して説明した。
「コンヴィヴィアリティ」、
「自立共生」の考え方。
「社会は、新しい生産システムの
全体的効率に対する、
自立的な個人と一次集団の貢献度を
より大きくするような方向で、
再建されねばならない」
「その新しい生産システムは、
そのシステム自身が定めた
人間的な必要をみたすように
作られているのだ」
why疑問に答えているようで、
イリイチはhow疑問を積み重ねている。
〈結城義晴〉