結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年05月22日(水曜日)

双葉山69連勝と紀文正月フォーラムの「運と人と本気」

一年を二十日で暮らすいい男

江戸の川柳。

安永7年(1778年)、
相撲興行は晴天の8日間から、
晴天の10日間に延長された。

この江戸時代の「定場所」は、
春と秋の2回開催だった。

そこでプロの相撲取りは、
年間に20日間相撲を取る。
そうすれば暮らしていける、
「いい男」となった。

ただし、当時も地方巡業はあった。
大名に呼ばれて「御用相撲」も取った。

江戸から明治、大正を経て、
横綱双葉山が69連勝したのは、
昭和11年(1936年)1月場所7日目から、
昭和14年(1939年)1月場所4日目まで。

このころも1年間に2場所で、
1月場所と5月場所だった。

しかも昭和12年1月までは1場所11日制、
12年5月から13日制。

双葉は3年間も、
公式戦で負けなかった。

東前頭2枚目から勝ち始めて、
関脇、大関と上り、東横綱まで、
勝ち続けた。
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現在は年間6場所で15日制。

連勝記録の2番目は白鳳の63連勝、
続いて千代の富士の53連勝、
大鵬の45連勝。

すべて1年6場所、90日制での記録。

双葉山定次の凄さは想像を絶する。

いまは大関貴景勝光信。
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本当にいい力士だ。

残念ながら今場所は5日目から休場。
右膝内側副靱帯損傷、右膝骨挫傷。

しかし8日目の碧山戦で再出場。
この心意気はよかったが、
再び9日目から休場。

7月の名古屋場所はかど番で迎える。

今の貴景勝には、
「一年を二十日で暮らす」の環境を、
与えてやりたい。

日曜日の千秋楽には、
ドナルド・トランプ米国大統領が、
大相撲を観戦する。

バラク・オバマ前大統領は、
4度目の来日の際に、
広島の原爆ドームを訪れた。

一方、トランプは、
いきなりゴルフと相撲。
ゴルフは青木功プロとラウンドし、
大相撲では桝席で観戦した後、
土俵に登って、
優勝力士に大統領賜杯を手渡す。

ポピュリズムとパフォーマンスの男。
それに忖度する日本の首相。

ああ。

さて今日は朝から東京・浜松町。
芝大神宮の参道。
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新緑が深まってきて、
青い空に映える。
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㈱True Dataの取締役会。

カード会員数5000万人、
日本最大級のビッグデータ。

それを提供し、分析し、
マーケティングし続けるには、
日々、難題が訪れる。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

それらを解決していく。

横浜商人舎オフィスに戻って、
夕方、堀内慎也さんがやってきた。
㈱紀文食品の部長に昇進。
おめでとう。
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商人舎ゼネラルマネジャー亀谷しづえと、
三人で打ち合わせして写真。

堀内さんが就任したのが、
事業企画室正月ユニット部部長。

紀文正月フォーラムの責任者にして、
年末・正月商戦を仕切る。
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もちろん総責任者は弓削渉副社長。
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「紀文正月フォーラム」
今年も9月3日(火曜)・4日(水曜)両日に、
東京・東銀座の時事通信ホールで開催。
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皆さん、おいでください。
令和時代幕開けの正月商戦、
その戦略や政策をご披露します。IMG_70659
堀内さんは本当に稀な仕事の人となった。

一年を一つで暮らすいい男

しかしそのプレッシャーと苦労は、
並大抵ではない。

「ほぼ日」の糸井重里さん。
今日のダーリン。
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「なにかに成功した人や組織が、
“ああしたからうまくいった、
こうしたから勝った”
と言うことは多い」

つまりは、サクセスストーリー。

「じぶんから
語りたがることもあるだろうし、
それを聞いてじぶんの糧に
しようとする人びともいる」

「そういうなかで、
じぶんたちのうまくいったことを、
“運がよかった”であるとか、
“そこらへんは、よくわからない”だとか、
計算したわけじゃない要素を
混ぜて語る人のことは、
なんだか信用できる気がしている」

同感だ。

「勝ったり負けたりのある世界や、
成功や不成功が語られやすい
事業の領域などでは、
“こんなにアタマいいわたし”が
勝ちをつくっている…という文脈で
ものごとが語られやすい」

そうそう。

「他人のことも、じぶんのことも、
なんでも説明できて、
世界のことを含めて
世の中の流れがわかっていて、
やるべきことを見つけられる人が
山ほどいる。
ていうか、いるように見える」

「そういう人の言うとおりにやれば、
きっとなんでもうまく行くように
思えたりもする」

そんなことはないのにね。

「だけど、”こんなにアタマいいわたし”が、
実際に責任やリスクをともなう試合で、
なにかをやっているという例は
あまり見たことがない」

「また、
“こうやればうまくいく”という理論で、
じぶんがやってうまくいった例も、
伝わってこない」

そこで糸井の考察。

「たぶん
“こうやればうまくいく業界”とか、
“こんなにアタマのいいわたし業界”
だとかがあって、
そこでの”こうやれば”や”アタマいい”が
“商品”として流通しているのではないかと
思うのだ」

流通業界もその気(け)はある。

「その業界には”運がよかった”や、
“なんででしょうね”は
あってはならないのだろう」

いや、小売サービス業界こそ、
ドラッカー先生の「予期せぬこと」が多い。
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糸井重里。
「そんなことを考えると、平然と
“運がよかった”と言える人のことは、
実際の試合なり事業を
やってきたんだろうなぁと、
信用できると思ってしまうのである」

双葉山定次はそれだった。

イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さん、
ヤオコー会長の川野幸夫さん。
お二人は「お陰さまで」が口癖だ。

「ドラッカーは
“なぜかは、わからないけど”
というフレーズをよく使う。
“なぜかはわからないけれど、
事実はこうなっている”。
そしてその事実に対して、
ドラッカーは、
行動の原則と具体的な方法とを示す」
月刊商人舎2月号。
結城義晴「上田惇生を悼む」から。201902_coverpage-448x634

「運がよかった」
「お陰様で」
「なぜか、わからないけれど」
謙虚だ。

それに対して、
アタマのいいひとのふりをするひとは、
ほんとうに情けない。

最後に糸井さん。
「運だけではないのだけど、あとは人。
と、少しの本気さかな」

同感。

一年を二十日で暮らすいい男や、
一年を一つで暮らすいい男は、
運と人柄と、かなりの本気でしょうか。

〈結城義晴〉

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