新聞コラムの最高峰といわれる。
朝日新聞「天声人語」
「あなたなら、どちらの言葉が
心に響くだろうか」
A「ウソをつかないで」
B「ウソつきにならないで」
面白い。
心理学の実験をした。
Aはほとんどウソが減らなかった。
Bはウソが激減した。
「行動より人格のことを言われた方が
身が引き締まるようだ」
脳研究者の池谷裕二さん、
近刊『脳はなにげに不公平』で紹介する。
池谷さんが考えた応用例。
「裏切らないで」より、
「裏切り者にならないで」
「私の状況を理解して」より、
「私のよい理解者になって」
英語はもともとこんな表現をする。
米国研修の一日の終わり。
リムジンバスを運転してくれた運転手に、
私は感謝の気持ちを込めて言う。
“You are a very good driver!”
商売やマネジメントにも、
どこかで使えそうな気がする。
コラムはこの後、
朝日新聞らしく(?)自民党の批判。
同党がマニュアルを議員に配った。
「失言しないで」の願いが込められ、
手取り足取り。
しかし必要なのはむしろ、
「”失言するような政治家にはならない ”
という議員たちの決意ではないか」
自民党だけではない。
維新の会の議員の発言も、
最近は目に余る。
ただし「失言」を避ける努力は、
問題の本質を隠ぺいさせることになる。
「本心」こそ大事なことなのだから。
だから政治家に向けては、
「ウソをつかないで」も、
「ウソつきにならないで」も、
本当はどちらも意味がない。
そんな人間たちを、
日本国民の代表者にしてはいけない。
さて今日は、夕方から、
東京・虎ノ門。
法曹ビルだけに、
ロビーには正義の女神「テミス」像。
「ウソ」や「ウソつき」を見破る。
その地下1階の法経ホール。
今日は、
「旺文社マネジメントスクール」
昨年までの名称は、
「学習院マネジメントスクール」だった。
創始者は前学習院院長の故田島義博先生。
田島先生は日本の産業界にとって、
そして流通業界にとって、
大恩人の学者であり、教育者である。
とりわけ小売業にとって、
チェーンストアにとって、
忘れてはならない人だ。
だから先生のご遺志は、
是非とも継がねばならない。
林周二著『流通革命』は、
1962年に発刊された。
この歴史的な名著の、
生みの親が田島義博その人だ。
当時、日本能率協会から、
月刊「マネジメント」誌が発行されていた。
この媒体から『流通革命』が誕生した。
そして田島義博は、
この雑誌の若き編集長だった。
田島先生が務めた役職は、
学習院院長に限らない。
日本商業学会会長、
日本ダイレクトマーケティング学会会長、
社団法人消費者関連専門家会議会長、
通商産業省大規模小売店舗審議会会長、
国税庁中央酒類審議会会長、
農林水産省食品流通審議会会長など、
数え上げたらきりがない。
その田島義博学習院院長が、
2001年に創設したのが、
学習院マネジメントスクールだ。
その構想は、
「日本の企業と産業界の再活性化に
教育を通じて貢献する」
今年からこのスクールを、
一般財団法人日本生涯学習総合研究所が、
運営を引き継ぐことになった。
この財団法人は1994年、
㈱旺文社によって、
生涯学習の振興に貢献する目的で設立。
“田島マネジメントスクール”を継承し、
産業社会人に革新的な知見を提供する。
初めに事務局長の林純子さん。
そして生駒大壱さんが、
開講のメッセージ。
旺文社代表取締役社長。
そして開講の第一講義は、
結城義晴の「流通概論」
2007年12月から、
このスクールで講義を担当している。
実務的であり、なおかつ分析的、
アカデミックであり、
ジャーナリスティックであり、
なおかつ結城義晴らしい個性的な講義。
与えられた時間は110分。
レジュメはA4版で22枚。
パワーポイントのスライドは150枚。
いつも田島先生の前で、
講義している気持ちなので、
どうしてもテンションが上がる。
私が持っているものは、
漏らさず伝えたいと考える。
だから脱線はするし、
最後はいつもの超早回し。
それでも十分に語り切った。
講義が終わったら、
湯沢威学習院大学名誉教授を中心に、
全員で写真。
湯沢先生は、
この旺文社マネジメントスクールでも、
顧問を務めてくださる。
ありがたい。
“田島義博マネジメントスクール”、
再出発です。
よろしくお願いします。
〈結城義晴〉