Everybody! Good Monday!
[2019vol23]
発刊しました。
月刊商人舎6月号。
特集は、
2019同盟決算
日本小売業「決算解体新書」のスケール&スコープ分析
[Cover Message]
2019年2月・3月決算が出揃って、令和時代の入り口における日本小売産業の全体像が明らかになった。一言で言えば「同盟決算」である。旧ドンキホーテホールディングスのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスがユニーを傘下に収めて、しかもMEGAドン・キホーテUNYのダブルネームでフォーマット転換の成果を見せた。イオンは全国のマックスバリュを再編して、リージョナルチェーンへと蘇生する。これもイオンの長い経営統合の歴史の上ではアライアンスの組み直しを意味する。セブン&アイ・ホールディングスはセブン-イレブンの24時間営業問題が発生して、フランチャイズシステムにおける本部と加盟店の同盟関係に亀裂が生まれた。さらに新日本スーパーマーケット同盟が誕生して、日本小売業アライアンス時代を強く印象づけた。上場企業を中心に「2019同盟決算」の「解体新書」をお届けしよう。この産業レベルの新しいアライアンスはスケールの経済から、スコープの経済への転換を示唆しているのである。
商人舎では、
「コングロマリットチェーン」と名づけて、
イオンとセブン&アイをそれに位置づけた。
「複合企業チェーンストア」。
今回はズバリと、
複合企業の戦略を斬った。
総合スーパー、スーパーマーケット、
さらにコンビニエンスストアと、
ドラッグストア。
それぞれの業態の趨勢を明らかにした。
百貨店、家電チェーン、
ホームセンターとホームファッション、
カジュアルアパレルチェーンは、
月刊商人舎Webコンテンツで掲載。
高木和成さん、和田光誉さんと、
結城義晴の鼎談は、
言いたい放題。
放言も飛び出したが、
表現を穏やかにして掲載した。
失礼の段、お許しくだされ。
今月も、渾身の内容。
メジャーなメディアでは出せないことも
書いてしまった。
しかし正々堂々の姿勢は崩さない。
それがマーケットニッチャーの在り方。
強みでもある。
さてミラノに着いて、
3日目、視察研修は2日目。
今日は全員揃って、
まずは郊外のショッピングセンターへ。
イル・ツェントロ。
2016年にオープンして、
いきなりマピック賞を受賞。
世界最高のショッピングセンターである。
アルファロメオの工場跡地を、
ゆったりと活用した自然派商業集積。
ウッディな造りで、
外光をふんだんに取り入れた。
広大な駐車場は満杯。
SC右サイドの吹き抜けホール。
核店舗は、
イーペル・ラ・グランデ。
店長にインタビューと店内ツアーを、
受けていただいた。
ルッザ店長。
(2年前のアップ写真)
8000㎡の巨大スーパーマーケット。
現在の年商は7000万ユーロ。
1ユーロ120円で84億円。
詳細は月刊商人舎2017年7月号。
「イーペルの地球的衝撃」
凄いタイトル。
今回は全部門を丁寧に案内し、
説明してくれた後で、
質疑応答。
自信満々、丁寧に答えてくれた。
㈱今津社長の今津龍三さん。
万代ドライデイリー会会長。
鋭い数字の質問。
それにもよく考えて答えてくれた。
万代社長の阿部秀行さんと握手。
もちろん私とも再会の握手。
2年前はルッザ店長、ちょっと痩せていた。
そして全員写真。
入口に青果部門。
イーペルの店舗入り口の左サイドに、
焼き立てハンバーガーショップ。
野菜、果物は、
イーペルでも重要部門。
バナナの売り方はホールフーズのようだ。
左サイドの鮮魚から精肉へ。
その奥にイートインコーナー。
郊外型巨大イータリーである。
店頭のデモンストレーションは、
生パスタの製造を見せる。
右サイドのベーカリーは、
完全インストア。
メーカーの工場を凌ぐほどの設備。
ベーカリーをぞろぞろ見学。
チーズ売場ではモッツアレラは、
自家製造。
それ以外のチーズも、
イタリア全土から集められている。
オーガニックの紙トレーを使う。
それ以外のトレーも環境対応。
生ハム売場は、
スペインの店のようだ。
スライサーでカットしてくれる姿が、
パフォーマンスとなっている。
肉売場のブッチャー。
枝肉からおろして、
最後はこのようにカッティングを見せる。
鮮魚売場は、
シアトルのパイクプレースの、
あの有名な魚屋のようだ。
ライブ感満点の売り方だ。
リカーコーナーは、
イタリア第一と自慢する。
コーナーの中にドリンクバーがあって、
ここで楽しむこともできる。
Ipelとは「Hyper」の意味。
ハイパーマーケットだ。
だから非食品ラインも充実している。
最後に家電売場がある。
アパレルももちろん品揃えしている。
キッズが増えたように感じる。
そして屋外には、
3週間限定のポップアップ売場。
巨大なカートで、
自転車をプレゼンテーション。
中2階にはビールの工場。
マイクロブロワリー。
巨大なレジは84億円の威力を示している。
イーペルの視察が一段落して、
ランチはもちろんイートインコーナー。
ドライデイリー会幹部諸氏。
こちらは議論中。
イル・ツェントロのSCを巡ってみる。
オープン以降、3年の間に、
ますます繁盛しているが、
「食」が圧倒的に増えた。
日本でも同じ傾向にあるが、
ショッピングセンターには、
フードコーナーの増設が必須である。
一番奥にアパレルの店舗群。
その中でひときわ集客力を示すのが、
プライマーク。
1階と2階のメゾネットタイプだが、
どちらにも行列ができていて、
入場制限をしている。
となりのH&Mはガラガラ。
店内の興奮状態は異常なほどだ。
顧客は行列に並ぶのをいとわない。
ウィンドウに陳列された水着。
これがなんと5ユーロ。600円。
水着に限らない。
すべての商品が「良いものが安い」
これです。
ショッピングセンターの左サイドは、
ホームセンター。
「ヴィリデア」
屋外売場は森のよう。
こんなホームセンターは、
日本では見たことがない。
日本のホームセンターは、
アメリカばかり見ている。
もっと視野を広げたほうがいい。
そう感じさせられる。
イーペルを後に、
コープの未来店舗へ。
ミラノ博覧会のときに、
フューチャーストアを開発して、
展示した。
その展示をこの店に移して、
顧客に提案する。
だがシステムの追加投資が足りないのか、
初期のコンセプトが継続されていない。
未来店舗が退歩している。
それからミラノ市街に戻って、
イータリー・ミラノ店。
イータリーに関しては、
月刊商人舎2017年2月号。
地球イータリー化現象
ミラノの劇場跡を使って、
劇的な3層の店にした。
迫り出しのスペースも、
レストランにした。
創業者のオスカー・ファリネッティは、
市場であり、食堂であり、
学校であるような店を創った。
それがイータリーだ。
新たに登場したのが、
コンビニエンスフード売場。
イータリーも進化を試みる。
鮮魚売場は鮮度感満点。
このプレゼンテーション。
3階から見下ろすと、
パノラマのようにイータリーを楽しめる。
3階のワイン売場では、
試飲のデモンストレーション。
そして料理教室。
新たに登場したのが、
このレストラン。
3週間単位で入れ替わる。
ポップアップレストラン。
3週間勝負なので、
各地のシェフたちが、
究極のメニューと究極のサービスを、
競って提供してくれる。
イータリーにもイーペルにも、
「ポップアップ」の考え方が出てきた。
私がずっと提唱している。
三井物産㈱のミラノ駐在員の皆さんに、
ていねいにご案内いただいて、
満足の視察を終えた。
最後はミラノ市の新開発エリア。
高層ビルの真ん中に噴水。
その1階に、
エッセルンガ。
イタリア全土の流通を、
私が知っているわけでもないが、
一番レベルの高い企業だと思う。
600坪のオーソドックスな店だ。
入口には、
スキャン&ゴーのハンディターミナル。
まず、クリンリネスがしっかりしている。
品揃えがオーソドックスで欠品がない。
品質は確かで、鮮度もよいし、
フレンドリーサービスが行き届く。
青果売場、精肉売場はもちろん、
鮮魚売場も充実して鮮度がいい。
グロサリーはナショナルブランドと、
プライベートブランドを、
適度にミックスして上出来。
ゴンドラ上部にノンフードが、
フック陳列されている。
これがエッセルンガの特徴。
最後のベーカリー。
このグリーンが、
エッセルンガのベーカリーカラー。
素晴らしい色の感覚だ。
最後スキャン&ゴーのレジ。
もちろん通常のレジも、
ミラノで一番スピーディ。
従業員の教育や訓練のレべㇽも、
コンベンショナル型とは格段に違う。
イタリア小売業の現代化を体現する。
今日はとりわけいい勉強ができた。
全員満足して、
夕食は中華料理。
久しぶりの東洋の味。
安らいだ。
では、皆さんも、安らいで。
Good Monday!
(つづきます)
〈結城義晴〉