結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年06月18日(火曜日)

中原中也「帰郷」の「あゝおまへは」と専門家の「熱」と「温」

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」と、
東京新聞の「筆洗」。
東京新聞は中日新聞の関東版だから、
巻頭言も今日は同じ文章。

中原中也の詩「帰郷」を取り上げてくれた。

私、大好きだ。
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柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
(中略)
これが私の故里だ
さやかに風も吹いてゐる

「中也が故郷の光景に感じたのは
安心や心地よさばかりではあるまい」

「詩はこう結ばれている」

あゝ おまへは
なにをして来たのだと……
吹き来る風が私に云ふ

大阪府警吹田署の千里山交番の事件。
巡査が包丁で刺され、拳銃が強奪された。

「防犯カメラの男が息子に似ていると
父親が警察に連絡してきたという」

「その日は父の日である。
故郷。父の日。
二つの言葉を並べ、うめく」

あゝ おまへは
なにをして来たのだと……

こういった事件が起きると、
私はいつも思う。

私自身も属しているこの社会が、
どこかで機能障害を起こしていないかと。
私たちを含めて病んではいないかと。

故郷に吹く風が云う。
あゝ おまへはなにをして来たのだと……

辛い。うめくしかない。

今日は朝から、東京・小平。
第一屋製パン㈱本社。
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小平工場が併設されている。

パン工場は敷地に入ると、
実にいい匂いがする。

午前中、取締役会。

昼過ぎに横浜商人舎オフィスに戻る。
その後は原稿書きなど編集の業務。

商人舎流通Supernewsも全部、
目を通した上で結論は私が書き込みます。

米国小売業news|
5月商業センサス前年比3.2%増ながら飲食料品0.1%減
ウォルマートnews|
定額配達サービス「デリバリー・アンリミテッド」を開始

コングロマリットチェーン2社。
セブン&アイnews|
5月既存店はイトーヨーカ堂1.2%減・ベニマル1.3%減

イトーヨーカ堂とヨークベニマルが、
全店ベースでも既存店でも前年割れ。
他の業態はプラス。

イオンリテールnews|
「イオン浪江店」(266坪)福島震災復興地区に7/14出店

福島県浪江町に小型スーパーマーケット。
イオンの復興支援店舗だ。

その後は専門店チェーンのニュース。
ロフトnews|
ゆめタウン光の森南館1階に核店舗として6/27出店

ロフトの商品分類は大きく2つ。
「市」と「蔵」。
「市」は旬の意味のシーゾナルアイテム、
「蔵」は定番のステープルアイテム。
おもしろい。

東急ハンズnews|
池袋店3フロア6/28改装オープン・ハンズカフェ展開
東急ハンズ、組織がちょっと古い。

ユニクロnews|
LINEスタンプキャラクター「BT21」とのコラボUT

ユニクロのTシャツ「UT」。
900円で様々なコラボ。
もう追随できない。

ヤマダ電機news|
ネット注文商品を24時間受取可能「ERYBOX」実験開始
ヤマダ流アマゾンロッカー。

西松屋news|
社長直轄の「コントローラー」「財務室」6/17新設

西松屋チェーンが新設した役職。
「コントローラー」。
これは故渥美俊一先生の用語。
一般に言われる経理や財務職ではない。
欧米から入った役職は、
予算策定や予算レビュー、
予実管理とその報告などを担当する。

渥美用語では、
「数字分析から作戦の変更を
トップに進言する職位」

特殊な意味づけだが、
西松屋チェーンでは今も、
この意味で使っているはずだ。

欧米流の予算策定や予実管理の役目も、
もちろん担っている。

パルコnews|
11月渋谷PARCO建て替えオープン/年商200億円

夕方までニュース原稿を整理したり、
テキスト原稿をつくったり。

そして日が暮れてから、
商人舎オフィス横の新田間川。IMG_78739

今夜は満月?
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それも「ストロベリームーン」DSCN99589

アメリカ先住民は、
各月の満月に名前をつけた。
6月はイチゴの収穫期。
だから「ストロベリームーン」DSCN99629

美しい。
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「ほぼ日」の糸井重里さん。
昨日の「今日のダーリン」
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「ぼく自身は、
あんまりオタク化しないのだけれど、
なにかを専門的に追求している人に、
そのたのしみについて
教えてもらうことは好きだ」

私も同じ「趣味(?)」を持つ。

糸井さんはいま、
「NIWAKAラグビーファン」。
もちろんワールドカップが開かれるから。

そこで専門家やオタクについて考察。

「思えば、図書館の本を
ぜんぶ読んだところで、
それぞれの専門分野の人たちからしたら
なにかについて”ちょっと本を読んだ人”
程度のものである」

流通についてのことを思うと、
それはよくわかる。

「オタクになる勇気というものがあって、
“たとえどこかに欠けが出ようと、
ここを掘る”
という心境になれなくては
突き進めないのだろう」

「そっちに進むのも勇気だけど、
“嗜む程度に酒をのむ”みたいなバランスの上で、
たのしいなぁという時間を重ねていくのも
勇気…じゃなくて、んーと…
素直な態度だとは思うのだ」

これが糸井流の態度。

「”熱”もいいけれど、
“温”にかかわるものが
好きだなー」

私は流通に関しては「熱」だ。
それ以外は「温」でいたい。

なんでも「温」という人もいるだろう。
だが私は、ひとつの「熱」はもっていたい。

その意味で中原中也に関しては、
私は「温」の気分で、大好きだ。

だからあくまで引用する。
あゝ おまへは
なにをして来たのだと……と。

〈結城義晴〉

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