今日は万代知識商人大学講義。
4年目に入って、第4期生。
3月から開講して、4度目。
大阪府東大阪市の㈱万代本社。
隣接する会議棟が、
万代の企業内大学の校舎。
午前9時前に全員が集合したら、
すぐに始める。
先月の講義をもとに、
各自にレポートが課される。
2名の4期生が選ばれて、
その提出レポートの報告をする。
まず木﨑稔さん。
惣菜部SVリーダー。
畠山敏之さんは下新庄店店長。
二人ともそれぞれに学んだことをもとに、
自分の考察を展開して、
よかった。
報告が終わると、
午前中いっぱい結城義晴の講義。
第4回のテーマは、
オペレーションマネジメント。
初めに月刊商人舎6月号の内容を、
かいつまんで解説して、
業界の動静を教授する。
それからマネジメントの体系。
オペレーションはその中の、
どこにどう位置づけられるか。
それからスーパーマーケットの、
ジャストインタイムと自働化を説明。
トヨタのかんばん方式は、
米国スーパーマーケットに学んだ。
そして今、日本のスーパーマーケットが、
トヨタのかんばん方式に考え方を学ぶ。
午前中は、
ウォルター・A・シューハートや、
ウィリアム・E・デミングの、
品質管理をはじめとする品質の問題を、
万代の企業特性に照らし合わせて、
ゆっくりと講義した。
12時過ぎまで3時間近くの講義も、
あっという間に終わってしまう。
午前中の終わりに、
4期生に質問した。
「5S」の5つのSを答えよ。
皆さんは、わかるだろうか。
そう、
①整理
②整頓
③清掃
④清潔
⑤しつけ
万代大学4期生。
見事に答えた。
それから整理と整頓の意味。
これも級長の川嶋敏宏さんと、
泉北深阪店店長の原田明博さんが、
見事に答えてくれて、
私は大いに満足した。
トヨタの定義だが、
「整理」とは、
「いるもの」と「いらないもの」を分け、
「いらないもの」を捨てること。
「整頓」とは、
「必要なもの」を「必要なとき」に、
「必要なだけ」取り出せるようにすること。
重要です。
ランチはいつも通り、
本社に併設された万代渋川店で購入。
金曜市を全面展開。
一丁目一番地は、
鮮度感あふれる農産部門。
水産部門は1000円で、
よりどり3パックの販促をやっていた。
そして主通路の島陳列。
これはウォルマートのようだ。
店舗左翼のデイリー売場も、
商品を絞り込んで、
訴求アイテムを強調する。
店舗奥主通路中央に惣菜売場。
ここでランチメニューを購入。
買物が終わるころ、
ばったりと会ったのが、
山下和孝さん。
㈱万代監査役にして、
㈱万代リテールホールディングス社長。
仲良く記念写真。
午後1時から講義再開。
専務取締役の芝純さんが、
万代のオペレーションマネジメントを、
具体的に語った。
数字を使って、万代の方針をレクチャー。
オペレーションシステムは、
その会社のミッションや戦略に応じて、
それぞれに特徴を持っていなければならない。
たとえば、
アメリカのトレーダー・ジョーと、
ホールフーズマーケット。
どちらもスーパーマーケットで、
オーガニックやナチュラルを主力にする。
しかしその店舗運営や作業システムは、
まったく正反対と言えるくらい異なる。
万代も同じだ。
だから営業担当専務が、
その万代のオペレーションを解説する。
芝さんと握手。
良い講義でした。
そのあとは人事部マネジャーで、
万代大学事務局の津田睦さんが講義。
より具体的に店舗損益の改善の考え方。
津田さんは店長を経験して、
それから人事部マネジャーとなった。
だから店舗の作業管理と数値管理は得意とする。
一気呵成に1時間、見事な講義だった。
それが終わると、
加藤徹さん、阿部秀行さんと懇談。
加藤さんは㈱万代の前会長で、
現在は万代油脂工業㈱社長。
実質的なオーナーで、
万代知識商人大学理事長。
阿部さんはもちろん万代社長。
午後3時から最後の講義。
レイバースケジューリングシステム。
もちろん結城義晴。
私はかつて村上忍さんから、
徹底的に作業システムを学んだ。
単行本も2冊ほど手掛けた。
そしていま高野保男さんに、
ミドルマネジメント研修会で講義してもらっている。
最新のレイバースケジューリングも学んでいる。
それをレクチャーした。
さらに最後の最後は、
サプライチェーンマネジメントの基礎を講義した。
チェーンストアに従事する人たちの、
9割はこのオペレーションを仕事とする。
たった1日の講義だが、
きわめて重要なテーマなのだ。
次々に新しいマーケティングを展開したとしても、
それを現場で実現するには、
作業システムが出来上がっていなければならない。
私のあとに阿部社長の訓示。
阿部さんもまさに「現場の人」だ。
その自分の経験と会社の大方針を、
最後にしっかりと30分も語ってくれた。
そして加藤さん、阿部さんと写真。
お疲れさまでした。
第4期生はそのあと、
今日のレポートを簡単にまとめた。
さらに2000字以上のレポートが課される。
1年間は徹底的に学び続ける。
もちろん徹底的に仕事に打ち込む。
それが幹部候補生の最低条件である。
最後に大野耐一さんの言葉。
「トヨタ生産方式」の考案者で、
最後はトヨタの副社長となった伝説の人。
「標準」とは
生産現場の人間が、
つくり上げるべきものである。
けっして上からの、
お仕着せであってはならない。
御意。
〈結城義晴〉