堺市。
大阪府泉北地区にあって、
大阪第2の都市。
今年5月段階の人口は82万9145人、
世帯数は35万8585。
堺市の人口は、
都道府県人口順位41位の佐賀県を上回る。
以下、山梨県、四国の徳島県、高知県、
山陰の島根県、鳥取県の順。
昨日からのホテルは、
アゴーラリージェンシー堺。
その22階の部屋で目覚めると、
梅雨入りしていない大阪湾は快晴。
朝一番で起き出して、
南海電鉄でなんば駅まで出る。
そして大阪シティエアーターミナルから、
リムジンバスに乗り込む。
OCATと略す。
行先は徳島。
G20のための警備体制もあって、
大阪市内はちょっと渋滞。
しかし神戸に向かうとスムーズに流れて、
あっという間に須磨へ。
そして神戸淡路鳴門自動車道を、
明石海峡大橋へ。
全長3911 mの世界最長の吊り橋。
大阪平野と淡路島に囲まれた海域。
それが大阪湾。
美しい。
淡路島に入ると、
淡路サービスエリア大観覧車。
日本で一番大きな島が淡路島。
とはいっても日本列島の本州も、
北海道、九州、四国も、
島であることはかわりない。
だから淡路は五番目に大きな島で、
大阪湾という巨大な湖を囲む一角を成す。
その結構、大きな淡路島を、
高速道路で抜ける。
風光明媚。
そして淡路島から四国をつなぐのが、
大鳴門橋。
有名な「鳴門の渦」はこのあたり。
ぽっかり浮かぶ「飛島」。
鳴門飛島灯台が立っている。
なんばOCATから2時間半で、
徳島駅に到着。
駅前にはそごう百貨店がある。
高いヤシの木が、
ひょろりひょろりと立っている。
このそごうは徳島県唯一の百貨店だ。
1983年10月1日にオープンして、
店舗面積は約8100坪で、
四国最大だった。
36年が経過する。
もちろん㈱そごう時代の開業で、
その後、西武百貨店と経営統合し、
そごう・西武となってから2005年、
セブン&アイ・ホールディングスが買収。
徳島駅からタクシーで、
南末広町のあわわビルへ。
㈱とくし丸本部。
代表取締役社長の住友達也さんと対談。
月刊商人舎2015年4月号で、
華々しく登場してもらった。
その中の記事が、
移動スーパー「とくし丸」創設者
住友達也の独白
その時の話をベースにして、
現時点のとくし丸を語ってもらった。
とくし丸本部と、
契約スーパーマーケット企業、
そして個人事業主のパートナーさんが、
三位一体で「三方良し」で展開する。
それがとくし丸モデル。
契約スーパーマーケットは113社。
稼働台数は412台となった。
500台はもうすぐだし、
1000台が視野に入ってきた。
おばあちゃんのコンシェルジュを標榜。
もう7年。
住友さん自身の構想は、
もっともっとスピード感があるが、
それでも有店舗小売業の成長と比べると、
驚くべき発展と進化を遂げる。
1981年に徳島県で、
タウン情報誌『あわわ』を創刊。
1984年、㈱あわわを創設して、
代表取締役社長に就任。
もともとは私と同じ出版人。
話はどんどん盛り上がった。
とくし丸は、
全国規模の移動スーパーに発展した。
同時に、商品領域も拡大されて、
実に面白いマーケティングを構想し、
展開する。
その一つが「とくし丸プラス」。
とくし丸と住友達也の物語は、
月刊商人舎7月号で、
詳細にレポートし位置づけしよう。
住友達也さんは、
この混迷の時代に、
鮮明な未来を見ている。
それが私は嬉しかった。
日経新聞電子版「経営者ブログ」
今日は㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
テーマは、
「先行き不透明」の時代。
「朝だか、夕暮れなのかわからない。
厚い灰色の雲が垂れこめている。
梅雨時の朝、灰色に覆われた重い風景は、
最近の報道でよく使われる、
“先行き不透明”といった言葉を
思い出させる」
大阪も徳島も梅雨入りしていないが、
東京は梅雨の真ん中。
「政治、経済、国際情勢、すべてが
大きなリスクを抱えたままである」
「米中の覇権争い、米・イラン、
欧州連合(EU)問題から、
日本の株価に至るまで、
すべて”先行き不透明”と
くくってしまうほかないようだ」
その通りだが、
「何の示唆も与えてはくれないのだが、
いちばん、適切な表現なのかもしれない」
この言い回しが実に、
現時点を的確にとらえている。
「”先行き不透明”な状況が続いて、
最後は、日本を素通りして、
“先行き不透明”の原因をつくっている国が、
落ち着くところというか、
落としどころを見いだして、
落ち着いてくるのを待つほかない」
アベノミクスも、
落としどころを待つしかない。
「当事国でない限り、情報も限られ、
解決策を提示できるわけでもない」
「国も人も、緊張感にも、
すぐに”慣れ”てしまう」
この「慣れ」こそ怖い。
「慣れてしまえば、
何らかの解が見えるまで、
どんよりと重たい空気が
漂い続けるだけである」
日本の小売りサービス業界にも、
共通している。
「先行き不透明」に慣れてはいけない。
「先行き不透明」に、
一番どんよりしているのは、
国民であり、消費者である。
おばあちゃんたちである。
住友達也は、
「先行き不透明」と闘いつつ、
そこに鮮明な解を与えている。
その意味では、
徳島とおなじ。
梅雨入りしてはいない。
亜熱帯地方のような徳島で、
そんなことを感じた一日だった。
もちろん神出鬼没の結城義晴も、
「先行き不透明」と闘い続けている。
〈結城義晴〉