近畿・四国地方が梅雨入りしない、と、
このブログで連発したからではないが、
今日、気象庁が梅雨入り宣言。
最近は「宣言」と胸を張る様子はない。
それでも近畿では平年より19日遅かった。
気象庁が統計を取り始めて以来、
最も遅い梅雨入り。
その統計を取り始めたのが1951年。
68年間で最も遅い梅雨入り。
結構、すごい記録だ。
しかし梅雨入りとともに、
明日は激しい雨が降るし、
今後1週間は雨や曇りが続く。
ちょっと安心したというか、
やはり梅雨の鬱陶しさが気になるというか、
昨日、このブログで書いた、
「先行き不透明」は天気にも当てはまる。
天気も「どんより感」満載だ。
さて恒例の日本経済新聞の調査。
「2018年度の小売業調査」
第52回となるから、
西日本の梅雨入り記録より、
歴史は新しい。
それでも毎年毎年、
感謝しています。
コンパラブルな491社の総計は、
前年比3.8%増加。
これは7年連続となる。
その代わりに、
前年比が出せない企業、中小企業は、
減少していると予測できる。
店数に関しては、
持ち株会社などを除いた470社の総数が、
12万1208店で1.6%の増加。
単純には比較できないが、
1店当たりの売上高は増えた模様だ。
日経本誌が強調するのは、
ネット通販を含む通信販売事業。
総売上高は8.4%増の3兆5884億円。
これも小売業だ。
伸び率は昨年度の調査と同じで、
日本のeコマースは、
中国経済以上の成長を示した。
eコマース最大のアマゾンジャパンは、
年商1兆5265億円の14.3%増で、
通信販売全体の4割強を占める。
月刊商人舎5月号特集は、
「ラストワンマイルの優勝劣敗」
サブタイトルは、
「ネットスーパー」と「宅配ビジネス」の勝者総取り!?
勝者といっても1社ではない。
1社では独占になってしまう。
だから複占、
あるいは鼎占。
最近は「三占」を、
「鼎占」と言っている。
寡占や複占と釣り合う感じがいい。
結城義晴の造語。
その「鼎占」や「複占」に至るスピードが、
有店舗小売業よりもはるかに速い――。
これも結城義晴の持論。
ネットスーパーと宅配ビジネスに、
移動スーパーも加えておかねばならない。
さて小売業ランキング。
1位 イオン
2位 セブン&アイ・ホールディングス
3位 ファーストリテイリング
4位 ヤマダ電機
5位 アマゾンジャパン
このあたりはすでに、
月刊商人舎6月号で特集した。
2019同盟決算
6位 三越伊勢丹ホールディングス
7位 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
7位がドン・キホーテとユニーの統合企業。
8位 エイチ・ツー・オー リテイリング
9位 高島屋
10位 ビックカメラ
ベスト10にまだ百貨店が3社残っている。
セブン&アイのそごう西武を加えると4社。
総合スーパーを持つ企業も3社。
イオンリテールのイオンと、
イトーヨーカドーのセブン&アイ、
そしてユニーとMEGAドン・キホーテ。
とはいっても営業利益レベルでは、
イオンは銀行とモールが主力、
セブン&アイはコンビニと銀行。
ビッグ10には家電・カメラが2社と、
ファストカジュアル1社が入る。
つまり成熟社会の成熟小売業は、
業態の種類が多様化し、
それぞれの業態ごとに、
複占化、あるいは鼎占化してくる。
これも結城義晴の持論。
言い続け、書き続けている。
詳細は月刊商人舎6月号を読んでほしい。
さて、日経の調査のすばらしさは、
悉皆調査であること。
網羅的である。
その網羅された小売業の中で、
2桁の伸びを示した企業。
2位のセブン&アイが12.5%、
3位のファーストリテイリングが14.4%、
5位のアマゾンジャパンが14.3%。
7位のパン・パシフィックも13.6%。
いずれも凄い成長性だ。
成長性から言えば、
ウェルシアホールディングスが12.1%、
17位のツルハホールディングスが16.7%、
23位のコスモス薬品が11.0%。
ドラッグストアが並ぶ。
ただしドラッグはコスモスを除いて、
M&Aによる成長が加算されている。
この業界は数年後には、
明暗がはっきりしてきて、
そして売上げの伸びも安定してくる。
スーパーマーケットでは、
38位のオーケーが10.2%の伸び。
94位と100位以内に入ってきたが、
ロピアが16.1%。
既存店の力強い伸びと、
新店の初年度からの繁盛。
それが2桁成長を支える。
この2社に関しては、
TBSラジオの生活情報番組でも目立った。
「ジェーン・スー 生活は踊る」主催の、
「スーパー総選挙」。
商人舎流通SuperNewsでも取り上げた。
スーパー総選挙news|
1位オーケー、2位ライフ、3位ヤオコー/ロピア躍進で4位
第3回スーパー総選挙。
スーパーマーケット333社がエントリー。
投票方法は3種類。
ラジオ番組のリスナーが、
⑴メールで投票
⑵ホームページの投票フォームで投票
⑶TBSラジオfamの投票箱に直接投票
応募期間は6月1日から6月21日の3週間。
結果として投票総数は6007票。
1位は3年連続でオーケー(1610票)。
投票数の26.8%。
2位 ライフ(754)
3位 ヤオコー(658)
4位 ロピア(591)
5位 サミットストア(261)
6位 オオゼキ(168)
7位 マルエツ(159)
8位 西友(107)
9位 文化堂(106)
10位 ベルク(98)11位以下のランキングやその僅差には、
あまり意味がない。
首都圏に店がないツルヤが14位で49票。
これは面白い。
イトーヨーカドーは15位で44票。
イオンは20位で35票。
ドンキもユニーも、ランク外。
売上規模で大手の3社は、
ラジオでは人気がない?
それとも会社が、この番組に対して、
「無視」を決め込んでいるのか?
基礎数値が1万に満たない統計だし、
日経の小売業統計の悉皆調査とは、
比べるべくもない。
それでも小売業調査の成長率で、
オーケーの10.2%増と、
ロピアの16.1%増は、
総選挙の数字と同期した。
スーパー総選挙で上位の、
ライフコーポレーションは、
年商ランク14位で、年間成長率3.1%、
33位のヤオコーは伸びが4.8%、
48位のサミットは2.2%増と、
これまた立派な成績だ。
ラジオ番組には、
組織票もあるかもしれない。
悉皆調査とは大違いではある。
しかし私は、
ラジオでもテレビでも、
何でも活用してよいと思う。
ただし店と売場と商品、
そして働く人たちが、
お客様の人気を博さねば、
年間売上高の伸びはないし、
ラジオ投票でも票は入らない。
「ラジオ総選挙」を、
大げさに取り上げるのは、
私を含めてちょっと、
踊らされ過ぎだと、反省。
悉皆調査を分析して、
何が成長の原動力となるのかを、
とくと考えねばならない。
〈結城義晴〉