無私と利他。
私を無くし、他を利する。
自身の欲を捨て、
他者に利益を与える。
しかしそれが何よりも、
自分のためにもなるし、
他人のためにもなるし、
社会のためにもなる。
2008年2月1日に㈱商人舎を設立し、
4月17日に発足の会を開いてもらった。
11年前になる。
私は55歳だった。
そのときに、決意し、
自ら宣言した。
これからの余生は、
無私と利他。
そして、来る者拒まず、
去る者追わず。
今日、高木勇輔さんに言われた。
㈱ロピア代表取締役。
横浜の中華街で久しぶりに会食した。
聘珍楼。
「発足の会の結城先生の言葉。
今、それを考えています」
「無私」とは、初めは、
何らかの対象に向けられる。
人を愛する。
その人に対して無私となる。
その人のために生きる。
これは「利他」である。
「子をもって知る親の恩」
これは子どもに対する親の、
無私の心である。
対象は誰であれ、
「無私と利他」は尊い。
その無私と利他が、
だんだん領域を広げていく。
世界が広がっていく。
例えば公務員は、
「公僕」と称される。
公衆のために「無私と利他」を貫く。
本物の政治家や行政官も公僕である。
私が「無私と利他」と言ったのは、
特に商業に対して、
そして商人に対してのことだ。
だから会社のネーミングを、
「商人舎」とした。
商人舎は無私と利他を貫徹するし、
去る者追わず、来る者拒まず。
いつもオープンマインドである。
昨日、ニューヨークから帰国。
ジョンF ケネディ国際空港。
イオンリテール㈱の海外研修会。
2014年夏から始まって、
第11回目になる。
その前の2012年、
イオンワーカーズユニオンと、
アメリカ研修をやったので、
実際は12回目である。
労働組合にも会社の人事部にも、
商人舎はオープンマインドだ。
今回のダラスでは、
クローガーのリサさんから、
「無私と利他」のレクチャーを受けた。
講義でも使ったサム・ウォルトンの言葉。
Take Care of Customers and Associates.
「お客様と従業員に配慮せよ」
これはお客様と従業員に対する、
「無私と利他」である。
1902年、JCペニーの創業の鉄則。
「商売のゴールデンルール」
「さらば、すべて、
人にせられんと思うことは、
人にもまた、そのごとくせよ」
(新約聖書マタイ福音書7章12節)
これこそ、「無私と利他」である。
「自分が、
そうしてもらいたいと思うことは、
すべて、同じように、
お客様にしてあげなさい」
「自分が、そうありたいと思うことは、
すべて、同じように、
店員にしてあげなさい」
ダラスのホテルでのバーベキュー。
バーベキューやキャンプでも、
無私と利他の精神は必須だ。
ウォールストリートの、
ジョージ・ワシントン像。
アメリカ合衆国初代大統領。
そしてブルックリンブリッジ公園。
そしてケネディ空港から帰国。
アメリカの小売業やサービス業から、
ホスピタリティを学んだ。
サービスにもホスピタリティにも、
その根底には「無私と利他」がある。
しかし、たとえてみれば、
サービスはカバン、
ホスピタリティは風呂敷。
これは田中実さんの発案。
元巣鴨信用金庫常務理事。
CS・ホスピタリティ実践研究所代表、
㈱国際ホスピタリティ研究センターの
研究ディレクター。
サービスは、
定型定量のカバンのようなもので、
ホスピタリティは、
変幻自在の風呂敷の如し。
アメリカの商業でも今、
ホスピタリティが必須だ。
風呂敷が求められる。
アメリカ人の風呂敷。
それが面白い。
〈結城義晴〉