月刊商人舎8月号、本日発刊!!
[特集]
増税前の店舗戦略査定!!
今日が土曜日なので、
webコンテンツは昨日から公開中。
[Cover Message]
7月の参議院選挙で与党が勝利し、10月1日からの消費増税は決定的だ。軽減税率導入も翻ることはない。中小企業に認定された会社とそれ以外の会社との不公平措置も、変更されることなく、粛々と進む。しかしこの不公平競争の結果、国の優遇政策の恩恵を受けない企業が、目の前の厳しい苦難を潜り抜けつつ、本当の体力と地力をつける。間違いない。歴史は皮肉なものなのだ。そして増税前の駆け込み消費需要と同時に、駆け込み出店が加速される。居抜き出店、撤退跡への出店、スクラップ&ビルド出店、ドミナントエリア強化出店、商勢圏拡大出店。それら、「強い小売業」の店舗戦略を査定しよう。厳しければ厳しいほどに、それを楽しく乗り越えた企業には、本物の組織力という恩恵がもたらされるのだ。間違いない。
そしてcontents。
話題の新店ばかり。
それぞれ8ページを使って、
ていねいに取材し、分析し、
ワイドな写真も多用して、
店舗の全貌を明らかにした。
そのうえで「ミシュランガイド」を模して、
独断だが、査定させてもらった。
「星、一つ!」
「星、二つ!!」
「星、三つ!!!」
堺正章の人気番組「チューボーですよ!」。
一度やってみたかった。
取材にご協力くださった企業の皆さんには、
心から感謝したい。
しかし「星、一つ」もすごい店です。
今回はあえて、
ライフコーポレーションや、
ヤオコー、サミット、阪急オアシスは、
対象としなかった。
月刊商人舎誌上で何度も、
取材させていただいているからだ。
みんな「ミシュランガイド」ならぬ、
「商人舎ガイド」に載る店ばかりです。
これからの競争は、
こういった「強い店」ばかりの、
同じ顔ぶれの競合となる。
たとえば月刊商人舎4月号は、
[特集]
値段下げずに売る商売
イオンスタイル上麻生店。
いずれも「星」を差し上げられる店ばかりだ。
とくにサミットストア鍋屋横丁店は、
テレビ東京の「カンブリア宮殿」でも、
克明に取材されて取り上げられた。
私も3月23日(土曜日)のこのブログで紹介した。
[新店訪問]
サミットストア鍋屋横丁店は
「名前がいいなぁ」
このブログの中で、
サミットと競合する3店を紹介して、
それぞれへのコメントを書いた。
第1が、丸正中野鍋横店。
のれん分けの丸正グループの店。
㈱丸正ショッピングセンター四谷総本店の経営。
会長・飯塚司郎さんとは、
40年来の友人だし、
社長の飯塚正彦さんは、
コーネル大学ジャパン第一期生。
そこで激励を込めて、こう書いた。
「商売の三原則”QSC”。
品質、(フレンドリー)サービス。
そしてクレンリネス。
それをもっともっと磨かねば、
サミットに凌駕されてしまう。
商略よりもまず基本の徹底だ」
第2が、全日食チェーンの店。
この店に対する私のコメント。
「クレンリネスも一定以上のレベル。
ボランタリーチェーンの良さを生かして、
地域になくてはならない店になりたい」
第3にサミットの目の前に、
ファミリーマート+薬ヒグチ。
「こちらは業態が違うので、
きちんと機能するだろう」
サミットストア鍋屋横丁店を取り囲む競争。
丸正中野鍋横店は、
コストコセールなどやっていたが、
8月5日をもって閉鎖された。
この撤退の判断は正しい。
しかし商略よりも基本の徹底。
本来、戦略は基本戦闘力の上に立てられる。
この基本戦闘力とは、
商売の場合、マネジメントレベルである。
戦略だけで勝利することはできない。
今日の日経新聞巻頭コラム「春秋」
「”店”という言葉のルーツは
“見世棚”だという。
売りたいものをいろいろ並べ、
客に見せる棚のことである。
それが略されて、
店舗そのものの意味になった」
「そうそう、現代だって
コンビニやスーパーは
商品をどう陳列するかに苦心惨憺。
見せる工夫が店を左右する」
これをプレゼンテーションという。
「見せる工夫」も、
QSCの原則の上でこそ花開く。
セブン&アイ・ホールディングスの社是。
「基本の徹底と変化への対応」
基本を徹底する限り、
簡単に失敗することはない。
変化への対応は、
そのうえで成長のために、
必須なのである。
〈結城義晴〉