第101回全国高校野球選手権。
ベスト8が決まった。
明日の準々決勝進出校。
第1試合は、
明石商業(兵庫)-八戸学院光星(青森)
第2試合は、
中京学院大中京(岐阜)-作新学院(栃木)
第3試合は、
星稜(石川)-仙台育英(宮城)
第4試合は、
履正社(大阪)-関東第一(東東京)
公立高校は唯一、明石商。
東北が2校、関東が2校、
北信越と東海が1校ずつ、
そして近畿2校。
九州、中四国の高校は、
残念ながら消えた。
星稜高校のエース奥川恭伸は、
特にすごい。
延長14回を165球、23奪三振。
タイブレークになったが、
それも抑えて、
準決勝に進出。
谷川俊太郎作。
「或るはりつめたものを待つ」
「つたの緑、夾竹桃の紅、
かち割り氷の透明、空の青、
ブラスバンドの金、
そしてみるみるうちに
赤茶色の土にまみれてゆく、
ユニホームの白……夏の甲子園は、
いつも色あざやかに心によみがえる」
「夏のさかりのあの数日の、
汗まみれ泥まみれの、
不思議なさわやかさ。
この時代に、ただひとつ
残された若者たちの共和国」
「力いっぱい戦うことが、
誰ひとり傷つけない、
誰ひとり不幸にしない、
束の間のユートピア」
「大きな図体の若者が、
幼児のように泣きじゃくる、
あのてれくさい光景にも、
何か胸をつかれるような単純さがある」
「不死ではない私たち人間の、
腕や、腿や、肩や、胸が
あんなにも一心に動いて、
そして目に見えるもの、
利害にかかわるものは
何ひとつつかまなかったのである」
「そのことの中に、
私たちが失ってはならない
或るはりつめたものがある」
2019年の夏の甲子園。
いよいよ大詰めである。
さて、今年の土用の丑の日、
7月27日。
ファミリーマート。
ウナギ販売を原則的に予約制にした。
うな重などを原則として予約販売にして、
希望する加盟店には、
予約以外の商品も取り扱えるようにした。
予約期間は昨2018年より、
2週間だけ早めた。
もちろん早く予約すれば、
代金は割り引かれた。
その結果、ウナギ販売額は、
前年比で約2割減となったが、
予約件数は2倍に伸びた。
そして予約を受けてから製造するため、
廃棄に伴う損失が8割減った。
コンビニは一般的に、
売れ残った商品は廃棄されるが、
ここで生じるロスの大部分は、
加盟店側がその損失を負う。
フランチャイズ加盟店のウナギの利益は、
廃棄減によって前年比約7割増となった。
本部の利益は前年並みだった。
山陽新聞の巻頭コラム、
「滴一滴」
「商いには疎い身ながら、
食品の廃棄がもったいないだけでなく、
どれほどの利益を失わせているか痛感する」
「食品ロス解消の効果は想像以上に大きい。
予約制と知らず買えなかった客もいただろう。
ただ、ウナギという資源の
深刻な先細りに目を向ければ、
もはや利便性だけを言ってはいられまい。
大切な食材を無駄にしてきた、
やり方が変わるといい」
2017年4月の商人舎標語。
もったいない、
ありがたい。
「売れない」のではない。
「売っていない」のだ。
「売り損なっている」のだ。
鈴木敏文さんが言い、
故緒方知行さんが追従(ついしょう)した。
これは機会損失撲滅の本質を突いた。
だからセブン-イレブンは、
加盟店とスーパーバイザーに徹底した。
「売れ筋でロスを出せ!!」
しかし残念ながらこの時代は終わった。
値下げロス・廃棄ロスと機会ロスは、
本来、二律背反の関係にある。
だから戦略的に、組織的に、
もう1人、もう1品、もう1円の改善がいる。
そしてもう1パーセントの努力が望まれる。
フィリップ・コトラーが読みきった、
マーケティング1.0は、
製品中心の時代だった。
マーケティング2.0は、
消費者志向の時代で、
売り手市場から買い手市場に移行した。
そしてマーケティング3.0の今は、
価値共創の時代である。
ソーシャルマーケティングの時代である。
「売れない」のではない。
「もったいない」が足りないし、
「ありがたい」が少ないのだ。
〈結城義晴〉