「難しい時代に入ってきた。
私は”無呼吸泳法”と言ったり、
“最悪を覚悟して、最善を尽くせ”と
説いたりしている。
身も蓋もない話だ」
月刊商人舎8月号の[特集の前書き]。
その冒頭部分の一文だ。
もちろん結城義晴が書いている。
「キャッシュレス決済であること、
支払先が中小企業であること。
この2つの条件が揃えば、
購買者に5%のポイントが
税金から還元される」
「総額は3000億円に及ぶ。
結果として、中小企業は毎日、
ポイント5倍セールを
実施していることと同じになる」
この恩恵を受けることができる店は、
全国に200万店ある。
しかしキャッシュレス決済の登録申請を、
あらかじめしておかねばならない。
8月末段階でその申請は、
51万件しか上がっていない。
つまり1カ月前にして149万店は、
5%還元の準備ができていない。
しかしこれも駆け込み申請があるだろうが。
㈱ヨークベニマル会長の大髙善興さん。
「国は消費喚起策と言っているけれど、
それは逆の現象を引き起こす。
価格競争とポイント還元合戦になって
デフレは進む」
その通り。
経済の健全な発展を促すには、
市場原理に従った自由競争が一番いい。
これしかないと、歴史が示している。
私は主張する。
「しかし、艱難辛苦を乗り越えた者に、
成功がもたらされる。
これも歴史が証明している」
「この不公平競争のなかで、
国の優遇政策の恩恵を受けない企業が、
9カ月の厳しい試練に
耐えることができれば、
本当の体力と地力を
つけることができる」
「中小企業の分類に入る企業も、
この歴史のパラドックスを
知っておかねばならない」
さて、今日も、
2019紀文正月フォーラム。
いまや業界の風物詩。
今日も全国から実務家が集まってくれた。
冒頭のご挨拶は、
㈱紀文食品社長の堤裕さん。
今年のフォーラムの趣旨と構成を、
堤さんらしく語った。
そして基調講演は関智美さん。
㈱クレオ生活行動研究部部長。
令和時代に入った現在の、
消費現象をマーケティングして、
認識しておかねばならないポイントを、
きれいに整理してくれた。
内容は月刊商人舎10月号に、
寄稿してもらって、
掲載することにした。
関さん、よろしくお願いします。
関さんの次は、
名古田のぞみさん。
紀文食品事業企画室正月ユニット部。
名古田さんには驚かされた。
実に落ち着いて、堂々たる報告・提案。
紀文には人材がいる。
そして紀文からの提案は、
堀内慎也さん。
事業企画室正月ユニット部部長。
もう、お正月商戦に関して、
日本一の専門家だ。
何しろ肩書が「正月ユニット部部長」
二日目の講義ということで、
自信満々。
そして総括講演は、
結城義晴。
「正念場」という言葉を使ったが、
今日の冒頭に書いたように、
10月からの9カ月間は、
「艱難辛苦」のとき。
それを乗り越えた者にだけ、
サバイバルがある。
残存者利益がもたらされる。
フォーラムが終わると、
㈱ラルズ社長の猫宮一久さん。
コーネル・ジャパン伝説の1期生。
北海道から駆けつけてくれた。
立派な社長となって、
私もうれしい。
㈱万代の中筋浩二さんと和久正樹さん。
中筋さんはドライデイリー部門担当取締役、
和久さんはデイリー部部長。
右は㈱紀文西日本社長の飯嶋雄次さん。
サミット㈱の皆さんも聞きに来てくれた。
私の隣が執行役員の辰野清さん。
青果部・鮮魚部・精肉部・総菜部・ベーカリー部・川崎塩浜プロセスセンター担当。
鮮魚部マネジャーの武田哲志さん。
両サイドは紀文食品のお二人。
左は営業本部東京第一支社長の木本洋司さん、
右は東京第一支社営業一部長の山口達也さん。
紀文食品の保芦將人会長と弓削渉副社長。
それから紀文と言えばこの人、
副会長の髙市泰明さん。
締めに堤社長と笑顔で写真。
最後に講師陣と写真。
まず基調講演の関智美さん。
そして堀内慎也さんと名古田のぞみさん。
ありがとうございました。
艱難辛苦の年末年始、
突っ走ろう。
いつも引用するのが、
新約聖書・ローマ人への手紙5章。
艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出す。
そして練達が希望を生み出す。
この希望は、
失望に終わることがない。
[注]「練達」とは「練られた品性」のことをいう。
〈結城義晴〉