ALOHA。
「アロハ」には多様な意味がある。
ようこそ、
さようなら、
ありがとう、
And, I love you。
Akahai=思いやり
Lokahi=調和
Olu’olu=喜び
Ha’a Ha’a=謙虚
Ahonui=忍耐
5つのハワイ語の頭文字を綴って、
ALOHA。
さらに、意味は重なる。
HAは「神様からの贈り物、そして命」の名詞、
ALOは「~の前に」の前置詞。
したがってALOHAは、
「神様の贈り物の前にひざまずく」
そんな意味を持つ。
ハワイの人々はずっと、
愛や尊敬を忘れず、
親切に、寛容に、謙虚に、
生きてきた。
ALOHAの心で。
そんな心をもって、
ハワイの店を巡る。
まず、ホールフーズ。
ハワイのALOHAに、
ぴったりの精神を持った企業。
到着するとすぐに、
ローレンさんからレクチャーを受ける。
ミッシェルさんが、
ハワイ産のパイナップルを、
ダイスカットして配ってくれる。
そしてこの店の説明。
通訳はいつものニッキーさん。
各部門の売上高データを用意してくれて、
全部門の説明と質疑応答。
シーフード部門はミート部門から
独立していて、しかもこの店では、
ミートよりも売上高が高い。
ミート部門でもチームリーダーが、
誇らしげに説明してくれた。
乳製品はホールフーズにとって、
とても大事な部門だ。
牛乳だけでなく、
山羊のミルクや豆乳の品揃えを、
充実させている。
ぐるりと回ってホールボディまで,
部門別に説明を受けた。
ホールボディのチームリーダーは、
メリッサさん。
ホールフーズは、
部門長だとか部門Managerと呼ばない。
チームリーダーである。
最後に細かい点まで、
質疑応答。
そして全員で写真。
私はローレンさん、ミッシェルさんと、
シャカのポーズ。
ありがとうございました。
ホールフーズの青果部門は、
店と会社の看板である。
オーガニックとナチュラル、
そしてバルク売場。
ローカルの「地産地消」を謳う、
「アイランド・プロデュース」のボード。
そしてバナナの売場の美しさ。
その後ろにパイナップルの売場。
やはり青果部門はホールフーズの顔だ。
シーフードはミートを凌ぐ。
そのミート部門の対面売場は、
セーフウェイなどを圧倒する。
ハワイ産のローカルの牛肉。
鮮度とクォリティは、
ハワイ随一だ。
ミート部門とシーフード部門は、
日本と同じように分かれている。
しかしこれはアメリカでは、
ホールフーズだけだ。
そして重要な乳製品部門。
ベジタリアンのなかに、
ラクトオボベジタリアンがいる。
青果と乳製品だけを食べる人たち。
だからホールフーズにとって、
この部門は極めて重要だ。
店舗右翼はベーカリーからデリまで。
ワインとチーズとチョコレートは、
スペシャルティ部門。
ホールフーズだけの、
独特な部門である。
寿司コーナーだけは、
コンセッショナリーを入れている。
そして圧巻のセルフデリ売場。
右手は対面のサービスデリコーナー。
自分で好きなアイテムを、
好きな量だけ取って食べる。
憧れの食事だ。
対面のサービスデリには、
ローカルフレーバーと謳っている。
バリスタコーヒーサービスから、
チェックスタンドまでを俯瞰する。
店舗中央左翼側には、
非食品の「ホールボディ」。
チェックスタンドは、
ホールフーズらしいフランクさで、
対応してくれる。
店の入り口には、
エコバッグがずらりと並ぶ。
観光客が爆買いしていく。
ハワイのホールフーズ。
ALOHAの精神そのものだ。
隣にロングスドラッグ。
カリフォルニアのローカルチェーンが、
ハワイに進出した。
それがCVSヘルスの傘下に入った。
普通のドラッグストア。
その隣に、
ダウン・トゥ・アースの新店。
ハワイの健康食品スーパーマーケット。
青果部門はオーガニック中心。
しかしホールフーズのような、
華やかさや網羅性はない。
バルク売場は充実している。
ヘルス&ビューティーケアは、
これもホールフーズのホールボディと、
別の意味で充実させて対抗している。
グロサリーや冷凍食品は、
絞り込まれている。
そしてセルフデリ売場。
ホールフーズと比べると、
質素な感じだ。
サービスデリは、
蓑をかけた屋根をつくって、
ショップ形式で展開する。
しかし午前中は商品を出していない。
一番奥にイートインコーナー。
ダウン・トゥ・アースの最新店は、
1万5000平方フィート(420坪)。
意欲的な試みはわかるが、
ホールフーズに近接すると、
質素な感じは否めない。
そしてターゲット。
ウォルマートのライバル。
同じ業態を展開する。
入口トップには、
早くもハロウィンの告知。
マスコットの犬。
華やかなレディースアパレルから入る。
もちろんマネキンはビキニの水着。
広大な5000坪の売場。
ミセス用のマネキンはちょっと太め。
そして気合が入っているのは、
ハロウィンのプロモーション。
ウォルマートを凌ぐ。
今年のターゲットは、
大きく変わりそうだ。
食品売場はコンパクトで、
コンビニエンスニーズに応える。
ドラッグストアはロングスが入る。
ターゲットとCVSヘルスが同盟しているからだ。
天井を張って、床はピカピカ。
そしてコーポレートカラーの赤が、
ウォルマートとの違いをくっきりさせる。
価格帯はウォルマートより高く、
センスやグレードもちょっと高い。
郊外に出て、
コストコホールセール。
4店舗で18.8%と
ホノルルエリアで最も高い占拠率を誇る。
フレッシュプロデュース。
部屋自体が冷蔵庫になっていて、
新鮮な青果が山積みされている。
30ロールのトイレットペーパーは、
19.99ドル。
コストコのPBカークランド。
このアイテムだけで年間、
1000億円を売り上げる。
売場のいたるところで
試食を展開する。
プロモーションはこれだけ。
ハワイらしいアイテム。
紳士用アロハは、
1枚19.99ドルで安くていい。
団員はお土産をコストコで調達。
どこよりも量があってお買い得だから、
店の仲間へのお土産に最適。
ホノルルのダウンタウンに戻ってきて、
ホールフーズ・クイーンズ店。
ハワイ最大の3号店。
メインランドを含めても、
五本の指に入る店だ。
青果から対面のシーフード売場へ。
ハワイのローカルフード、
ポケも品揃えする。
対面のミート売場。
枝肉から卸すが、
シースルーでその作業場が見える。
ホールフーズでは、
家畜のストレスのない飼育状況に応じて、
5段階評価基準を設けている。
それを売場ガラス面で案内する。
乳製品からデザートのコーナー。
湾曲した壁面デザインのこの美しさ。
セルフセレクションのデリは、
どの店でもホールフーズの看板だ。
店舗左翼側の入口に設けられたバー。
イートインスペースも兼ねる。
2階のイートインコーナー。
斬新な都会的デザインは、
都心部のホールフーズの真骨頂だ。
さらに続くイートインスペースも、
きらめくような空間をつくっている。
2階から全体を俯瞰する。
芸術的な店舗である。
ハワイを訪れたら必見。
地元スーパーマーケットの最新フォーマット。
フードランド・ファームズ。
アラモアナセンターに出店した旗艦店。
グロサラントの要素を強めた意欲作だが、
入口の青果は素晴らしい出来栄え。
店舗の中央に、
対面販売方式のポケ売場。
これはホールフーズにもない。
セルフデリも充実させて、
これもホールフーズを意識している。
そして店舗中央にはバーがある。
これがこの店の集客装置で、
明るいうちから顧客が集まっている。
デリの反対側の壁面には、
生鮮の売場が並ぶ。
そのなかの対面の鮮魚売場。
店舗の入り口に設けた
イートインスペースを兼ねる、
フードコート。
地元スーパーマーケットとして
フードランドも大いに健闘している。
コンビニ機能と土産物屋の機能を、
このハワイの旗艦店は併せ持つ。
一角にはハローキティコーナー。
この店もウォルグリーンのなかで、
五指に入る出来栄えだ。
ハワイのトンガリ店舗は、
店を訪れるだけで、
ALOHAな気分になる。
初日はウォルマートとセーフウェイ、
そしてドンキ傘下となったタイムズ。
今日の二日目は、
尖がったフォーマットばかりを巡った。
ビギナーズコースといえども、
最高の店を訪れるし、
しっかり学ぶ。
それが商人舎のモットーです。
それが商人舎のALOHAです。
(つづきます)
〈結城義晴〉