台風15号ファクサイ。
千葉県に甚大な被害を与えて去った。
家屋の倒壊と大規模停電や大規模断水。
東京電力パワーグリッド㈱は、
「停電の全面復旧は、
最大で今日から2週間後までかかると発表」。
驚いた。
配電線などの設備被害が広範囲に至り、
当初見通しより大幅に遅れた。
今日13日の午前10時段階で、
千葉県内で約17万700戸が停電。
もう5日が経過しているが、
千葉市や市原市など中心の15市町では、
回復にはまだ3日かかる。
君津市やいすみ市など周辺の18市町村は、
1週間かかる。
南房総市、鴨川市、館山市では、
2週間かかる。
当初の見通しが甘かった。
台風が通過した9日の翌日段階では、
2日後には全面復旧すると表明していた。
政府は組閣で忙しかった。
新経産大臣に菅原一秀議員が就任したが、
停電被害対策本部を設置したのが、
今日の13日。
千葉県知事は10日早朝に、
自衛隊に災害派遣を要請し、
千葉県船橋市の習志野駐屯地から、
陸上自衛隊の第1空挺団が出動。
それでもその時点では、
東電が全面回復2日ほどと見ていたから、
自衛隊が全面的に復旧作業に入った、
という印象はなかった。
マスコミの報道もずいぶん遅れた。
正確な情報の重要さが、
本当に思い知らされた。
会社も同じだ。
亡くなった堺屋太一さんが、
非常時対策の5段階を教えてくれる。
2011年3月22日の、
毎日更新宣言ブログ。
①救助
②救済
③復旧
④復興
⑤振興
この第1段階の救助の原則。
「軽いものから先に」
そして最も急ぐ軽いものは、
「情報」
お見舞い申し上げたいし、
現地小売業の奮闘を祈りたい。
イオン㈱は本部を千葉市美浜区に設けて、
千葉県の会社といっていいが、
被害はどうだったのだろう。
千葉県にドミナントを築く企業、
㈱千葉薬品や㈱せんどう、㈱おどや、
頑張ってほしい。
私は湯河原から疲れ切って帰ってきた。
ニューウェルシティ湯河原。
第16回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2泊3日の缶詰セミナーは充実していた。
この宿舎には、
「いずみの湯」という温泉がある。
和風の廊下を通って、湯に行く。
外来の客も、
石段で湯に来ることができる。
鹿威しではないけれど、
湧水が落ちる。
露天風呂がいくつもあって、
楽しめる。
室内の御影石の温泉。
泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉、
弱アルカリ性低張性高温泉。
この露天は広い。
私はこの源泉かけ流しの石風呂が好きだ。
すべての片づけを終わらせて、
JR湯河原駅から踊り子号。
駅前には大屋根広場があり、
手湯が設けられている。
昨日、湯河原から帰って、
今日は本当に久しぶりに、
横浜商人舎オフィス。
Hawaiiに5日、
帰国して成田空港で足止めを食い、
湯河原へ3日、行っていたから、
1週間ぶりだった。
そして自宅のある妙蓮寺に戻ってきた。
大きな石は、
風にびくともしない。
知恵ある人は、
何ごとにも心が揺れない。
台風15号ファクサイと、
政府や東電の対応を思い出した。
私たちは知識商人として、
学んで帰ってきたのだと思った。
今夜は中秋の名月。
1年で一番美しい月の夜。
北海道新聞の巻頭コラム「卓上四季」
「私を月へ連れてって、
星の間で遊ばせて―」
往年のラブソング。
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
「こよいは十五夜。
空気が澄んだ中秋の名月には、
やはり友情や恋がふさわしく、
争いや覇権とは無縁であってもらいたい」
同感だ。
八木重吉の「月」を思い出す。
月にてらされると
ひとりでに遊びたくなってくる
そっと涙をながしたり
にこにこしたりしておどりたくなる
「29歳で夭折(ようせつ)した叙情詩人は、
月を眺めるだけで満足だった」
停電の千葉の人たちも、
今宵の中秋の名月を、
仰ぎ見ているのだろうか。
街に灯りがないほうが、
月は美しく見える。
そんな風に考えてみてはいかが?
心からお見舞い申し上げたい。
〈結城義晴〉