台風17号が東上する中、
スポーツの秋たけなわ。
明日が秋分の日の三連休。
ラグビーワールドカップ。
世界ランキング1位のアイルランドが、
スコットランドに快勝。
イングランドはトンガを、
これも足元にも寄せず、
発祥のラグビーを見せつけた。
現在のイングランドのヘッドコーチは、
エディー・ジョーンズ。
そうJapanの前監督。
だから今日のイングランドは、
前回のワールドカップの日本代表と同じ。
ひたむきにプレーする。
そして背後のリーダーシップを感じさせる。
まだまだこれから、
本物のラグビーが真剣みを増してくる。
大相撲は秋場所千秋楽。
関脇同士の優勝決定戦となって、
御嶽海が貴景勝を破った。
横綱・大関陣が休場、または不調で、
東西の関脇対決は結構、
スリリングで面白い。
そしてプロゴルフ。
デサントレディース東海クラシック。
愛知県の新南愛知カントリークラブ。
全英女子オープン覇者の渋野日向子が、
8打差から奇跡の大逆転優勝。
感動した。
この子には何かが憑いている。
昨日まで20位の5アンダーだった。
今日は8バーディ、10パー、ノーボギー。
スコアは64で、通算13アンダー。
今年プロデビューして、
国内ツアー3勝目。
史上2番目の速さで獲得賞金1億円。
ルーキーイヤーでの達成は、
宮里藍に次いで2人目。
一方、日本シニアオープンゴルフ。
埼玉県の名門・日高ゴルフクラブ。
荒井伸也さんがメンバーのクラシックなコース。
私の好きな谷口徹が、
初日からずっと首位で、
通算8アンダーの完全優勝。
シニアとしての初タイトルを、
メジャートーナメントで獲得。
おめでとう。
そしてプロ野球セリーグでは、
読売ジャイアンツが、
リーグ優勝を決めた。
原辰徳監督の手腕が光った。
巨人ファンの糸井重里の解説。
ほぼ日の「今日のダーリン」から。
「今シーズンの巨人というチームの方針は、
大きくふたつのことが目立ちました」
1)よければ上げる。
ダメだったら再挑戦組に下げる。
「うまくいっている選手は使うし、
ダメだったら再挑戦組に入ってもらう」
これ、商売の品揃えと一緒。
売れる商品は並べるし、
売れなくなったら外す。
「新人でもベテランでも
高給取りでも外国人でも関係なし」
新商品でもロングセラーでも、
粗利益の高い商品でも舶来品でも、
関係なし。
「前にダメだったとしても、
下でよくなってきたら上げる。
そしてうまくいかなくなったら、
また下げる」
商品マッサージ。
アイテムの改廃。
「それを頻繁にやっているうちに、
持続して調子のいい選手が
しばらく活躍します。
いわば、準レギュラーの選手が
いっぱいできました」
コモディティ減少時代の商売のやり方。
2)変えることでのリスクより、
変えない停滞を避ける。
「なんとかなってるから、もう少しそのまま」
この戦術は、ほんとうに少なくなった。
糸井さんは言う。
「セオリー無視ではなく、
セオリーを超える策でしょうか」
「”いい方向に変える”ために、
選手の責任は問いません」
品揃えやサービスを、
いい方向に変えるために、
部下の責任は問わない。
「その選手を起用した監督に
責任があると徹底しました」
すべては上司の責任。
私の責任。
「”まさかの交代”もしょっちゅうあって、
たぶんある確率で失敗もしたわけですが、
成功したケースのほうが
ずっと多かったと思います」
失敗もある。
しかし成功のほうが多ければ、
成果は上がる。
糸井さんの結論。
「1)も2)も、似た意味を持っています。
真剣に取り組む出場機会が、
圧倒的に増えることです。
その経験によって、
確かめること、
育つことが増えます」
「強いチームではなかったけれど、
勝ち、育つチームができてきたぞ
と、思いました」
チームマネジメントの基本だ。
最後に「実はもうひとつ」、
「チームをあかるくしようと決めてたこと」
私は巨人ファンではないから、
巨人の試合など見ないけれど、
糸井重里の分析は正しいと思う。
商売のマネジメントの、
正しい在り方と一緒だから。
私は6つ下の原辰徳を、
東海大学相模高校1年のときから、
見ているし、応援している。
「福岡生まれの神奈川育ち」も同じだし。
3番サード原辰徳、
4番ライト津末英明、
そしてピッチャー村中秀人。
原はその後、東海大学に進んで、
さらにドラフト1位でジャイアンツ。
長嶋茂雄、王貞治の後継として、
4番を務め、活躍したが、
どうやらマネジャーのほうに、
才能を持っていた。
父親の原貢氏から、
強く影響を受けたからに違いない。
原貢氏は、
三池工業高校を甲子園で優勝させ、
東海大相模を名門チームに育てた。
ピーター・ドラッカーのリーダーシップ論。
第1に、リーダー的資質とは関係ない。
第2に、カリスマ性とはさらに関係ない。
第3に、神秘的なものではない。
第4に、平凡で退屈なものである。
第5に、それは手段である。
そして、その本質は行動にある。
原辰徳、多分、これを知っている。
おめでとう。
私はずっと、
巨人ファンではないけれど。
〈結城義晴〉