㈱カメガヤの亀ヶ谷純子さんから、
毛筆の丁寧なお便りをいただく。
ほぼ毎月のことで、
心から感謝したい。
月刊商人舎へのお礼のお便り。
ありがとうございます。
頑張ります。
今日は1日、横浜商人舎オフィス。
夕方になって、
理解度テストやレポートに目を通す。
商人舎ミドルマネジメント研修会では、
2日目と3日目の朝、
理解度テストをする。
修了後にはレポート提出を課している。
9月10日・11日・12日、
第16回研修会が開催され、
そのレポートが少しずつ提出されてきた。
いずれも真摯な内容で、
時には、読んでいて、
グッとくるものもある。
今月の商人舎標語。
そして[Message of September]
地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。
地べたを這いつつ、
宇宙を見る――。
「虫瞰図の眼」。
虫の視線ではるか宇宙まで見通す。
作家で運動家だった小田実のスタンス。
虫の眼、鳥の眼、魚の眼。
そして心の眼。
商人の眼。消費者の眼。
つくり手の眼、卸し手の眼、売り手の眼。
三方良しの眼。
米国小売業には、
アメリカン・ドリームがある。
ウォルマートのサム・ウォルトンは、
その新世界の壮大な夢を実現させつつ、
米国自由勲章を受賞した直後に逝った。
米国IT産業にも今、
同じくアメリカン・ドリームがある。
彼らはコンピュータ実務の地べたを這いつつ、
シンギュラリティ*の宇宙を見ている。
21世紀の夢に日付をつけて。
そしてこの新世界の新世紀の夢には、
地べたの眼で宇宙を見ることが必須だ。
私たちもアメリカを歩くことで、
そんな夢に共鳴することができる。
そんな夢を共創することができる。
米国50州とワシントン特別区。
そのすべての都市圏に21世紀の夢がある。
すべての都市圏に独自の競争構造がある。
すべての都市圏にそれぞれの変容がある。
すべての都市圏に地べたと宇宙とが同居する。
地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。
虫の視線ではるか宇宙まで見通そう。
虫瞰図の眼をもってアメリカを歩こう。
虫瞰図の眼を活かして「今」を変えよう。
〈結城義晴〉
ミドルマネジメント研修会の諸君も、
地べたを這いつつ、
宇宙を見てほしい。
虫瞰図の眼をもって、
仕事に励んでほしいし、
読書も勉強も続けてほしい。
中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」
「ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、
文筆を仕事にする人に向けて述べている」
知者のごとく思索し、
しかしだれもが使う言葉で語れ…
ふつうの言葉を用いて、
非凡なことを語りなさい。
(『読書について』より)
熟練のコラムニストも述懐する。
「普通の言葉で非凡なことを――
その難しさに悩み続けてきた身には、
耳に痛い」
同感だ。
今日も「折々のことば」で恐縮。
朝日新聞一面のカコミ。
第1593回。
鷲田清一さんの編著。
手習ヒ始メハ
音ノ大ナルモノナリ。
習練ヲ遂ゲテ
音ノ小サクナルモノナリ。
(明治期の雅楽奏者)
雅楽演奏家・作曲家の芝祐靖(すけやす)。
随想「また始めた[手習い]」の中で、
明治時代の笛奏者の講演原稿を引用。
その一節。
たゆまず練習に励めば、
「山ヲ昇リ 峯ヲ越ヘテ
坂ノ下リニナリテ
平地ニ出ルガ如ク」なる。
「技ノ手訓(てなるる)」とは、
そういうことだ。
鷲田さん。
「人の語りにも同じことがいえよう」
何かを習う時はもちろん、
ものを書く時にも、
仕事を習得するときにも。
山を登り、峰を越えて、
坂の下りになって、
平地に出るようになる。
ラグビーワールドカップ日本代表も、
ゴルフの渋野日向子も畑岡奈沙も、
テニスの錦織圭や大坂なおみも、
野球の大谷翔平も、
将棋の藤井聡太も、
その期間はものすごく短かっただろうが、
同じような経緯をたどったに違いない。
さて最後に、
商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
国内小売業初「イオンオーガニックアライアンス」を始動
イオン㈱が10月から、
AEON Organic Allianceを始動する。
農産物の生産・調達・加工・物流・販売機能を、
一元管理するプラットフォームだ。
これはいい。
日本における有機JAS認定を促進させる。
現在、オーガニック生産者は、
総農家数のわずか0.2%に過ぎない。
イオンアグリ創造㈱は、
全国20カ所で直営農場を運営する。
この農場を拠点にして、
全国にオーガニック農場を増やし、
それをサポートする。
これはいい。
しかしこのプラットフォームづくりも、
「山ヲ昇リ 峯ヲ越ヘテ
坂ノ下リニナリテ
平地ニ出ルガ如ク」であるし、
地べたを這いつつ、
宇宙を見なければならない。
虫瞰図の眼が必須である。
〈結城義晴〉