結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年09月30日(月曜日)

10月の「食品ロス削減月間」と野中郁次郎の「二項動態の共創」

Everybody! Good Monday!
[2019vol39]

2019年第40週。9月最終週で、
明日から10月。

2019年も4分の3が終了し、
あと3カ月。

そして明日から消費税が10%に上がる。
軽減税率も導入されるし、
キャッシュレス決済によるポイント還元は、
来年6月末まで9カ月間、実施される。

もう、各社各店とも準備万端のはずだ。

食品小売業や食品部門は、
それほどでもなかっただろうが、
この土日曜と今日は、
駆け込み需要への対応に追われた。

しかしこれから3カ月は、
「右往左往すべからず!」

もちろん、年末まで、
無呼吸泳法。

時代小説家・藤沢周平の短編小説。
「必死剣鳥刺し」
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自らの命と引き換えに敵を倒す剣法。

商売では命をかけることはないが、
そのくらいの決意で臨む時だ。

朝日新聞の記事。
「常連さんゴメン、もう限界」
――消費増税複雑で老舗続々閉店。

「なじみの酒屋が、ラーメン屋が……。
消費増税を翌日に控えた30日、
長い歴史に幕を下ろす家族経営の店がある。
常連客に支えられてきた小さな店にとって、
軽減税率などへの対応も含め、
増税のコストはあまりに重かった」

千葉県の台風15号被災のあとにも、
廃業する小売りサービス業は多かった。

これは商売で命をとられる事例だ。

しかし廃業しないまでも、
そのくらいの決意で、
これからの3カ月に臨む。

しかし右往左往してはならない。
しかし今回の消費増税は、
店側にとっても顧客側にとっても、
わかりにくい。

そのストレスからは、
顧客を解放してあげよう。

月刊商人舎Webコンテンツ、
月曜朝一の2週間販促企画。

10月の「食品ロス削減月間」を強調する。no-foodloss-pj

令和元年5月31日に公布されたのが、
「食品ロス削減推進法」
それが10月1日から施行される。

そして締めくくりの10月30日は、
「食品ロス削減の日」と定められた。

商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
食品ロス・使い捨てプラスチックの削減キャンペーン

全国のイオングループ約2000店で、
顧客に食品ロスの削減を呼びかける。

10月は「3R推進月間」でもある。
“3R”とは、
Reduce(リデュース 廃棄物等の発生抑制)
Reuse(リユース 再使用)
Recycle(リサイクル 再生利用)

イオンはこれも全国で、
マイバッグキャンペーンを展開する。
3R

行政とイオンが連動して、
このキャンペーンを展開する。
それは日本列島挙げての展開となる。

消費増税と食品ロス・3R推進。
同時に起こるのが10月である。

今日の午後は東京・大門。
芝大神宮。
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脇に「貯金塚」がある。
「根氣根氣
何事も根氣
実篤」
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実篤とは白樺派の重鎮、
武者小路実篤のこと。

関東大震災のときの教訓。
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時代は変わっているが、
変わらないものもある。
「根氣根氣 何事も根氣」

㈱True Data。
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代表取締役社長の米倉裕之さんと、
執行役員の越尾由紀さん。
私もこの会社の非常勤取締役。

3人で語り合った。
詳細は月刊商人舎10月号。

「ビッグデータマーケティング」
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実にスリリング。
実にエキサイティング、
実にインタレスティング。

常盤勝美さんもいま、
True Dataの流通気象コンサルタント。
ウェザーMDの本物の第一人者。
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月刊商人舎Webコンテンツに、
毎週火曜日に連載を書いてくれている。
好評の「2週間ウェザーMD予報」。

私もTrue Dataで写真撮影。
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True Dataに来ると、
その若々しい会社から、
なぜか元気づけられる。

ありがとう。

最後に日経新聞「私の履歴書」。
1カ月間、野中郁次郎先生だった。
今日が最終回。
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「最後の一言」

「人間の本質は、デカルトのいう
“我思う、故に我あり”の一人称ではなく、
共感する二人称の行為にある」

「二項対立ではなく、
対立と協調を両立させる
“二項動態”の関係性こそが
創造性の源泉だ」

二項対立でなく、
二項動態。

「他者との出会いを通じた
自在な意味づけ、価値づけのただなかで、
新たなアイデアや概念は湧き出てくる」

「”共創”に手抜きは許されない」
共創は”Co-Creation”
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野中郁次郎の研究姿勢は、
生涯を通じて二項動態だった。

「平凡な私は、
自分に欠けるものを持つ人と
“いま・ここ”の文脈で
学際的にペアを組んで対話を重ね、
実践的な経営学の理論化を試みてきた」

高校時代の野中郁次郎は、
簿記3級と珠算3級に落第した。
それを謙虚に「平凡な私」と表現した。

その野中郁次郎だからこそ、
「二項動態」を強調して、
私の履歴書を終わらせた。

「人間の生き方を踏まえながら、
共通善に向かって
知の共創をしない限り、
米国流の経営学は超えられない」

その野中郁次郎も、
カリフォルニア大学バークレー校で学んだ。

ノーベル経済学賞は、
アメリカ合衆国から55人が受賞。
日本人はゼロ。

もちろんこの賞は欧米化が激しい。
米国化といったほうがよい。

米国流経営学を超えるという、
野中郁次郎の意気込みは、
誰もが持ち続けねばならない。

では、みなさんも、
アメリカに学んで、
アメリカに負けるな。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年09月29日(日曜日)

リーチマイケルと中田久美の”ワンチーム・ワンハート”

リーチマイケル。
ラグビー日本代表主将。
30歳。
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ニュージーランド出身で、
国籍は日本。

父はスコットランド系ニュージーランド人
母はフィジー人。

ポジションはフォワード。
ナンバーエイト、フランカー。
身長189cm、体重105kg。
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15歳で日本に留学生として来日。
札幌山の手高校入学、卒業。
東海大学体育学部へ進学。
東海大学体育会ラグビーフットボール部。

2011年に卒業後、
東芝ブレイブルーパスに加入。
同年開催のワールドカップ日本代表。

12年に東海大学同級生の知美さんと結婚。
13年に日本国籍を取得すると、
「Michael Reach」から、
「リーチ マイケル」に表記を変えた。

2014年4月、
エディー・ジョーンズヘッドコーチから、
日本代表キャプテンを指名される。

歴史的な勝利を収めて、
今日、記者会見で発言。
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朝日新聞が報じた。
「ある競技から刺激を受けていた」

それはバレーボール。

同じ時期にワールドカップを日本開催中。

リーチは自身のアイルランド戦前夜に、
女子バレーボールの日本対セルビア戦を見ていた。
セルビアは世界ランキング1位。
日本は同6位。

女子日本代表のキャッチフレーズは、
「火の鳥NIPPON」
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この試合に日本はフルセットの逆転勝ちをした。

リーチは「とても感動した」と語った。

日本代表の中田久美監督は、
このリーチの言葉を選手に伝えた。
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アタッカーの鍋谷友理枝。
「私もラグビーのスローガンの
“ワンチーム・ワンハート”で、
何ができるかと考えてコートに立った」

セッターの佐藤美弥。
「ラグビーの選手たちも
“勝つ気持ちが大事だ”と言っていた。
そういう気持ちで今日の試合に臨んだ。
強い思いが結果につながった」

16リオデジャネイロ五輪4強のオランダに、
セットカウント3対1で快勝。
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中田久美監督はリーチの言葉に返礼した。
「光栄に思う。選手の力になった」
〈1998中田久美写真集より 41FK7AQ6-KL._SY498_BO1,204,203,200_
「競技、種目を越え、
スポーツ界がどんどん変わっていけばいい」

バレーボール女子は、
このワールドカップで6勝5敗の5位。
世界ランキング6位からは、
一つ上の成果だった。
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まあまあの成績だが、
セルビア戦、オランダ戦では、
金星を挙げた。

私が中学・高校のころのバレーボールは、
9人制だった。

もちろんオリンピックでは、
1964年の東京の「東洋の魔女」のころから、
もう6人制となっている。

9人制は前衛・中衛・後衛。
役割やポジショニングが決まっていて、
ローテーションがない。

6人制はバレーボールを、
革命的に変えた。

6人がローテーションで、
ぐるぐる回る。

バックアタックなど、
後衛の選手がアタックする。

これらの新戦術はほとんど、
日本が考案したものだ。

ただし、このローテーションの反動か、
1998年から「リベロ」という、
守備専門のポジショニングが生まれた。

おもしろい組織変更だ。

自由なローテーションが主流となったら、
「リベロ」(自由人)という専門職が登場した。

一方のラグビーは、
15人のポジショニングが、
ほぼ決まっていて、
専門化されている。

リベロもいない。

フォワードは8人で、
その第1列は、
両サイドのプロップ2人と中央のフッカー。
2列目はロック2人。
3列目は両サイドのフランカー2人と、
ナンバーエイト。

リーチマイケルはこの3列目の専門家。

ハーフは2人で、
スクラムハーフとスタンドオフ。

バックスは5人。
当たりに強いセンターが2人、
俊足のウィングが2人、
そして最後にフルバック。

そしてこの中から、
キッカーが1人選ばれる。
五郎丸歩はフルバックでキッカー。
現在の田村優はスタンドオフでキッカー。

ちなみに五郎丸は早稲田大学出身、
田村は明治大学出のラガー。

サッカーのポジションは、
やはりフォワード、
ミドルフィールダー、
ディフェンダー、
そしてゴールキーパーと決まっている。

しかしバレーボール6人制のように、
かなり流動的、臨機応変で、
ほとんど全員がシュートを放つ。

1970代までのサッカーは、
攻撃と守備が完全に分業制だった。

しかし西ドイツに、
フランツ・ベッケンバウアーが登場して、
それをひっくり返してしまった。

皇帝ベッケンバウアー。
ポジションはセンターバックだった。
ラグビーでいえばフルバックだ。
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しかしベッケンバウアーは、
攻撃的センス抜群の選手で、
最後尾からパスを繋ぎ、攻撃に加わり、
シュートまで放つという、
画期的なポディションを確立させた。

ここから「リベロ」が誕生した。

現在はチーム戦略の進化によって、
リベロはすたれてしまったが、
それでも力量があれば、
その役割は消えることはない。

システムとして最も進化したのが、
バレーボールと言えるかもしれない。

世界が「スピード」を求めたからだ。

ラグビーにも「7人制」のセブンスがあって、
ワールドカップも開催されている。

しかしラグビーゲームの主流は、
15人制の専門職集団の激突だ。

そのスペシャルティこそが、
ラグビーの魅力なのだと思う。

難しそうだが、
知れば知るほど面白い。
それがラグビーだ。

サッカーは全員守備の全員攻撃。
バレーボールも全員守備の全員攻撃、
プラス「リベロ」。

ラグビーももちろん、
全員守備の全員攻撃が基本で、
タックルがそれを象徴するものだが、
一方で、専門性の高い技術と知見を求められる。

ベースボールも、
アメリカンフットボールも、
その意味では専門性が高い種目だ。

スペシャリストとオールラウンダー。

ビジネス実務では、
スペシャリストとゼネラリスト。

わが社はバレーボール派なのか、
ラグビー派なのか、
それを明確に戦略化する必要がある。

どちらが優れているとは言えない。

しかしリーチマイケルが、
中田久美らに感動し、
また中田久美らが、
リーチマイケルに元気づけられた。

その本質は、
“ワンチーム・ワンハート”にある。

ゼネラリストとスペシャリストが、
ワンチーム・ワンハートで仕事を進める。
それが戦略や種目を超えて、
何よりも大切なのだ。

〈結城義晴〉

2019年09月28日(土曜日)

第9回ラグビーワールドカップ・日本のアイルランド戦歴史的勝利

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生きていてよかったぁ。
いいものを見たぁ。

表現のしようがない。
感動を超えた感銘を受けた。

第9回ラグビーワールドカップ。
日本対アイルランド戦。IMG_08849
世紀の番狂わせ。
奇跡の金星。

いやいや、
もう、実力の勝利。
堂々の世界レベル。

なんといったらいいか。

日本がアイルランドを、
破ってしまった。

アイルランドは、
最近は世界第1位や2位を占める強豪。

独立国のアイルランドと、
イギリス(UK)の北アイルランドが、
ラグビーだけは合同チームで出てくる。

対する体の小さな東洋人の集団。
もちろん15人は外国人だけれど、
主力は日本人。

それが欧州流の肉弾戦を制した。

宿澤広朗に見せたかった。
平尾誠二と喜びたかった。

4年前の第8回ワールドカップでは、
南アフリカに勝利した。
当時、南アは世界3位だった。

ラストプレーで、
ペナルティキックの同点を選ばず、
果敢に攻めて劇的な逆転トライ。
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フルバックの五郎丸歩も大活躍。DSCN9162-5-448x332
真夜中のゲームをリアルで見ていて、
一人で興奮した。

しかし今回は真っ向からの勝負で、
互角以上の闘いぶりだった。

試合前のフィフティーン。IMG_08859

20番がキャプテン、
リーチマイケル。IMG_08879

この試合のレフェリーは、
アンガス・ガードナー(Angus Gardner)。
昨年のワールドラグビー年間最優秀審判員。
オーストラリア人。IMG_08899

アイルランドの最大の強みは、
巨漢揃いの重くて強いフォワード。

そのフォワード8人で組むスクラムにおいて
日本は互角の勝負をした。IMG_08949

私は早稲田対明治の闘いを見続けた。
日本が早稲田、アイルランドが明治、
そんなイメージだった。

しかしそれは全く違っていた。IMG_08929

前半は押された。
2つのトライとゴールで12点をとられ、
こちらはペナルティキック3つの9点。

しかし後半は優勢のスクラムから、
的確な球を出し続けた。

後半18分、そのスクラムから、
センター中村亮土らが球を回して、
大外の俊足ウィング福岡堅樹が、
左ライン沿いを回りこんでトライ。

しかし試合前は、
主将のリーチマイケルが負傷で、
先発メンバーから外れた。

「7点差以内の負けならいい」
私はそう言っていた。

ワールドカップラグビーでは、
7点差以内なら勝ち点1を得られるからだ。

しかし私の浅薄な見方は、
見事に破られた。

ナンバー8のアマナキ・マフィが、
前半30分に負傷退場。

するとリーチが登場して、
全軍をさらに勇気づけた。IMG_08919

そして動きは見違えるほどに変わって、
決勝のトライに結びついた。

後半は1点も与えず、
トライ&ゴールの7点に、
ペナルティキック3点で突き放す。

19対12の快勝。

試合後のインタビューで、
リーチマイケル。
「30分だけ喜んで、
次のサモア戦の準備をする」
さらりと言ってのけた。

アイルランド戦の勝利に酔ってはいない。

ゲームの勝利を祝って、
袋井エコパスタジアムには、
花火が撃ち上げられた。IMG_08969

日経新聞スポーツ欄。
金曜日のコラム。

サッカーの三浦知良が語っている。
「ラグビーに衝撃、発奮」

始まりは、
「ラグビー日本代表応援団のカズです」

あのカズが応援団。

「見ていて本当に面白い」
これ、カズの正直な思い。

「素人の僕はルールを詳しくは知らない。
でも、そこが分からなくても
W杯レベルとなると
直接的に訴えてくる
面白さ、すごみがある」

「”いいもの”は、楽しまれ方を選ばない」

同感だ。

「速さ、強さだけでなく、
身のこなしのしなやかな選手に
目を奪われる」

「”いい選手”とされる要件は
スポーツの別なく普遍なんだなと思う」

「あれだけ激しくぶつかり合っても、
判定に文句をいう人がほとんどいない。
サッカーと違うね」
三浦が知人から言われた。

「確かにサッカーでは
文句をいうのが癖になっている選手もいる」

「突発的な怒りは6秒で静まる、
だから6秒辛抱せよ」
ラグビーではこんなことが言われる。

「僕自身は審判に盾突くこともなく、
あまり警告をもらわないタイプ。
もちろん腹が立つときはあるけど」

「ラグビーの方々から見て、
僕らサッカーは”弱っちい”と
思われないか心配」

「少々のタックルで
痛がっていてはだめだね。
シーズン終盤、練習の追い込みで
疲れてはいても”疲れた”など
言っていられない」

そしてカズの決意。
「W杯の激しさに打たれると、
自分も強くあらねばという気になります」

ラグビーは、
紳士がやる野蛮なスポーツ。

一方、サッカーは、
野蛮人がやる紳士的なスポーツ。

イギリスの格言。
ただしこれは、
イギリスの階級社会を表している。

上流階級はラグビー、
下層階級はサッカー。

そのサッカーも、
いまや紳士的なスポーツとは言えない。
大衆のスポーツではあるけれど。

このゲームのあと、
世界ラグビーランキングは変わった。
1位 ニュージーランド
2位 イングランド
3位 ウェールズ
4位 アイルランド

アイルランドが4位になった。

5位 南アフリカ
6位 オーストラリア
7位 フランス
8位 日本
9位 スコットランド

日本は一つ上がって8位。

ラグビーの世界には階級がある。
ティア1、ティア2、ティア3。

ティア1には10カ国が属していて、
この階級は変動しない。

イングランド/スコットランド/ウェールズ
アイルランド/フランス/イタリア。
北半球の強豪6カ国で、
シックス・ネイションズと呼ばれる。

このメンバー国で毎年、
6カ国対抗が行われる。

それに南半球の強豪4カ国。
オーストラリア/ニュージーランド
南アフリカ/アルゼンチン。

日本はティア2のトップということになる。
が、ティア1に上がることは多分、ない。

リーチマイケルの視線は、
この階級制度に向けられているかもしれない。

〈結城義晴〉

2019年09月27日(金曜日)

「手習ヒ習練」とAEON Organic Allianceの「虫瞰図の眼」

㈱カメガヤの亀ヶ谷純子さんから、
毛筆の丁寧なお便りをいただく。IMG_08769

ほぼ毎月のことで、
心から感謝したい。IMG_08779
月刊商人舎へのお礼のお便り。

ありがとうございます。
頑張ります。

今日は1日、横浜商人舎オフィス。
夕方になって、
理解度テストやレポートに目を通す。IMG_08799
商人舎ミドルマネジメント研修会では、
2日目と3日目の朝、
理解度テストをする。
修了後にはレポート提出を課している。

9月10日・11日・12日、
第16回研修会が開催され、
そのレポートが少しずつ提出されてきた。
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いずれも真摯な内容で、
時には、読んでいて、
グッとくるものもある。

今月の商人舎標語。
そして[Message of September]

地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。

地べたを這いつつ、
宇宙を見る――。
「虫瞰図の眼」。
虫の視線ではるか宇宙まで見通す。
作家で運動家だった小田実のスタンス。

虫の眼、鳥の眼、魚の眼。
そして心の眼。
商人の眼。消費者の眼。
つくり手の眼、卸し手の眼、売り手の眼。
三方良しの眼。

米国小売業には、
アメリカン・ドリームがある。
ウォルマートのサム・ウォルトンは、
その新世界の壮大な夢を実現させつつ、
米国自由勲章を受賞した直後に逝った。

米国IT産業にも今、
同じくアメリカン・ドリームがある。
彼らはコンピュータ実務の地べたを這いつつ、
シンギュラリティ*の宇宙を見ている。
21世紀の夢に日付をつけて。

そしてこの新世界の新世紀の夢には、
地べたの眼で宇宙を見ることが必須だ。
私たちもアメリカを歩くことで、
そんな夢に共鳴することができる。
そんな夢を共創することができる。

米国50州とワシントン特別区。
そのすべての都市圏に21世紀の夢がある。
すべての都市圏に独自の競争構造がある。
すべての都市圏にそれぞれの変容がある。
すべての都市圏に地べたと宇宙とが同居する。

地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。
虫の視線ではるか宇宙まで見通そう。
虫瞰図の眼をもってアメリカを歩こう。
虫瞰図の眼を活かして「今」を変えよう。
〈結城義晴〉
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ミドルマネジメント研修会の諸君も、
地べたを這いつつ、
宇宙を見てほしい。

虫瞰図の眼をもって、
仕事に励んでほしいし、
読書も勉強も続けてほしい。

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」

「ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、
文筆を仕事にする人に向けて述べている」

知者のごとく思索し、
しかしだれもが使う言葉で語れ…
ふつうの言葉を用いて、
非凡なことを語りなさい。
(『読書について』より)
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熟練のコラムニストも述懐する。
「普通の言葉で非凡なことを――
その難しさに悩み続けてきた身には、
耳に痛い」

同感だ。

今日も「折々のことば」で恐縮。
朝日新聞一面のカコミ。
第1593回。

鷲田清一さんの編著。

手習ヒ始メハ
音ノ大ナルモノナリ。
習練ヲ遂ゲテ
音ノ小サクナルモノナリ。
(明治期の雅楽奏者)

雅楽演奏家・作曲家の芝祐靖(すけやす)
随想「また始めた[手習い]」の中で、
明治時代の笛奏者の講演原稿を引用。

その一節。

たゆまず練習に励めば、
「山ヲ昇リ 峯ヲ越ヘテ
坂ノ下リニナリテ
平地ニ出ルガ如ク」なる。

「技ノ手訓(てなるる)」とは、
そういうことだ。

鷲田さん。
「人の語りにも同じことがいえよう」

何かを習う時はもちろん、
ものを書く時にも、
仕事を習得するときにも。

山を登り、峰を越えて、
坂の下りになって、
平地に出るようになる。

ラグビーワールドカップ日本代表も、
ゴルフの渋野日向子も畑岡奈沙も、
テニスの錦織圭や大坂なおみも、
野球の大谷翔平も、
将棋の藤井聡太も、
その期間はものすごく短かっただろうが、
同じような経緯をたどったに違いない。

さて最後に、
商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
国内小売業初「イオンオーガニックアライアンス」を始動

イオン㈱が10月から、
AEON Organic Allianceを始動する。
農産物の生産・調達・加工・物流・販売機能を、
一元管理するプラットフォームだ。
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これはいい。

日本における有機JAS認定を促進させる。

現在、オーガニック生産者は、
総農家数のわずか0.2%に過ぎない。

イオンアグリ創造㈱は、
全国20カ所で直営農場を運営する。

この農場を拠点にして、
全国にオーガニック農場を増やし、
それをサポートする。

これはいい。

しかしこのプラットフォームづくりも、
「山ヲ昇リ 峯ヲ越ヘテ
坂ノ下リニナリテ
平地ニ出ルガ如ク」であるし、
地べたを這いつつ、
宇宙を見なければならない。

虫瞰図の眼が必須である。

〈結城義晴〉

2019年09月26日(木曜日)

ロピアKITEMITE MATSUDOの隠れ家割烹「黒泉」を堪能する

来週の火曜日から10月。
そして消費増税。

1988年12月、竹下登内閣のときに、
消費税法が成立し、
1989年4月、税率は3%で消費税実施。

さらに1997年4月、
橋本龍太郎内閣で税率5%に引き上げ。

2014年4月、安倍晋三内閣で、
さらに税率を8%に引き上げ。

4度目の消費税率引き上げで10%へ。
これでアメリカの売上げ税率を超える。

しかし「右往左往するな!」

それが私の方針。

さて今日は夕方、千葉県の松戸へ。
商店街の奥に旧伊勢丹松戸店。IMG_08119

現在はKITEMITE MATSUDO。IMG_08129

その1階に食生活ロピア。IMG_08149

月刊商人舎8月号特集。
増税前の店舗戦略査定!!
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この特集の中の記事。
ロピアKITE MITE MATSUDO店
伊勢丹松戸店跡に765坪/70億円の超繁盛店出現!!
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星☆☆☆、つけました。

㈱ロピア執行役員で店長の柴田昇さん。
第7回ベスト店長大賞受賞。IMG_08159

今日の目的は、
超話題の「黒泉」
窯焼き割烹。

食べログでは、
「松戸の奇跡」
とまで激賞される。

黒泉事業責任者の鈴木義和さんが、
黒服に身を包んで出迎えてくれた。IMG_08179
鈴木さんとは、
一緒にニューヨーク研修をした。
商人舎ミドルマネジメント研修会も、
意欲的に受講してくれた。

料理は5000円均一のおまかせコース。
カウンター12席だけの隠れ家のような店。
オープンキッチンで調理の模様が見える。
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しかし落ち着いた大人の雰囲気。

別に個室もあって、
ここではパーティーも楽しめる。

まず肉の素材を説明してくれる。IMG_08249

総料理長の泉弘樹さん。
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野菜も逸品ぞろい。
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鈴木さんが説明してくれた。
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泉総料理長が長い長い包丁で、
ヒレ肉をカット。
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ワインは「ペアリング」をチョイスしたが、
それ以外にシャトーマルゴー。
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「イノベーションとは、
人々の幸せを生み出すことである」
ピーター・ドラッカー先生も言うが、
私もし・あ・わ・せ。
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ちょっと手をつけてしまったが、
窯焼き厚切り牛タンと万願寺とうがらし。IMG_08389
10品ほどの絶品料理が、
次々に供される。

泉シェフは目の前でハモの骨切り。
あとで椀になる。
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和牛ヒレ肉の炉窯焼き。
アスパラと大根もうまい。
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この後、ワインと料理を堪能して、
写真を撮るのを忘れた。

最後はノドグロとイクラ、
「他人炊き込みご飯」。
ノドグロが入らない時には、
鮭とイクラの親子炊き込みご飯。
いずれも絶品の味。
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泉さんも自信満々。
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3時間があっという間。
12席で2回転しかしない。

もう来年1月まで予約が詰まっているし、
来店した顧客の7割は、
次回の予約を入れていく。

泉総料理長に、
ちょっと難しい注文をつけた。
詳細は書けないが、
要はマーケティングを徹底すること。

マスマーケティングから、
ワン・トゥ・ワンマーケティングへ。
それができればさらにすごい店になる。
そして鈴木さんや泉さんなら、
それができる。

ロピアのスーパーマーケットに戻ると、
今、店舗開発部の浅田圭介さん。
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8時閉店間際のレジも、
結構、混んでいる。
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最後に高木勇輔さんと握手。
㈱ロピア代表取締役。

スーパーマーケットの奥の、
隠れ家的なレストラン。

高木勇輔のビジョンは、
際限なく広がる。

消費税増税時の損得など、
細かいことだ。

右往左往するべからず。

昨日の朝日新聞「折々のことば」
第1591回。
消費者はわかる、
と思って作るのです。
(滝沢直己『1億人の服のデザイン』から)
index

ネットで服を買うようになって
布の手ざわりや着心地を
確かめることが少なくなった。
「が、作り手が
同じ土俵に立ってはいけない」
と滝沢は言う。

だから稲垣佳伸。
「聞いてはいけない、お客さまのご意見」
月刊商人舎2018年10月号から。
inagaki_20181010_02

「むしろ着る人の感覚の中に
入り込んでゆくこと」

「トレンドや市場の分析を頼りに
ビジネスを優先しすぎると
“服なんてこの程度でいいんじゃないの”
という妥協に流されてしまう」

滝沢は2011年から、
ユニクロのデザインディレクター、
2014年からスペシャルプロジェクトの
デザインディレクター。
uniqlo-2013-06-05-20130605_092-thumb-533x800-193752

だからロピアも黒泉も、
「食べる人の感覚の中に、
入り込んでいくこと」

それがマーケティングの神髄だ。

〈結城義晴〉

2019年09月25日(水曜日)

True Data役員会とジュニアソフトボールの「体と頭のスピード」

今日は朝から芝大神宮。
別に参拝するわけではない。IMG_07869

㈱True Dataヘ行く途中に神社がある。
写真だけ撮って通り過ぎる。

申し訳ないことをしている。

そのTrue Dataの取締役会。

どんな会社にも紆余曲折がある。
それを乗り越えて、
社会に貢献できる存在となっていく。

ピーター・ドラッカーは、
「事業の定義」を、
三つ挙げる。

第1に、組織を取り巻く環境である。
第2に、その組織特有の使命である。
そして第3に、
使命を達成する「強み」である。

True Dataという会社にとって、
第1の「環境」は極めて良好に整っている。

第2の「使命」、すなわち目的も、
ユニークで強固なものがある。
ただしベンチャーなので、
改めてそれを組織全体で、
確認しつつ再構築しなければならない。
そんな時期に来ている。

第3の、目的を達成する「強み」は、ある。
しかしこれに関しては際限がない。
もっともっと、さらにさらに、
「強み」は充実されなければならない。

その一つが「スピード」だ。
仕事のスピードを上げること。

しかしビッグデータマーケティングは、
気の遠くなるほどの膨大なデータを、
回し続けねばならない。

どんなにコンピュータが進化しようとも、
時間はかかる。

この時間を節約して、
間に合わせる会社もあるが、
その場合には、
最も重要な「目的」の達成度が希釈される。

「強み」は、
「目的」を達成させるためにあるのだ。

気をつけねばならない。

いつものように、
ランチミーティングをして、
横浜商人舎オフィスに戻る。

そして30分だけ近くの整骨院へ。
背中が痛むので、治療。

夕方まで仕事して、
ふたたび東京・品川へ。
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日本に人口過疎地があるとは、
とても信じられないような人の動き。
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その人込みをかき分けて東口に出る。IMG_07939

振り向くとアトレ2階に、
FOOD&TIME ISETAN。
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現在の社名は㈱エムアイフードスタイル。

クイーンズ伊勢丹から、
三越伊勢丹フードサービスへ、
そしてエムアイフードスタイルへ。

どんどん、
わかりにくい社名になっていく。

東口を抜けるとビル群。
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駅前広場。
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左手にアレア品川。
正式名称はNTTデータ品川ビル。
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その1階に居酒屋。
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稲田屋。
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今日はここで飲み会。

そのなかに小泉直樹君がいて、
驚かされた。
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現在、㈱シジシージャパン人事総務部。
その人事総務チーム係長。

35歳になったそうだ。

横浜市白幡小学校に「竹の子」という、
ジュニアソフトボールチームがある。

小泉君が10歳の時、
このチームに入ってきた。

だから25年前のことだ。

私が監督をしていた。

小泉少年は底抜けに明るくて、
運動神経のいい選手だった。

すぐに内野手として頭角を現し、
サードやショートを守った。

しかしひそかにピッチングの練習をして、
ウィンドミル投法をマスターした。

6年生のときには、
ショートとピッチャー、
そして主力打者として、
チームに貢献した。

横浜市のグリーンカップでは、
確か準優勝したと思う。

同年に大谷智久がいた。
その智久がエースの荏田ブランチーズに、
決勝戦で負けた。

大谷は神奈川県でも抜群の選手だったが、
その後、中学に入ってから、
引っ越して、兵庫県へ移った。

報徳高校に進んでセンバツ優勝投手、
早稲田大学では大学日本一投手、
社会人野球ではトヨタ自動車で、
都市対抗野球大会の全国優勝を果たし、
千葉ロッテマリーンズに指名された。

今でもプロ野球の現役投手だ。

私は小泉君が入ってくる2年前から、
竹の子の監督となっていた。

月刊食品商業編集長の仕事と両立させつつ
土日祭日はほとんど休みなしで、
子どもたちを指導し、試合を闘った。

40代は編集長と監督の二足の草鞋。
7年目には港北区の代表チームを率いて、
横浜オールスター大会で優勝した。

しかし㈱商業界の専務取締役となって、
監督から退いた。

そんなことが、
走馬灯のように蘇ってきた。

私の体力はあのころ、
養われた。

グランドで大声を出していたので、
講演のときにも声が出る。

監督としての私の口癖は、
「声、出せー!!」

コミュニケーションを最重視した。

そして子どもたちに、
「スピード」を求めた。

走るスピード、投げるスピード、
スウィングのスピード。
「動作のスピード」、
「体のスピード」。

それから「判断のスピード」。
つまり一瞬でものを決めるスピード。
「頭のスピード」。

さらに三つの「力」を強調した。
体の力、
頭の力、
心の力。

理解できる子、できない子、
理解できる親、できない親。

さまざまだったが、
少しずつそれが浸透し、理解され、
「チームカラー」となっていった。

「竹の子はいいチームですね」
ほかのチームの人々からも、
そう言われた。

横浜市の金沢区や保土ヶ谷区など、
対戦したチームの監督も、
そう言ってくれた。

どんなことにも、
真剣に取り組むと、
無駄になることはない。

子どもたちを指導した時の考え方は今、
私の経営理論の一角を担っている。

人生は不思議なものだ。
回り道はない。

今、講義のときなども、
そんなことを言ったりする。

ありがとう。
小泉君。

〈結城義晴〉

2019年09月24日(火曜日)

第3期「竹林舎さいたま」で中小企業のマーケティングを講義する

3連休明けの火曜日。

午前中は東京・大手町で、
検査と診察。

主治医の田嶼尚子先生から、
お墨付きをもらって、
また安心した。

田嶼尚子先生は、
東京慈恵会医科大学名誉教授、
女性医師のフロントランナー。

ちょっと気になることでも、
なんでも相談する。

一度、横浜の商人舎オフィスに戻って、
それからまた埼玉県の北与野へ。

第3期「竹林舎さいたま」の講義。

ここで訃報です。

立教大学の渡辺吾月さんが亡くなられた。
くも膜下出血で突然の逝去。
立教の竹林舎事務局を務めてくださって、
私もお世話になった。

感謝しつつ、ご冥福を祈りたい。

その第3期の竹林舎さいたま。DSCN99989

竹林舎さいたまは、いわゆる経営塾。
立教大学大学院と飯能信用金庫が、
コラボレートして運営する。

飯能信金前会長の木村啓三さんと、
立教大学の押見輝男前総長が、
共感、共鳴して誕生した。

目的は、
中小企業の若手経営者養成と、
後継者問題の解決。

塾名は中国の故事「竹林七賢」に由来する。

3世紀の中国「三国時代」末期に、
七人の賢人がいた。
阮籍(げんせき)
嵆康(けいこう)
山濤(さんとう)
劉伶(りゅうれい)
阮咸(げんかん)
向秀(しょうしゅう)
王戎(おうじゅう)

この竹林七賢に学ぶという趣旨。

立教ビジネスデザイン研究科の先生が、
1年間、次々に登壇して講義する。

私のテーマは、
「中小企業のマーケティング」DSCN99999

2時間ほど講義をする。
そしてテーマに基づいて、
5つの班ごとに討議、検討して、
発表する。

17時から始まって、
20時に終了。
DSCN99809

中小企業はいま、
ある意味で「焦点」となっている。
消費増税に伴って、
キャッシュレス決済のポイント還元が、
中小企業を優遇する形で行われるからだ。

しかし中小企業は、
こういった優遇をされるだけではない。
中小企業としての優位性を持つ。

コーネル大学のビル・ドレイク教授は、
インディペンデントカンパニーの、
5つの優位性を説明する。

1.適合性 Relevance
2.敏捷性 Agility
3.明確なバリュー提案
Clear Value Proposition
4.最適フォーマットの選択
Optimized Format
5.リーダーシップ
Leadership

私も同感する。
DSCN99859

産業論、そしてマーケティング論の、
入門編を丁寧に講義して、
前提としての知見を確認する。DSCN99879

それから一気に、
フィリップ・コトラー先生の基本。DSCN99769

90分講義して休憩をはさみ、
最後にSWOT分析とPPM分析の手法を、
紹介して解説。

その後、グループディスカッション。DSCN99949

ケーススタディを決めてから、
その企業の強みと弱み、機会と脅威を、
班ごとに整理する。IMG_07819

さらに市場の成長率と、
相対的なマーケットシェアの検討をする。
IMG_07849
この2つの整理をしたうえで、
ケーススタディ企業の現状を把握し、
今後の戦略を導き出す。

そして発表。
DSCN99979
短時間のグループワークだったが、
極めて質の高い発表もあって、
私は大いに満足した。

最後にPPM分析の要点を解説し、
サービスマーケティングで締めた。

カール・アルブレヒトの言葉。
「もしあなたが
顧客にサービスを提供する仕事に
就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人に
サービスを提供するよう
行動しなさい」
DSCN00049

清永道也さんは、
飯能信用金庫の研修所所、
竹林舎コーディネーターでもある。DSCN00099
ありがとうございました。

この竹林舎修了生の中に、
朝川康誠さんがいる。
IMG_70899-448x336
立教大学大学院に進んで修士をとった。
結城ゼミ第3期生。
㈱USEI代表取締役社長。

今年7月に、
第14回「社会貢献大賞」“優秀賞”を受賞した。
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おめでとう。

飯能信金の埼玉県の深谷からは、
渋沢栄一が出ている。

渋沢栄一は日本の近代産業の礎を築いた。

その渋沢の言葉。
「四十、五十ははなたれ小僧、
六十、七十は働き盛り、
九十になって迎えが来たら
百まで待てと追い返せ」

渋沢自身、91歳まで生きた。

その渋沢に言わせると、
私も清永さんもまだまだ、
働き盛りに入るし、
朝川君も竹林舎の受講生も、
はなたれ小僧だ。

学べ、学べ、学び抜け。
考えよ、考えよ、考え抜け。

ともに学び、考えたい。

〈結城義晴〉

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