商人舎今月の標語。
この公式ホームページの右段に、
「今月の標語」として掲載している。
「過去の標語を見る」をクリックする。
すると新しいものから順に、
20の標語が現れる。
ずっとクリックしていくと、
一番最初は2008年6月の標語。
「節約、倹約。もったいない」
商人舎を2008年2月1日に発足させて、
このホームページをベースキャンプとした。
そして5カ月後から、
「商人舎今月の標語」を始めた。
今もこの標語の大切さは、
変わらない。
「節約、倹約。もったいない」は、
SDGs(持続可能な開発目標)の、
17の目標につながる。
「商人舎今月の標語」は数えてみると、
137編ある。
2013年5月に、
月刊商人舎を発刊して、
その巻頭に「Message」を書き始めた。
その後は、
雑誌のMessageのタイトルを、
今月の標語にしている。
こちらは77編となっているが、
一番最初の[2013Message of May]は、
「商売は科学だ」
リテールをサイエンスせよ。
いや、商売は勘と経験だ。
あなたは、どっち派?
現代の消費社会と情報社会を鑑みれば、
明らかに、サイエンス派が有利に見える。
しかし――。
多くの小売り現場では、
まだまだ「勘と経験」や、
変な「人間力」が幅を利かせている。
この時、最も人間臭いゲームの
「第2回将棋電王戦」において、
コンピュータソフトが
天才プロ棋士たちをなぎ倒してしまった。
そして人間の天才たちは述懐した。
「コンピュータを使ってでも
もっと強くなりたい」
だとすると商売も、
「強くなる」ために、
徹底的に科学しなければいけない。
心底、お客のためにと
思い詰めるならば、
サイエンスしなければならない。
そして
「商売は科学だ」と
胸を張らなければならない。
この境地に至って初めて、
「勘と経験」も
最高のレベルで活かされるのである――。
今でも商売の科学性は増すばかり。
この大潮流は変わらない。
そして[2019Message of October]
10月の商人舎標語。
ビッグデータマーケティングしよう!
Marketをingする。
市場を現在進行形で、
揺さぶる、動かす。
それがMarketingだ。
マーケットをリサーチし、
マーケットをセグメントし、
ターゲティングし、
ポジショニングする。
製品のプロダクト、
価格のプライス、
流通のプレース、
販売促進のプロモーション。
カスタマーソリューション、
カスタマーコスト、
コンビニエンス、
コミュニケーション。
4つのP、
4つのC。
それぞれ相対的に呼応する。
それがマーケティングミックスされる。
生産・製品主導のマーケティング1.0、
顧客中心のマーケティング2.0、
人間と価値中心のマーケティング3.0。
そしてデジタル世界のマーケティング4.0。
売り手良し、
買い手良し、
世間良し。
三方良し。
モノやサービスがひとつ売れる。
ひとりのお客に売れる。
その一行の記録がデータである。
一行が無限に近づいてビッグデータとなる。
そして膨大になればなるほど、
ビッグデータはまた、
新しいマーケティングと結びつく。
新しい顧客満足と新しい顧客創造を繰り返す。
ビッグデータマーケティングは、
もっとも大事なノンカスタマーを明らかにする。
外の情報を組織内に教えてくれる。
そしてひるがえってひとりのお客を喜ばせる。
ビッグデータのマーケティングは、
ひとりのお客を裸にするものではない。
ひとりのお客に、
ひとりの自分を見つけ出させ、
ひとりのお客を「お薦めする人」に
変えていくのである。
〈結城義晴〉