朝日新聞「折々のことば」
今日は第1660回。
ごきげんさん
(関西人の挨拶〈あいさつ〉)
編著者の鷲田清一さん。
「”おはようさん”もそうだが、
関西人は”お疲れさん”と
人をねぎらう時にかぎらず、
挨拶にも”さん”をつける」
大阪のおばちゃんは「ちゃん」をつける。
「アメちゃん、食べる?」
「そういえば京都の人は
“お揚げさん””お芋さん”と
食べ物にも”お”や”さん”をつけるし、
家族のことも、いや飼い犬のことだって、
“今、寝たはる”というふうに敬語で語る」
なるほど。
私は福岡の生まれであるからか、
関西や西日本の人たちと、
親しくなることが多い気がする。
だからだろうか、
このニュアンス、よくわかる。
「ひたむきに生きる者どうしの共感からか、
意外に〈個〉の意識が強いからか」
鷲田清一さんは1947年、京都生まれ。
臨床哲学・倫理学を専門にして、
関西大学文学部教授、大阪大学総長、
京都市立芸術大学理事長学長など歴任。
だから今日の言葉に関しては、
ずっと思い続けてきたに違いない。
納得。
今日はアゴーラリージェンシー大阪堺。
目覚めたら眼下に堺の港。
タクシーをチャーターしてもらって、
このところ話題になった店を巡った。
まず、花園のイズミヤ。
商人舎流通スーパーニュース。
イズミヤnews|
創業1号店GMS「イズミヤ花園店」スーパーマーケットに刷新
イズミヤ創業の総合スーパーを、
スーパーマーケットに改造。
デイリーカナート花園店。
H2Oリテイリングの傘下に入って、
阪急オアシスの指導を仰ぐ。
だから手堅くハイセンスな店となっている。
阪急ベーカリーの100円パンも売られていた。
2階にはダイソー。
そしてココカラファイン。
そしてイズミヤカフェ。
イトーヨーカ堂と同じ考え方の改造だ。
創業のころはSSDDSと呼ばれていたが、
総合スーパーはどんな店も、
必ず大繁盛した。
Self-Service Discount Department Store。
イズミヤのこの店も同様SSDDSだった。
しかし現在は、食品スーパー。
時代の要請に合わせねばならないのか。
立地は変わる。
業態競争も変わる。
店も変わらねばならない。
この創業店の近くに、
イズミヤ本部がある。
もう40年も前になるが、
故和田萬治イズミヤ社長と、
故村田昭治慶応義塾大学名誉教授と、
この本部で対談してもらった。
私は駆け出しの記者だった。
懐かしい。
次になんばへ。
髙島屋大阪店。
こちらも本店。
高島屋news|
高島屋大阪店秋の改装、デジタル技術活用で顧客対応
髙島屋大阪店も9月1日から、
順次、改装に入っている。
こちらは外国人顧客も視野に入れて、
世界レベルの改装となる。
ウィンドーには彫刻の「ファミリー」。
そして大阪梅田へ。
ヨドバシカメラnews|
梅田タワー「LINKS UMEDA」11/16グランドオープン
こちらは11月16日にオープン。
ヨドバシカメラ梅田タワーに、
「RINKS」ができた。
2階のユニクロ。
1980年代の昔々の、
百貨店ボンマルシェのような、
横長の構造。
しかしマネキンを多用して、
素晴らしい売場。
もちろん他を圧する商品力。
インバウンド対応の売場は、
まるでドン・キホーテ。
凄い。
地下1階は食のフロア。
近鉄グループの近商ストアが、
都市中心部型フードストアをつくった。
「食品専門館ハーベス」
梅田地区で最大級。
テーマは“賑やかマルシェ”。
グロサラントの大展開。
阪急オアシスのキッチン&マーケットを、
多分に意識した店づくり。
高級商材も並べた。
セルフレジも導入。
明治屋ストアーを誘致。
アマノのフリーズドライの店。
そしてカウンター方式の外食店を入れた。
しかしスーパーマーケット本来の、
量販の考え方が皆無で、
これでは売上げはとれない。
2階にはクリスマス売場。
サンタクロース。
これもサンタ。
シロクマ。
都心型の店と言えども、
スーパーマーケットは一定程度量販型だ。
もう一度考え直さねばならないだろう。
最後に、
セントラルスクエア西宮原。
新大阪駅のそばの2フロア店舗。
先日の日本スーパーマーケット協会の、
パネルディスカッションで、
岩崎高治社長が発言した。
「年間に70億円を売る」
だから改めて確認にやってきた。
なるほど、生鮮から惣菜まで、
ライフの実力をすべて出し切っている。
そのうえ、
このマンション人口急増地域で、
ほぼ独占状態。
ライフは一般のトレンドに反して、
中型総合スーパーの展開を止めず、
しかも利益を出せるフォーマットにする。
凄い店だ。
店を回ると元気が出る。
大阪の店は百貨店から、
総合スーパー、スーパーマーケットまで、
出来不出来はあっても、
「ごきげんさん」の店ばかりで、
大満足。
ありがとう。
〈結城義晴〉