Everybody! Good Monday!
[2020vol⑦]
2020年第8週にして、
2月第4週。
今日の横浜は最高気温16℃。
あっという間に、
「光の春」の季節は過ぎた。
気象学者で理学博士の故倉嶋厚さん。
その著『お天気歳時記』に書いている。
二月の光は
誰の目から見ても
もう確実に強まっており、
風は冷たくても
晴れた日には
キラキラと光る。
厳寒のシベリアでも
軒の氷柱から
最初の水滴の
一雫(ひとしずく)が
輝きながら落ちる。
ロシア語でいう
「光の春」である。
新型コロナウィルス騒動で、
「光の春」も忘れていた。
そのうえ地球は、
[極端気象]に見舞われている。
日経新聞「ニュース一言」
㈱ユナイテッドアローズ。
社長の竹田光広さん。
「暖冬はもはや異常気象でない。
来年以降も冬の気温が高く推移すると
考えて行動すべきだ。
コートやダウンジャケットに偏重した
商品構成からの脱却を目指していく」
日経記事。
「今冬の販売で苦戦した反省から、
ユナイテッドアローズは2021年3月期に、
秋冬に展開する衣料品の見直しを始める」
同社は1989年に、
重松理(しげまつさとし)さんが創業した。
バブル経済の最後の絶頂期だった。
重松さんは、
有名なセレクトショップ「ビームス」の、
1号店店長だったが、
ビームスを出て、
ユナイテッドアローズをつくった。
㈱商業界では、
月刊「ファッション販売」の全盛期。
「チャネラー」誌と競い合っていた。
私は月刊「食品商業」編集長に就任した。
それから30年。
「チャネラー」は廃刊し、
「ファッション販売」は売却された。
時代は変わった。
しかしユナイテッドアローズは、
2019年3月期決算で、
連結売上高1589億円、2.9%増、
経常利益113億円、5.0%増。
店舗総数は237店舗。
結局はオーソドックスな、
チェーンオペレーションがなければ、
セレクトショップもDCブランドも、
存続できないし、成長もできない。
竹田さんは2012年に社長就任。
「冬場でも薄手の洋服を多く用意するなど、
シーズンにこだわらず
顧客の実需に対応する」
アパレルでも、
[極端気象MD]が必須となる。
月刊商人舎Webコンテンツ。
「月曜朝一2週間販促企画」
「新型コロナウイルスをものともせず、
横浜の高島屋のスイーツ売場には、
若い女性から年配の女性まで押し寄せ、
大混雑だった」
人気のある店には長い行列ができる。
「ただし週末はその横浜駅周辺の商業も、
閑散としていた」
横浜港には依然、
ダイヤモンド・プリンセス号が停泊中。
新型コロナウイルスの風評被害もある。
横浜中華街も閑散としている。
一方で東京・渋谷は、
いつも通りに賑わっていた。
新型コロナウイルスが、
経済や商業に与える影響は大きい。
中国経済はどこまで落ち込むか。
それに影響を受けて、
日本をはじめアジアも、
アメリカも先行き不透明。
2月、3月に決算を控える小売業。
百貨店の決算は悲惨だろう。
「2019年の消費増税に始まり、
暖冬、そして新型コロナウイルスと、
下半期は三重苦に近い。
しかしこの状況はしばらく続く」
中国と韓国のインバウンド需要は、
大きく後退する。
観光業もインバウンド小売業も、
打撃を受けることは間違いない。
いつごろ収束するか。
東京オリンピックに影響は出ないか。
歴史的に見ると中世ヨーロッパで、
ペストが大流行した。
もともとはネズミ⇒ノミ⇒ネズミだった感染が、
ネズミ⇒ノミ⇒ヒトとなった。
11世紀と14世紀がひどくて、
欧州全域で2000万から3000万人が、
ペストによって死亡したと推定される。
これは当時の全人口に対して、
3分の1から3分の2に当たる。
今回の新型コロナウィルスが、
この時代のペストのようにはなりえない。
心配はいらない。
しかし当時の閉塞感の中で、
人間たちに3つの心理的傾向が出た。
第1が刹那的な欲望の追求や浪費に走る。
第2に懺悔して神仏に頼る。
第3に犯人を仕立て上げて迫害する。
人間とその人間集団の心理は、
同じような傾向を示すから、
刹那的な浪費現象は出るかもしれない。
新興宗教の勃興や事件も、
起こるかもしれない。
誰かが、あるいはいずれかの人種が、
スケープゴートにされるかもしれない。
21世紀の現代人として、
それらのことには誇りをもって、
「否」という姿勢を示したい。
シンプルな生活態度を貫きたい。
手洗い、うがいの励行。
場合によってはマスクもしっかりして、
何よりよく食べ、よく働き、よく眠る。
2012年9月。
商人舎の「今月の標語」は、
平櫛田中の言葉。
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」
平櫛はこの後に続けて言う。
「びんぼうごくらく、
ながいきするよ」
平櫛田中は、
「ひらぐし・でんちゅう」と読む。
明治5年(1872年)生まれ、
昭和54年(1979年)没。
なんと107歳まで生きた彫刻家。
100歳を超えても、
現役として作品を創り続けた。
そして豪語した。
「60、70は鼻たれ小僧」
私もまだまだ鼻たれ小僧。
今週も頑張ります。
では、みなさん、
「今日もお仕事、おまんまうまいよ」
Good Monday!
〈結城義晴〉