新型コロナウイルス。
北海道や栃木に現れた。
この新型肺炎の感染拡大が、
個人消費を冷え込ませつつある。
日経新聞一面トップ。
納得し、実感する。
通勤や買物、遊興。
外出を控える人が増えている。
百貨店をはじめ、
小売業の客数が減り始めた。
旅行やテーマパークの団体利用は、
キャンセルが相次ぐ。
心理的にはよくわかる。
感染を避けるため、
人々は外出や人混みを避ける。
私の実感でも、
横浜では車が減った。
電車の客も減った。
野村証券がKDDIのデータを分析した。
2月の休祝日の来街者数が激減。
大阪・梅田が15%減、京都が14%減、
東京が6%減、横浜が10%減。
都心や観光地で軒並み人出が減った。
客足の減少はまず百貨店を直撃する。
三越銀座店は2月の来店客数が、
前年比1割減。
堅調だった食品の売上高も約1割減。
日本百貨店協会の見通し。
2月の全国百貨店既存店売上高は、
1月に続いて前年同月実績を割り込む。
総合スーパーやドラッグストアでも、
客数減⇒売上高減。
都内の大型小売店では、
2月の日用品と化粧品・医薬品の販売額が、
軒並み4割減った。
観光名所やテーマパークも、
感染リスクが高い。
大阪城天守閣では例年の2月と比べて、
利用者が約4割減。
東京タワーも入場者数は、
例年より3割ほど少ない。
JR東日本では2月1日~17日、
新幹線利用者が前年同期比10%減。
同期間中の東京駅での切符運賃収入は、
前年同期比7%減。
東京ディズニーリゾートの舞浜駅も9%減。
その反面、増えていくのが、
「巣ごもり消費」
eコマースや中食・外食のテイクアウトで、
家にこもって消費する。
アメリカのミレニアル世代は、
もっぱら巣ごもりでeコマースを利用する。
ヨドバシカメラでは2月、
空気清浄機の販売が昨年同月比1.7倍。
販売伸び率はネット通販サイトが、
リアル店舗販売を上回った。
その通販がけん引役となって、
日用雑貨の売上高が3倍になった。
新型コロナウィルスが、
eコマースの伸びを後押しする。
その巣ごもり消費のなか、
私は東京駅から新幹線で仙台へ。
巣ごもりの傾向など、
微塵も見られない。
仙台に着いてもまだ、
新型コロナの影響はない。
三連休初日でもあって、
仙台駅前の人出は多い。
突然、ヨークベニマルが、
見たくなった。
年商4372億円(2019年2月期)、
店舗数225店のエクセレントカンパニー。
仙台地区の話題の最新店2店。
といっても一昨年と昨年のオープン。
まずヨークマルシェ大和町店。
仙台市若林区大和町の住宅街にある。
売場面積300坪の
同社初の小型店だ。
新しいフォーマット開発に、
全力を挙げて取り組んだ。
丁寧にくまなく、
店内を案内してくれたのは、
長嶋昌延店長。
売場を回りながら説明してくれて、
私もそれに対して意見を言ったりする。
奥平暢善常務執行役員。
仙台ゾーンマネジャー。
小型店だけにオフィスも狭い。
その狭いオフィスで膝詰めで懇談。
最後に健闘を祈念して、
長嶋店長と握手。
それから仙台の東から北西に向かって、
ヨークベニマル仙台中山店。
ヤマザワが退転した居ぬき物件を、
活性化させた店舗だ。
売場面積は450坪とやや小型。
ヨークベニマルの惣菜とベーカリーは、
㈱ライフフーズが担当する。
その惣菜とインストアベーカリーを、
店舗右翼に再配置して、
ベニマルらしい店づくりとなった。
さらに内装も新しいデザインで、
ベニマルの店づくりの転機となった。
新しいフォーマットをつくるには、
そのポジショニングのために、
新しいデザインが必要となる。
加藤勉店長は、
奥平常務が南吉成店店長のときの、
鮮魚部門チーフだった。
新店店長となった今、
小さな実験や取り組みを重ね、
さらにライフフーズの社員まで、
全従業員をひとつにまとめている。
ヨークベニマルの社風を、
私なりに一言で表現するならば、
「ストイックなスーパーマーケット」。
全幹部、全従業員が、
スーパーマーケットの原則を厳守して、
創業の「野越え山越え」の精神を貫徹する。
「一人のお客さまに誠実を尽くせ」
加藤店長は売場を歩きながらつぶやいた。
「一人のお客さまは
25人のお客さまの代表である。
会長がいつも言ってます」
この店でもバックヤードの事務所で、
奥平さん、加藤さんと熱談。
そうすると大髙善興会長から、
奥平さんに電話が入った。
私が来ていることは先刻ご承知。
この店に大髙会長は、
昨年3月のオープン以来、
毎月のように訪れて、
現場の声を聞きながら、
あれこれと細かく注意点を、
指摘してくれた。
加藤店長は言う。
「いつも大事なことを教えてもらいます」
2店舗をご案内いただいた
奥平さんには本当に感謝したい。
ヨークベニマルに来ると、
いつも、心洗われる気持ちになる。
ありがとうございました。
新型肺炎流行による「巣ごもり消費」を、
「野越え山越え」の精神で打ち破ろう。
「野越え山越え」で店にやって来てもらおう。
その心意気をもとう。
一人のお客さまに誠実を尽くして。
〈結城義晴〉