やっぱり!!
「やってる感」
当たっていた。
東京大学名誉教授の御厨貴さんと、
日経新聞論説主幹の芹川洋一さんの対談。
安倍晋三首相は、
やり遂げるのではなくて、
「やってる感」。
自分でも「それが大事」だと言っている。
今回も「やってる感」だった。
昨日のブログで指摘した通りだ。
わが日本国のリーダーだけに、
大いに残念だけれど。
今日の国会論戦。
その前後の与党自民党議員の発言。
朝日新聞が報じている。
田村憲久・元厚生労働大臣。
新型コロナウイルス関連肺炎対策本部長。
全国小中高校の臨時休校要請について、
「事前に聞いていなかったので、
突然で驚いた」
柴山昌彦・前文部科学大臣。
休校要請は報道で初めて知った。
「亡くなった方が出ている所と、
感染者が報告されていない所と、
一律の対応というのは、
柔軟性に欠けるのかなと。
唐突ではないかなと思う」
突然、唐突の思い付き。
自分だけやってる感。
朝日新聞「天声人語」
「手を洗う回数が日ごとに増えていく」
同感。
「悩ましいのは、どれくらい洗えば
新型コロナウイルスを防げるのか、
確信が持てないことだ」
「自分の手や指なのに
疑いの目を向けてしまう」
石川啄木は嘆いた。
はたらけどはたらけど猶
わが生活楽にならざり
ぢつと手を見る
猶は「なほ」、生活は「くらし」。
朝日新聞社の入り口にも、
掲示がある。
「入館時は手指消毒を」
コラムニストは、
入り口に置かれた消毒液を見て、
考え込む。
「何人もが触れた容器に
ウイルスの付着はないか。
疑心暗鬼はとどまるところを知らない」
そこで啄木をもじる。
「洗えども洗えども十分に
清潔かどうか自信が持てない。
毎回ぢつと手を見る」
今日は一日、横浜商人舎オフィス。
午後、片山隆さん来社。
そして熱談2時間。
片山さんは㈱寺岡精工前社長。
現在、RTK Design代表。
ICT(情報通信技術)に対する見解が一致。
Information and Communication Technology。
そこでこのITCの混沌の実態、原因、
そして問題解決の方向性を語り合った。
対談が終わってから、
司会の亀谷しづえが加わり、写真。
亀谷は㈱商人舎ゼネラルマネジャー。
ありがとうございました。
夕方には、
高木勇輔さんがやってきた。
㈱ロピアのグループ代表。
38歳。
この3月1日から、
㈱ロピア代表取締役社長に復帰する。
福島道夫現社長は営業の統括をしつつ、
ロピアの将来を決めるような、
特命事業の責任者となる。
会社を意図的に変えようとしている。
熱力学には二つの法則がある。
第1が「エネルギー保存の法則」、
第2が「エントロピーの法則」。
ニュートンの時代にも、
アインシュタイン以降の時代にも、
この二つの法則は不朽であるとされる。
「エネルギー保存の法則」は説く。
宇宙における物質とエネルギーの総和は、
一定である。
「エントロピーの法則」は教える。
物質とエネルギーは、
混沌と荒廃に向かってのみ変化していく。
盛者必衰の理。
「じょうしゃひっすいのことわり」と読む。
近代合理主義は、
「進化は必然である」とするが、
これはその近代合理主義とは一線を画する。
ピーター・ドラッカーは、
マネジメントに関わるあらゆるものが、
「エントロピーの法則」から
逃れられないと考えた。
製品とサービス、組織と制度、
プロセスとチャネルなどは、
出来上がった瞬間に陳腐化を始める。
「いかなる経済といえども、
放置しておくならば、
資本の生産性は確実に
逓減に向かっていく」
「これを防ぐ唯一の方法、すなわち、
不毛の硬直化を防ぐ唯一の方法が、
企業家精神による資本の生産性の
不断の向上である」
イノベーションは技術革新ではない。
あくまでも顧客の満足に向かって、
自ら、変わることだ。
だからドラッカーは言い切る。
「イノベーションに優れた企業は、
人のつくったものは遅かれ早かれ、
通常は早く陳腐化することを知っている」
ならばこうするべきだ。
「競争相手によって
陳腐化させられるのを待たずに、
自ら陳腐化させ、
廃棄することを選ぶ」
これがドラッカーの「現代化」の方法だ。
ポスト・モダンの七つの手法である。
「やってる感」とは程遠い世界なのだ。
〈結城義晴〉