今日のアメリカは、
Super Tuesday。
スーパーチューズデー。
11月の大統領選挙に向けた、
民主党の候補指名争いの山場。
全米14州と米領サモアでの予備選挙。
今日一日で最大の代議員を獲得できる日。
この日に優位に立てれば、
大統領選の候補指名に近づく。
バイデン前副大統領が、
左派のサンダース上院議員と、
激しい競り合いとなった。
ジョー・バイデン候補は77歳。
バーニー・サンダース候補は78歳。
ついでに共和党のトランプ大統領は73歳。
参戦が遅かったブルームバーグ氏は、
支持が伸びず、撤退を表明した。
前ニューヨーク市長。
ちなみにブルームバーグ候補も78歳。
残るのが、
エリザベス・ウォーレン上院議員。
彼女は70歳。
日本式に言えば、
民主党は全員が高齢者で、
男性3人が後期高齢者。
女性が前期高齢者。
アメリカはいったいどこに行くのだろう。
ちなみに米国史上最年少の大統領は、
セオドア・ルーズベルト。
1901年に就任した時、
42歳322日だった。
ジョン・F・ケネディ大統領は43歳236日。
バラク・オバマ大統領は47歳169日。
若ければいいってもんじゃないが、
大統領が70歳代ってのは、良くない!!
アメリカ人よ、しっかりせよ!
いまさらどうにもならないけれど。
これから5年間、
高齢政治となってしまう。
昨日の日経新聞「大機小機」
コラムニストは硬派の無垢さん。
「誰が米資本主義を変えるか」
「米国の大統領選が問われるのは、
米流資本主義そのものである」
「上位1%が所得の2割、資産の4割を
占めるという突出した格差社会を
正常化できるかどうかだ」
トランプ政権のもとで
米国社会の右傾化が著しい。
そのトランプ大統領に、
健全な保守だったはずの共和党は
乗っ取られている。
スーパーチューズデーで
民主党の大統領候補を争う
バイデン氏、ブルームバーグ氏は
「穏健派」というが、
中道より保守だろう。
「急進左派」とされる
サンダース氏、ウォーレン氏こそ
中道である。
サンダース氏らが唱える国民皆保険は、
まともな民主主義国の世界標準である。
「社会主義」と決めつける方が異質である。
「危険なのは、
好調な経済に目を奪われて
米国社会に”トランプ慣れ”が
広がっていることだ」
同感だ。
「大規模減税、国防支出増など
財政刺激と超金融緩和がもたらした
“トランプ・バブル”である」
「企業債務は膨らみ、
財政赤字は拡大する。
新型肺炎の影響もからみ、
バブル崩壊のリスクが高まっている」
トランプ政権下で金融資本主義は
肥大化し続ける。
「そのうえ、トランプ政権は
地球温暖化防止のためのパリ協定からの
離脱を決め、環境規制を緩めた。
地球を危機にさらしている」
「世界はいま中国の国家資本主義と
米流資本主義が対決する様相だ。
中国の国家資本主義が
席巻するのは悪夢だが、
規範なき米流資本主義の暴走も
危険である」
これにも同感。
「誰が米流資本主義を変えるか。
格差拡大のなかで
大統領選が富豪対決になれば、
社会の分断は深まる。
米国民も世界標準の
まっとうな資本主義を選択するときだ」
まことに残念だが、
コラムニストの言うようにはならない。
日経新聞電子版。
「経営者ブログ」
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
「なんだか戒厳令下にある国みたい」
鈴木さんは休日に散策しながら、
ふと、こんな言葉をつぶやいた。
どこを歩いても、あまりに、
人が少ない風景に驚いた。
「”自主的な要請”という形で
首相が夕方の会見で話し、
いつの間にか、統制国家並みの規制が
実現されてきた」
「まず、首相の口から語られ、
その後、行政機関が対応に走る、
という形になっている」
鈴木さんは鋭く指摘する。
「その経過を見ていると、
独裁国家ではないはずの日本が、
“戒厳令下”にあるように、
まず、統治者の言葉があって、
それから行政が慌てて
対応に走る形が続いていることに
違和感を感じる」
鈴木さんの友人の医者。
「高齢者にとって
深刻な新型コロナウイルス」
データ上は、現在のところ、
「老人直撃感染ウイルス」
小中高校が全国的に臨時休校というのは、
論理的にまったくおかしい。
ほぼ日の糸井重里さん。
日曜日の3月2日の「今日のダーリン」で、
呼びかける。
「一色(ひといろ)にならないで
行こうよ」
これ、私が言うところの、
「人生のポジショニング戦略」だ。
「戦争のときに、
“ぜいたくは敵だ!”であるとか、
“パーマネントはやめませう”などという
キャッチフレーズが広く喧伝されて、
他人のぜいたくを咎めて回るような団体が
動き回っていたのだと聞いている」
「背後には政権の思惑が
あってのことかもしれないが、
監視すること、取り締まることを
積極的にやったのは、
すぐそこにいる一般市民だった」
これを危険な右傾化という。
「じぶんの自由を粗末に扱うことと、
他人の自由を踏みにじることには、
うす暗い快感があるのかもしれない」
「たがいに自粛を強制し合うような状況に、
もう、この島国も成りかけている」
あくまでも
「自(!)粛」だから、
するときはする。
もちろん
「自(!)粛」だから、
しないときはしない。
「もちろん人に迷惑をかけたくない。
そして、じぶんの自由を
考えなしに捨てたくもない」
鈴木幸一さんも、
糸井重里さんも、
同じような違和感を抱いた。
私も。
アメリカを見ても、
日本を振り返っても、
心は晴れない。
政府や役所も、
メディアと現場を使ってまで、
あらぬデモンストレーション。
それなのに、
新型コロナウィルスの影響で、
スーパーマーケットは、
ドラッグストアと、
二人勝ちの様相だ。
2月末の木曜から日曜までの4日間で、
一挙に1年分の落ち込みを、
取り戻した企業さえある。
商売だけ考えていたら、
ウハウハと喜んでしまうかもしれないが、
世界はそんな状況ではない。
〈結城義晴〉