結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年03月26日(木曜日)

「冷静に恐れる」ことと「ブレーキを踏みながら前進」すること

ニュースは毎日、
新型コロナのことばかり。
私のブログも毎日、
新型コロナのことばかり。

恐縮。

昨日は東京都の小池百合子知事が、
都民に「不要不急の外出の自粛」を要請した。
今日は神奈川・千葉・埼玉・山梨4県の知事が、
テレビ会議を開いて、
「知事共同メッセージ」をまとめた。
そして東京と同じように、
県民に外出やイベントの自粛を求めた。

結果として首都圏は、
巨大な移動制限区域となった。

ただし「不要不急」の場合のこと。

私は午前中に東京駅から大手町へ。
大手町プレイスウェストタワー。
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地下1階の大手町プレイス内科で、
主治医の田嶼尚子先生の検査と診察。
そして処方箋を出してもらって、
持病の薬を1カ月分入手した。

その後、浜松町へ。
JR浜松町駅から歩いて20m。
ナレッジ・マーチャントワークス㈱。
英語でKnowledge Merchants Works Inc.
略してKMW。
「知識商人」という言葉を、
社名にしてくれた。

代表取締役社長の染谷剛史さん。
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小売業・サービス業に特化して、
Human Resource Management領域で、
コンサルティングし、サポートする。

社内からは東京ベイが見える。IMG_59670

真下には浜松町駅のホーム。
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柳沼克彰ユニットマネジャーが加わって、
ちょっとだけ打ち合わせ。
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それからKMWの幹部・社員の皆さんと、
一瞬だけ集合して写真。IMG_59750
2017年3月に染谷さんが創業して、
もう3年が経過する。

サービス産業に「働き方改革」で、
サポートする。

アプリ「はたLuck」を開発して、
これがどんどん広がっている。
「はたLuck」は、
シフトワーカーマネジメントアプリ。

気持ちのいい春の日、
気持ちのいい会社を訪れて、
コロナ騒ぎで鬱陶しい気分が、
ちょっと晴れた。

横浜まで戻ってくると、
新田間川の川岸に満開の桜。IMG_59810
結局、東京都と神奈川県を、
行ったり来たりしてしまった。

「有要有急」の要件で。

もちろんマスクを着用し、
その都度、手洗いとうがいをし、
消毒液で手をきれいにした。
咳エチケットを徹底し、
目や鼻や口に手を触れない。
人混み、密閉された空間は避ける。
換気をよくする、
睡眠や食事をしっかりとって、
健康をキープする。

やれること、
やるべきことを、
やる。
やってはいけないことは、
やらない。

さて日経新聞夕刊の「あすへの話題」
原山優子東北大学名誉教授。
タイトルは「目に見えない相手」
harayama2
原山さんは、
9年前の東日本大震災と今回を比較する。

「津波を起因とする原発事故によって、
大量の放射線物質が大気に放出され、
その処理は何十年単位で続く」

「両者とも経験知無し、
目に見えない相手への対応であり、
合理性を超え、恐怖が生じる」

「そもそもウイルスは
ヒトを含む生物の細胞に入りこみ、
自らを維持し、増殖する存在であり、
宿主の種が絶えては身も蓋もない」

「宿主は徐々に
免疫を獲得し自らを守るが、
ウイルスも変異を起こし対抗する」

「終わりなき戦いのようだが、
人類はこれまでに感染症を
コントロールする術を磨いてきた。
その知見が今日役に立つと確信する」

私もそれを希求する。

原山さんは「個人的には」と断ったうえで、
肝心だと思うことをうまく表現する。
「冷静に恐れる」

「それには信頼できる情報が欠かせない」

同感。

その情報の中で行き当たったのが、
「スイス連邦政府のウェブページ」

原山さんはジュネーブ大学で、
教育学と経済学の博士課程を修了。
だからスイスには詳しい。

「自らを守り、周りの人を守る」
というキャンペーンを張りつつ、
これぞという情報が、
スマートに掲載されている。

そこで大事なこと。
「既知の未知」に対して、
情報収集と意思決定のメカニズムを
事前に決めておくこと。

それは可能であるし、
それを実行しているのが
英国の緊急時科学助言グループである。

「SAGE」とよばれて、
国家の非常事態に政府に、
科学的な助言を提示する組織だ。

東京電力福島原発事故が起きたときにも、
キャメロン首相に対して助言した。
「東京にいる英国人を避難させる必要はない」
他の欧州諸国はすぐに、
日本国外への避難を勧告したが、
それとは一線を画する見識を示した。

原山優子さんは、
このSAGEを評価するが、
私も日本に必要な組織だと思う。

一方、「ほぼ日」
糸井重里さん。
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こちらも同じように、
「2011年の3月と
似ているという感想もあった」

「いま世界中を覆っている
陰鬱さの奥には、
“被害者になりたくない”
ということだけでなく、
“加害者になってはいけない”
という思いがある」

したがって、
「被害の渦の中に
勇猛に飛び込んでいっても、
感染を広める加害者に
なってしまう可能性が高い」

ああ。

「元気など隠して、
部屋から一歩も出ないことが、
ひとりひとりに望まれているという事態が、
日本の大都市東京でも、
もうはじまってきている」

「人が、人としてやりたいこと、
つまり、”会いたい、集まりたい、
触れ合いたい、話したい”がそのまま
ウィルスの望んでいることなのだ」

「だからまったく始末がわるい」

その通り。

「アクセルから足を離して、
ブレーキを踏むこと。
それが、ウィルスの
嫌がることなのだとしたら、
それをすることが、
生きるという運転を続けることになる」

そう。
どうしても、
前に進まねばならないときにも、
アクセルから足を離して、
ブレーキを踏みながら、
恐る恐る前進すること。

それが「冷静に恐れる」ことである。

〈結城義晴〉

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