Everybody! Good Monday!
[2020vol⑬]
2020年第14週。
3月最終週にして、
今週水曜日から4月。
昨日の日曜日、
関東地方は雪が降った。
東京や横浜にも、
3月末としては32年ぶりの積雪。
朝日新聞「天声人語」
「桜の咲くころの冷え込みを
“花冷え”と言うが、
“花凍え”とでも
呼びたくなる気候である」
同感だが、
花鳥風月を愛でる気分ならば、
これも悪くはない。
しかし新型コロナウィルス拡大中の今、
気持ちまで凍てついてくる。
この道しかない春の雪ふる
コラムは種田山頭火の句を引く。
自由律俳句の巨匠。
「一筋の道を歩んでいく人に、
思いがけない雪が降りかかる」
その思いがけない雪が降りかかる日に、
志村けんが死んだ。
70歳だった。
3月20日に体調不良を訴えて、
都内の病院に入院。
重度の肺炎と診断され、
23日には新型コロナウイルス検査で、
陽性が明らかになっていた。
ザ・ドリフターズのメンバー。
いかりや長介の付き人から、
24歳で荒井注に代わって、
ドリフの正式メンバーに昇格。
やがて加藤茶を抜いて、
中心的存在となった。
TBSのお化け番組「8時だョ! 全員集合」で、
「東村山音頭」を歌って人気を博し、
「バカ殿」や「変なおじさん」など、
独特のキャラクターを演じた。
ご冥福を祈るとともに、
新型コロナの恐ろしさを実感する。
政府に動きがある。
4月1日の水曜日から、
一定の措置をとる模様。
小売業各社は大至急、
センターや店頭・バックヤードに、
できうる限りの在庫を保有すべきだ。
特に首都圏、そして1週間後に近畿圏。
パニックに陥る可能性がある。
しかし、
なんという事態を迎えてしまったのか。
言葉がない。
いつも言うけれど、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
人事を尽くして、
天命を待つ。
一人ひとりが、
手洗い、うがいの励行。
咳エチケットを厳守。
手洗い、うがいは、
そして清潔な生活では、
世界一の国になろう。
さらに、できる限り、
「密室」に入らない。
「密集」に近寄らない。
「密接」しない。
この「三密」は糸井重里さんの言葉。
一人ひとりが、
コロナウィルスと闘う。
うつされない。
うつさない。
広げさせない。
それらに邁進しつつ、
ライフラインを担う小売業は、
現場で顧客のために働く。
アメリカのウォルマートには、
特殊な組織がある。
「ビジネスコンティニュイティ」
事業をつつがなく継続させるチームだ。
ハリケーンや地震などの天災にも、
今回のような感染症の際にも、
それが公然化した瞬間、
「プロトコル」と呼ばれるマニュアルが活用され、
チームは自律的に動き出す。
平時には店舗を巡回して、
万引き摘発などの業務をしている。
日本のイオン㈱にも同じ仕組みがある。
「Business Continuity Management」
BCMと略される。
イオンのBCMを担うのが、
総務部長兼法務部長の津末浩治さん。
そして総務部BCMグループマネージャー兼イオン小牧危機管理センター長の上田奈穂子さんだ。
図らずも月刊商人舎2020年1月号で、
特集し、インタビューした。
「リスクマネジメント」
この1月号は[極端気象]を問題にしたが、
異常気象や地震に限らず、
感染症にもBCMが機能することになった。
イオンのBCMの歴史は、以下の年表のごとし。
1995年の阪神淡路大震災でスタートし、
2004年の新潟県中越地震、
そして2011年の東日本大震災を経て、
2014年、イオン小牧危機管理センターが立ち上がる。
そして2016年、
「BCM5カ年計画」が策定・始動した。
当然、このBCMが、
新型コロナ対策を担うことになる。
こういった仕組みがない企業は、
BCM担当をつくるのがいいだろう。
殺人が起こったら、
警視庁や警察庁に「捜査本部」が設けられる。
それと同じ機能が、
小売業、サービス業、消費産業にも、
必要になるときがくる。
今が、それかもしれない。
しかし急ごしらえの[対策本部]では、
本当の役割を果たせない。
[緊急]対策本部では、
その対策は必ず後手を踏む。
自働的に、自律的に、
動き出すチームの存在が必須である。
BCM担当セクションこそ、
一定以上の規模の企業が、
準備しておかねばならないものだ。
4月1日から、
日本の新型コロナウィルス対策も、
新しい局面に入る。
長い闘いとなる。
しかし必ず、
治療薬やワクチンは登場する。
それが希望だ。
志村けんの「弔い合戦」だ、
などといった性格の闘いではない。
自分がうつされないこと。
自分がうつさないこと。
個々の義務が発生し、
個々の責任が問われる。
もちろん不可抗力もあるし、
個人に帰する問題ではない。
しかし個人による徹底が、
社会全体の徹底となる。
では、みなさん、
気持ちをしっかり持って、
今週も、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
Good Monday!
〈結城義晴〉