2020年3月が終わる。
大変な31日間だった。
一言で言えば、
新型コロナウィルス感染が、
パンデミックとなった月。
昨年11月に中国・武漢で発生が確認され、
12月31日に世界保健機構に報告された。
1月下旬までは、
中国大陸に限定されていたが、
日本や韓国など東アジアへ拡大し、
それは瞬く間に一帯一路の先の欧州へ、
さらにアメリカ大陸へと拡散し、
南半球にまで及んだ。
その間、ジャック・ウェルチが逝去した。
ジョー・コロームも逝った。
宮城まり子さんも、
吉行淳之介の後を追った。
そして志村けんがコロナ肺炎で、
この世を去った。
いま世界レベルで、
展望が拓けていない。
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。
私がこの10年間、
言い続ける商業が提供するもの。
「明日への希望」は欠かせない。
今月の標語は、
「いつもの生活を続けよう」
それがこの、
2020年3月という月だった。
日経新聞巻頭コラム、
「春秋」
カート・ヴォネガットを引用。
米国の小説家、劇作家。
代表作は「スローターハウス5」
自説「坑内カナリア芸術論」を開陳。
「表現者は高感度だ。
ゆえに炭鉱の坑道で
有毒ガスを探知するカナリアのように、
社会の危険な変化を発信するのだ」
元ドリフの志村けんの死を、
コラムは坑内のカナリアに喩える。
山田洋次監督の次作「キネマの神様」では、
主役を演じるはずだった。
「練達の演技を見たかった」
寅さんのような、
存在感を見せたかもしれない。
私はそう思う。
そしてコロナ肺炎による志村の死は、
坑内のカナリアそのものだ。
コラムニスト。
「各国で映画館が休館し、
演劇、コンサートの
開催中止や延期が相次ぐ」
ドイツの文化メディア担当大臣。
モニカ・グリュッタースさん。
「文化は良い時にのみ与えられる
ぜいたくではない」
その通り。
文化はいつもの生活に欠かせない。
「世界は、
未曽有の危機に立ちすくむ。
こんな時こそ、
カナリアたちの歌声を守りたい」
いい本を読もう。
いい音楽を聴こう。
いい映画を見よう。
抱腹絶倒のコントも楽しもう。
いい店で買物しよう。
それがいつもの生活だ。
さて米国チェーンストアで、
大いに流行っている言葉が、
「ソーシャル・ディスタンシング」
「Social Distancing」は「社会的距離」。
コロナ感染拡大を防ぐために、
店舗従業員と顧客、
顧客と顧客が、
従業員同士が、
物理的な距離をとること。
会話をするときや列に並ぶときに、
人と人との距離を6フィートにする。
6フィートは約1.8mで2mと思えばいい。
今日の商人舎SuperNewsでも、
海外ニュースはSocial Distancingばかり。
米国小売業news|
注文殺到でネット販売の配送センター超繁忙&スト?
物流センターでは、
Social Distancingが必須だ。
「アマゾンの配送センターや、
インスタカートの社員の一部は、
今日からストライキに入っている。
彼らは、施設の一時閉鎖や
危険手当などを求めている」
アマゾンnews|
新型コロナ拡大「Amazon’s COVID-19 blog」広報作戦
米国小売業界でも新型コロナ感染で、
店舗閉鎖をしているチェーンもある。
「自社の対応状況を
ウェブサイトやブログによって
広報活動をしている」
「Amazon’s COVID-19ブログ」
このなかで物流センターが出てくる。
働く社員の健康面での安全に配慮して、
2つのことを徹底している。
第1がSocial Distancingを保つこと、
第2が施設を清掃すること。
ウォルグリーンnews|
調剤専用のドライブスルーで生活必需品の販売を開始
ドラッグストア第1のウォルグリーン。
調剤専用のドライブスルーで、
ピックアップ窓口を設けている。
その窓口で生活用品を販売する。
「このサービスは、
顧客に利便性を提供すると同時に、
Social Distancingを維持するのに役立つ」
ソーシャル・ディスタンシング。
従業員と従業員の距離、
従業員と顧客の距離、
顧客と顧客の距離。
これを意識し、徹底したい。
最後に。
今日の夕方、
私にとって衝撃的なニュースが入った。
詳細はまだ語れないけれど、
これも新型コロナの影響ではある。
心が痛い。
〈結城義晴〉