法人の訃報です。
今日、2020年4月2日、
株式会社商業界が、
自己破産を申請した。
思いが強過ぎて、
言葉がない……。
私は1977年4月1日に入社して、
2007年8月31日に退任した。
社会人としてのスタートから、
30年間、お世話になった。
編集長や代表取締役社長まで、
経験させてもらった。
ただただ感謝しかない……。
結城義晴の仕事の本籍地。
それが商業界だが、
その会社がこの世からなくなる。
故倉本長治主幹が1948年に創立し、
その思想哲学や運動原理は、
日本の近代化を推進した。
実に誇らしい偉業だ。
チェーンストア産業も、
長治先生が後押ししなければ、
成長の速度はずっと遅かっただろうし、
もっと全然違ったものになっただろう。
日本人の毎日の暮らしも、
大きく変わっていただろう。
イオン名誉会長相談役の岡田卓也さんも、
ペガサスクラブの故渥美俊一先生も、
倉本長治の十二使徒のようなものだった。
商業界と長治主幹の存在がなければ、
また違った道を歩んだに違いない。
昭和37年(1962年)に、
林周二著『流通革命』が上梓された。
メルクマールとなる同じ年に、
倉本長治は自ら、
『チェーンストアへの道』を書いている。
チェーンストアの恩人は、
「昭和の石田梅岩」と呼ばれた、
倉本長治だったのだ。
「店は客のためにある。
店員とともに栄える」
「店主とともに滅びる」
「損得より先に善悪を考えよう」
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
「お互いに知恵と力を合わせて働け」
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
それらの言葉が頭の中を、
ぐるぐると回っている。
私にいま、何か、
気の利いた言葉を期待されても困る。
その言葉すらない。
ただただ、
寂しい。
悲しい。
空しい。
そして、
感謝したい。
ありがとうございました。
ご冥福を祈ります。
〈結城義晴拝〉