結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年04月19日(日曜日)

“Stay Home!”の「獄中記」とコロナ戦争「最前線」

小池百合子東京都知事。
“Stay Home!”
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今日は一歩も外に出ずに、
家の中で原稿執筆。IMG_62120

さて。
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書きます。
速いのです。
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書いては、考える。
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しかし、やっぱり悩む。
考える。
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書くことは、考えることです。IMG_62150
そしてそれは楽しい。

朝日新聞「折々のことば」
その第1789回。

どれほど書き続けても
まだ余白がある、
そんな紙のような心を
持ちたいものだと思う。
(ドナルド・キーン随想集『黄犬交遊抄』から)

「自分の心は”一枚の紙”のようだ」
キーンさんの言葉。

「90歳を前にしてこの紙には
ずいぶん書き込みがあるが、
それでもまだまだ知りたいことがある」

凄い。

「知らないものに惹(ひ)かれる。
わからないものをわからないままに
できるかぎり正確に迎え入れたい」

編著者の鷲田清一さん。
「そのような思いが、この人が漂わせた、
こよなく折り目正しく寛(ひろ)い気配の
源にあったのか」

こよなく折り目正しく寛い気配。
私たちにも必要だ。

今日の「天声人語」
こちらも朝日新聞。

「集中して勉強するのに適した場所は
どこかと問われれば」

自宅か。
図書館や喫茶店か。
「めったに入る機会はないけれど、
ここもなかなかいいと言われる場所」

「監獄である」

おお。

大正期のアナーキスト大杉栄は、
何度も監獄に入れられて、
その獄中の時間の多くを語学にあてた。

「”一犯一語”を目標に、
国際語エスペラントから
イタリア語、ドイツ語と続けた」
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著書『獄中記』に書いている。
「6カ月目には辞書なしで
かなり読めるようになるものだ」

あれも読みたい、これも読みたいと考える。

大杉。
「どうかしてもう半年
増やして貰もらへないものかなあ、
なぞと本気で考へるやうになる」

コラムニスト。
「逆境でも、ユーモアを失わない人である」

今の私たちに似ている。

「ここは獄中の
大杉の境地に立ってみるのも
悪くない」

同感だ。

しかしこのコロナ禍。

売場に立つ商人たちは、
幸か不幸か監獄の中にはいない。

いるのは戦場だ。
それも最前線である。

日経電子版「経営者ブログ」
宮内義彦さん。
オリックス㈱シニア・ファウンダー。
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「新型コロナ対策は今や、
戦争だと言われています」

「国家と国家が戦うのではなく、
人類全体が見えざる敵を迎え撃つ、
これまでに経験したことのない
“新しい戦争”に突入したのです」

「この戦争は、
人類対新型コロナの
全面対決」

国と国との戦争のときには、
獄中にいることなど許されない。

が、不思議なことに、
今回の対コロナ戦争の、
前線以外の「後方の役割」は、
獄中で耐えることに似ている。

宮内さん。
「どんな課題に挑戦するにも、
先制する、
総力をあげる、

この2点は鉄則です」

「小出しの対策や時間の遅れは、
致命的なダメージとなります」

戒めるべきは、
「too little, too late」
「少なすぎるし、遅すぎる」

「国の総力を挙げて
切り抜けるべきだと信じます」

それは戦場の最前線と、
後方の獄中での忍耐。

宮内さんは指摘する。
「今回の戦いの
経済面における被害者は
国民全体といえ、
そのなかでもサービス産業と
その関係者が徹底的に
犠牲となっています」

小売サービス産業だ。

「まずすべきことは、
これら国民や企業を救うことです。
複雑な手続きなしに、
早急に現金が手渡されねばなりません」

財政側が難色を示している。
しかし、宮内さん。
「古今東西、非常時においては
財政への配慮は二の次、三の次、
いや配慮しない場合が多いのです」

通常、戦争の費用は、
破壊のために用いられる。

しかし、
「”コロナ戦争”で必要な費用は、
感染の防止と生活の補てんが目的です。
すべて建設的な経費なのです」

「私は、これら経費は
何ら躊躇することなく支出し、
勝利を目指すべきだと強く思います」

まったくその通り。

コロナ戦争の最前線にも、
後方で耐える獄中にも、
躊躇することなく支出することだ。

今、考えたり、書いたりしていると、
必ずここに至る。

折り目正しく寛い気配でいると、
必ずコロナ戦争の闘い方を考える。

最前線も後方の獄中も、
心を一つにしたい。

〈結城義晴〉

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