沖縄タイムズ。
昨日の巻頭コラム「大弦小弦」。
タイトルは、
「聞いたら書く シンプルに」
「昔は”書かない大記者”と
呼ばれるような先輩がいた」
「その一人は大物と親しく、
一目置かれていた」
全国紙も地方紙も、
政治記者や経済記者には、
こういった人がいた。
「でも、
この大物に絡む事件が発覚して
騒ぎになった時、こう言って
周囲をあぜんとさせた。
“知っていたよ”」
コラムが話題にしたいのは、
賭け麻雀の3人の新聞記者のことだ。
前にも書いたが、
私は一度もこの類の麻雀を、
したことがない。
「産経新聞記者、朝日新聞元記者の3人も、
多くを知っていたはずだ。だが、
黒川氏の処遇が焦点になった局面で、
記事に生かされた形跡はない」
「権力の思考を知り、
監視するためには
懐に飛び込む必要がある」
権力に限らない。
経営の本質を知るには、
時には懐に飛び込むことも必要になる。
「しかし、目的はあくまで
ミイラを取ることで、
同じミイラになって
秘密を共有するのでは本末転倒だ」
コラムニストは述懐する。
「距離感はいつも悩ましく、
尊敬する記者の言動を胸に刻んでいる」
この権力者とのディスタンシングは、
ジャーナリストとって、
極めて重要なポジショニングである。
コラムニストが胸に刻むこと。
「シンプルなこと。
重大な情報を得たら書く」
政治記事と経営記事は、
その意味では異なる。
そして倉本長治の”血”を引く結城義晴は、
暴露記事は断じて書かない。
しかし重大な情報や考え方を得たら、
何らかの形で表現する。
知恵や教訓として書く。
「賭けマージャンを報じ、
黒川氏を辞職に追い込んだのは
週刊文春だった」
そして3人の記者は、
書かれる側に回った。
コラムニスト。
「新聞や権力取材は、
社会に必要なのかが根本的に問われる」
「情報が命と直結することを
誰もが痛感するコロナ時代。
メディア淘汰の波は
これまで以上に高い」
同感して、自戒としたい。
今日は午後から横浜線に乗って中山へ。
㈱アイダスグループ。
代表取締役はわが盟友・鈴木國朗さん。
㈱ダイヤモンド・リテイルメディアの、
幹部の皆さんと懇談。
左が鈴木さんで、
私の隣は石川純一さんと平井俊之さん。
石川さんは代表取締役社長で、
平井さんは取締役。
それ以外にも二人の局長。
編集局長の千田直哉さんと、
流通マーケティング局長の味方和也さん。
ダイヤモンド・リテイルメディアは、
「ダイヤモンド・チェーンストア」を発刊している。
かつては、
㈱ダイヤモンド・フリードマン社と言った。
雑誌名も「チェーンストアエイジ」だった。
4年ほど前に現社名に変わり、
現媒体名に変更された。
そのころから石川さんは社長だ。
私ももう40年くらいの付き合いか。
かつての社長の岩﨑幸久さんは、
通称「ガンさん」といって、
流通業界の名物ジャーナリストだった。
今もFacebookで友達だ。
かつての常務取締役の鈴木悟さんは、
私とほぼ同年代でもあって、
ゴルフを含めて、
あれやこれやとご一緒した。
㈱ストアーズで編集局長を務めた、
故風間晃さんと三人で、
座談会やセミナーに出た。
㈱アーマジャパン代表の故西村哲さんは、
元「チェーンストアエイジ」の編集長で、
コーネル大学MBAに入学中から、
私は西村哲担当だった。
㈱商業界の「販売革新」や「食品商業」は、
会社の自己破産で一応、廃刊となった。
私はこちらの社長や編集長を務めて、
「チェーンストアエイジ」は、
いわばかつてのライバルだ。
それでも現在は全くそんな関係ではない。
現下の情勢など情報と意見を交換した。
もちろんフィジカルディスタンシング。
有意義な時間だった。
ありがとうございました。
その後、鈴木さんと懇談。
スーパーマーケットやチェーンストアの、
ポスト・コロナのあり方などを話し合った。
終りに近づいて、
「これ、やりましょう」
「ええっ?」
「まえにも、やったでしょう」
2018年12月20日。
「えへへ」
「はやく、はやく!」
Go! Go! ポーズ。
「じゃあ、こんなもんで、
許してください」
ありがとう。
さて昨日と今日の、
商人舎流通SuperNews。
2つの協会統計。
4月外食産業統計|
全体で60.4%/ファストフード84.4%・パブ4.1%
4月の外食全体の売上高は60.4%。
意外に健闘した。
しかし調査開始以来最大の下げ幅。
パブの売上げは前年比4.1%、
居酒屋は9.7%。
これはマイナスの数値ではない。
それぞれ前年比95.9%減、90.3%減。
ディナーレストランは16.0%、
喫茶は27.6%。
おおよその見当はついていても、
こうしてデータを見ると愕然とする。
数字で確認することの意味は大きい。
しかしファストフードは、
84.4%に踏みとどまった。
とくに洋風ファストフードは102.8%、
マクドナルドに代表されるものだ。
コンビニ以上。
ファストフードは他業態に比べて、
従来からテイクアウト、宅配、
そしてドライブスルーなどの、
「持ち帰り」需要に対応する、
基盤を整えていた。
これが重要なことだ。
ただし外食全体は60.4%だから、
残る4割は食品小売業に行った。
凄い量だった。
5月はさらに凄い。
一方、
4月百貨店統計|
前年比売上高73%減/統計開始以来最大の減少率
前年同月比72.8%減。
3月の33.4%減からさらに、
39.4ポイントダウン。
こちらも1965年1月の統計開始以来、
最大の減少率だ。
百貨店のインバウンドは、
客数99.5%減、売上高98.5%減。
この業態は、
「コロナは時間を早める」の影響を、
象徴することになる。
〈結城義晴〉