結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年05月24日(日曜日)

[Sunday Go! Go! Pose]港の見える丘公園でポーズ!!

テレワークが続くと、
曜日の感覚がなくなる。

しかし、日曜日。

百貨店も営業を始めたし、
少しずつ戻りつつある。

スーパーマーケットなどは、
チラシも止めたり、
プロモーションも控えたりしてきて、
曜日感覚が薄れたかもしれないが、
メリハリは必要だ。

家から車で15分ほど走って、
横浜の元町商店街横の道を、
登り切ったところに、
交差点。
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港の見える丘公園。
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公園に入っていくと広場がある。IMG_67780

これまでならば、
観光客が押し寄せていたのだろうが、
いまはソーシャルディスタンシング。IMG_67570

展望台から港が見下ろせる。IMG_675690

といっても眼前に広がるのはベイブリッジ側。
大さん橋や山下公園は見えない。
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入口の左手にホテル。
ポートヒル横浜。
昔、友人が結婚披露パーティをやった。IMG_67580

公園入口右手は、
イングリッシュローズの庭。
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緑の柵がめぐらされて、
閉館状態。
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しかし庭園は見事。
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ピエール・ドゥ・サンドール。
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広場の左手は、
フランス山。
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木々がうっそうと茂る。
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レンガ造りの井戸。
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森林浴。
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額紫陽花が咲き始めた。
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横浜は江戸時代の幕末に開港した。
その後、イギリス軍とフランス軍が駐留。
ここにはフランス領事館があった。
その遺構跡。
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井戸水をくみ上げるために風車があった。
それが再現された「赤い風車」。
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散策するにはもってこいのスポットだ。IMG_67710

突然、木々の間にマリンタワーが現れる。
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そして大野林火の碑。
横浜生まれの明治の俳人。
白き巨船
きたれり
春も
遠からず 林火
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公園広場を右手に行くと、
「香の庭」。
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素晴らしいイングリッシュガーデン。IMG_67500

ここもコロナ禍で閉鎖中。
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しかし人が入っていないので、
「秘密の花園」のようだ。
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「秘密の花園」は、
フランシス・バーネットの小説。
1911年にが発行されたが、
植民地時代のインドを舞台に、
コレラが流行した時の物語。

バラ園に隣接してレンガの建物。
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大佛次郎記念館。
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大佛次郎の「霧笛」や「帰郷」は、
この横浜の山手を舞台にしている。
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公園の山側は広いローズガーデン。
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庭園周辺の散策路のベンチにも、
人影はない。
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元気なハーブ。
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サツキが残っている。
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バラ園の中にベンチ。
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考えてみると今は、
初夏の花が咲き乱れる季節だ。
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バラとカスケード(小滝)の庭。
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気分は最高。
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ということで、
Go! Go! ポーズ。
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白バラの群生。
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ガラシャ。
戦国大名・細川忠興の正室ガラシャ夫人の名を取った。
細川ガラシャは明智光秀の三女だ。
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赤いバラ。
タム・オ・シャンタン。
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港の見える丘公園の南の端に、
山手111番館がある。
スパニッシュスタイルの洋館。
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その隣にイギリス館前の噴水広場。
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ここでも、ポーズ。
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いい散策でした。
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からだ全体にぐっと、
力を入れて。
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もちろん反対向きでもポーズ。
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Go! Go!
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港の見える丘公園は、
1962年(昭和37年)に開園。
意外に新しい。

1948年(昭和23年)に、
流行歌『港が見える丘』が大ヒットした。
この歌にちなんで名づけられた。

港の見える丘公園から目と鼻の先に、
横浜外国人墓地。
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40カ国あまり、4400人以上の外国人が葬られている。IMG_67940

その前に山手十番館。
明治100年を記念して1967年に建てられたカフェ。IMG_67960

私の中学・高校はこの近くにあって、
毎日、山手に通った。

そんなことを思い出しつつ、
外人墓地の前で写真。
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今日の[Go! Go! Fashion Item]
ポロシャツはアクアスキュータム。
パンツはポロ・ゴルフ。
靴はEcco。
パナマハットはHABIG。
(ちなみに時計とソックスも、アクアスキュータムです)
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春から夏にかけての花の季節。
フィジカルディスタンシングの、
港の見える丘公園もお勧めです。

緊急事態宣言が解除されたら、
Weekly Managementを取り戻そう。

〈結城義晴〉

2020年05月23日(土曜日)

COVID-19の「集団免疫」と「文明のレントゲン」

COVID-19。
日本国内では、
今日5月23日午後8時時点で、
新規感染者が全国で31人。
東京都が2人、
神奈川県が5人、
そして北海道が8人。

東京は累計感染者数5138人で、
死亡者数271人。
今年2月1日時点の人口が、
1395万1636人だから、
人口比の死者数も少ない。
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今日の2人という数字は、
緊急事態宣言発令後、最少人数。

来週月曜日の25日には、
残った5都道県も、
解除されそうな流れだ。

喜ばしいことだ。
私の住む横浜市には、
まだアベノマスクは届いてないけれど。

一方、世界に目を向けると、
ジョンズ・ホプキンス大学調査。
世界中で使われている。
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今日23日(金曜日)の累計染者数は、
524万4728人。
死者数は33万8837人。

そしてまだまだ増え続けている。
21日の統計では、
1日に約10万6000人が新規感染した。

この間の経緯の中で、最多を更新。
今や感染者数のランキングは、
様変わりしている。

最新データで、
アメリカ160万4189人。
ロシア33万5882人。
ブラジル33万0890人。

ロシアとブラジルが激増している。

以下、イギリス25万5544人、
スペイン23万4824人、
イタリア22万8658人、
フランス18万2018人。
ドイツ17万9787人。

日本は緊急事態宣言が解除されても、
世界はむしろ感染拡大の真っ只中にある。

ブラジル、ペルー、チリの南米3カ国は、
1日の感染者増加数で10番目以内に入る。

これから夏に向けて南半球へ。
さらに今秋から今冬には、
再び北半球に戻ってくる可能性もある。

しかしそれでも、
治療薬とワクチンの開発が進めば、
かつてのペストや天然痘やコレラ、
インフルエンザのようになる。

「危うい動的平衡状態」を保つことになる。
スウェーデンが目指している、
「集団免疫」である。

集団の大部分が免疫を持っていると、
免疫を持たない人を保護することになる。

予防接種やワクチンは、
意図的に集団免疫状態をつくることだ。

COVID-19の集団免疫。

それまでは、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

ただし、私たちは、
コロナ前の世界に戻すことばかり、
考えてはならないと思う。

政府の「新しい生活様式」だけではない。
私たち自身で創り出す、
新しい世界もあるべきだ。

元どおりにするもの、
元どおりにはしないもの。

朝日新聞「折々のことば」
第1824回。

今からもう、
よく考えておくべきだ。
いったい何に
元どおりになって
ほしくないのかを。
(パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』から。
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イタリアの人気作家ジョルダーノ。
「感染者の数、
発生地からの距離、
マスクの販売枚数、
株価暴落で失う金額、
検査結果が出るまでの日数と、
数えてばかり」

私も今日を含めて毎日、
数えてばかりで大いに反省。

「恐怖にも浸され、
頭がいっぱいだけど、
それでも
“今までとは違った
思考をしてみるための空間”
を確保しておこう」

「コロナは今、
“僕らの文明を
レントゲンにかけている”
のだから」

僕らの文明を
レントゲンにかけつつ、
時間を早める。

だからいま私たちは、
違った思考をするときだ。
そのための空間をもつときだ。

〈結城義晴〉

2020年05月22日(金曜日)

「4密」賭け麻雀事件とZoom飲み会の「スクエア&タワー」

全国紙から地方紙まで、
新聞の一面コラムが、
麻雀一色。

東京高検の黒川弘務検事長の、
新聞記者たちとの賭け麻雀事件。
黒川検事長は辞任し、
森まさこ法務大臣は、
進退伺を出した。

「4密」と皮肉ったのが、
福岡の西日本新聞。

「当欄も記者の端くれ、
ジャン卓をともに囲むような、
さばけた検事さんには、
親近感がないではない」
結構、新聞記者の本音を書いたのが、
宮城の河北新報。
「金品を賭けないでマージャンをする人が
世の中にそれほどいるとは思えないが、
一応は違法な賭博であるのは間違いない」

朝日新聞「天声人語」は、
まだこの話題を取り上げていないし、
産経新聞「産経抄」も、
「”記者の本懐”とは何か。
自らに問わなければならない、
深刻な事態である」と神妙だ。

当の黒川検事長と雀卓を囲んだのが、
産経記者2人と朝日社員1人だからだ。

阿佐田哲也著「麻雀放浪記」を使ったのが、
日経新聞「春秋」と毎日新聞「余禄」。
誰でも思いつく、ごく普通のコラムだ。

しかし、全体にぬるい書き方だ。

記者たちもほとんど例外なく、
麻雀を「嗜んだ」ことがあるからだろう。

私は学生時代の一時期は、
「朝だ、徹夜だ」でパイを握ったが、
社会人になってから、
ほとんどやらない。

だからチェーンストアトップとも、
この40数年間、一度も、
雀卓を囲んだことはない。

ギャンブルの是非は別にして、
検察庁法改正案が問題にされている今、
世間で最も注目を集めている当該が、
この賭け麻雀事件を起こしてしまった。

COVID-19感染拡大の今、
麻雀は確かに「4密」でもある。

一世一代のチョンボ。

正義感やら怒りやら、
軽蔑やらを通り越して、
嘲笑しかない。

その意味で私の評価も、
ぬるくなってしまう。

自業自得。

ゴルフ用語にあるのが、
「スクラッチパット」。
勝負を分ける一番大事なパットだ。

そのスクラッチパットのときに、
大チョンボしてしまった。

しかし一番痛手を被ったのは、
実は検察庁である。
安倍政権ではない。

さて、
ニーアル・ファーガソン。
スコットランド出身、
歴史学者、ジャーナリスト。
スタンフォード大学フーバー研究所シニアフェロー。
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木曜日の日経新聞「コロナと世界」で、
インタビューに応じた。

タイトルは、
危機後,中国「勝者」ならず

「感染症の大流行のような危機下では、
『規模の不経済』が如実に表れる」

アメリカ合衆国や中華人民共和国、
そして欧州連合(EU)など、
超大国は機能不全をさらけ出した。

「うまく対処しているのは、
台湾や韓国、イスラエル、
アイスランドといった
比較的小さな国・地域だ」

「感染症のみならず、
あらゆる危機に対して
政府の防衛意識が高いからだ」

私は何でも、
商業やチェーンストアに喩えて、考える。

超大国は日本で言えば、
イオン、セブン&アイ。
台湾や韓国、イスラエルは、
ローカルチェーンだろうか。

「中国は感染収束後の世界で、
勝者にはなれない。
共産党の一党独裁体制の弱みが
全て露呈したからだ」
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もともと武漢から発したCOVID-19。
中国は昨年12月31日にWHOに報告した。
が、1月に入って感染が拡大し始めても、
世界に事実を隠し続けた。

「旧ソ連が1986年、
チェルノブイリ原子力発電所事故の真実を
隠蔽したことを連想させる。
習近平国家主席の指導力には
疑問符がついている」

ファーガソン。
「中国は安いマスクと人工呼吸器を贈り、
世界を救うと宣伝しているが、
懐疑的に見られている」

「中国は経済的に
他の地域より早く回復するだろうが、
国際的な地位は高まらない」

巨大な規模の組織であっても、
隠蔽の体質があれば、
世間が許さない。

ファーガソンは、
アメリカの力を評価している。
「チャーチル元英首相はかつて、
“米国はあらゆる選択肢を
やり尽くしたあとに、
常に正しいことをする”と語った。
米国のシステムは過ちから学び、
徹底的に見直す能力を備える」

「2001年9月の米同時テロ以降、
優れた防御システムを構築し、
大きなテロに見舞われていない。
コロナ危機でも同じことが起きる」

「米国は検査体制の整備遅れなど
多くの失敗を犯しているが、
感染が収束した後は
欧州や中国よりも早く問題を克服する」

「経済活動再開に欠かせないワクチン開発に
最初に成功するのはどこか。
私なら米国企業に賭ける」

巨大企業であっても、
過ちから学び、
徹底的に見直す能力が必要だ。

ファーガソン著「スクエア・アンド・タワー」
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担当編集者のメッセージ。
「過去500年にわたる世界の歴史を
“垂直に伸びる階層制”と、
“ヨコに広がる草の根のネットワーク”の、
緊張関係から読み解く」

タワーは国家や企業などで、
スクエアは革命運動やテロ組織など。

同じ組織でも、
タワー型とスクエア型はある。
私もこの見方で組織を捉えている。

さて今夜は8時から、
「まるます家同窓会inZoom」
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二度目の参加だ。

中心人物は、
竹垣吉彦さんと佐々木泰行さん。

竹垣さんは現在、
㈱イオンファンタジー常勤監査役、
兼イオンエンターテインメント㈱監査役。

佐々木さんは、
野村證券をはじめとして、
外資系の証券会社で、
小売業のシニアアナリストを務め、
現在、早稲田大学主任研究員。

会のタイトルの「まるます家」は、
東京・赤羽のすっぽんの銘店。
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かつて大手チェーンの財務担当者が、
アナリストを交えて、
情報交換会をやっていた。

そのメンバーを中心に、
今、毎週、Zoom飲み会をやっている。

今回のゲストスピーカーは、
田中雄策さんと富山浩樹さん。

田中さんは、
一般社団法人リテールAI研究会代表理事。
富山さんはサツドラホールディングス㈱社長。

イオン㈱執行役員の三宅香さんも、
今日の株主総会の大役を終えてから、
参加してくれた。

テーマは「リテールIT」で、
飲み会にはもったいないほどの、
実に有意義な2時間半だった。

私はまとめ役のような立場で語ったが、
自分でもいいことを言っている気がした。
お酒が入ったほうがいいのかもしれない。
すっかり飲み過ぎてしまったけれど。

その内容は、
このブログや月刊商人舎で書いてみよう。

イオンやセブン&アイの組織はタワー型で、
Zoom飲み会はスクエア型。

どちらも必要で、
どちらも有益だ。

片方だけではうまくない。

ただしそれでも「4密の賭け麻雀」を、
スクエア型に分類したくはない。

〈結城義晴〉

2020年05月21日(木曜日)

スーパーマーケットとコンビニの差異と「在庫は炭鉱のカナリア」

緊急事態宣言。
関西の3府県で解除された。

大阪も兵庫も京都も、
府民・県民がよく頑張った。
地方行政も健闘した。
知事たちも貢献した。
吉村洋文大阪府知事は大活躍した。
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しかし、コロナとの闘いは、
まだまだ続く。

3月16日のこのブログで書いた。
最善の経済対策は
「感染致死率抑制」と
新型コロナとの「共生」

「感染拡大のスピードと
致死率を下げる努力をしながら
共存するしかない」

山本太郎長崎大学教授。
名著『感染症と文明』
サブタイトルは「共生への道」
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COVID-19との関係は、
決して「静的」なものではなく、
危うい「動的な平衡状態」である。

日経新聞まで、
「ウィズ・コロナ」という言葉を使うが、
新型コロナと仲良く手をつないで、
生きていくのではない。
かといって撲滅もできない。

「危うい動的平衡状態」であることを、
しっかりと認識しておかねばならない。

感染症は変異し続ける。

そして5月18日のこのブログでは、
ハーバード大学提言の
「命も経済も」の二兎戦略の意味
HARVARD-UNIVERSITY

都市封鎖や緊急事態宣言と、
その段階的緩和を、
何度も何度も繰り返す作戦。
これでは経済は徐々に衰弱していく。

いわば消極的なシナリオだ。

それよりも、
日常生活に必要な産業から、
順番に経済活動を活発にしていく。
金が儲かる産業から順に、
投資活動が進んだ時代とは違ってくる。

私の考え方は今、ここに至る。
だから小売産業、流通産業、
消費産業は重大な社会的責任を負う。

21世紀は日常生活に必須の産業の時代だ。
そのサプライチェーンマネジメントの時代だ。

㈱商人舎の発足の会は、
2008年4月17日だった。

もう12年が過ぎた。

その発足の会の記念講演で、
私は4時間の講義をした。

タイトルは、
「小売流通サービス業が
21世紀の日本を救う」

0185
コロナパンデミックの時代は、
まさにそれだ。

阪神淡路大震災を凌駕するものが、
やって来るとは考えたくはなかった。

しかし2011年3月11日には、
東日本大震災が起こった。

1918年のスペイン風邪を超えるものが、
この世界に訪れるなど、
夢にも思わなかった。

しかし今、COVID-19パンデミック。

そんな有事のときにはいつも、
小売りサービス業が日本を救う。

私は予言者ではないし、
ドラッカーは予言をするな、
と言い残している。

44年間、小売りサービス業を、
毎日毎日、モニタリングしてきて、
それは私の確信となった。

さて、その小売業の4月の統計が出ている。
商人舎流通SuperNews。
4月スーパーマーケット統計|
既存店10.7%増/総売上高9830億円

スーパーマーケット3協会の、
会員企業270社の集計だ。

既存店ベースの前年同月比は110.7%。
英語ではComparableと表現する。
比較可能なデータである。

それが1割増。

緊急事態宣言による、
ネスティング(巣ごもり)の結果である。

4月は3月に引き続いて、
全国の小・中・高校が一斉休校となった。
4月7日にはまず7都府県を対象として、
緊急事態宣言が発令された。
16日にはそれが全都道府県に拡大された。

スーパーマーケットの需要は、
押し上げられた。

日配食品や加工食品、
日用品の一部カテゴリーでは、
店頭の品切れが続出した。

一方で、惣菜の既存店販売額は、
対前年比95.3%と落ち込んだ。

2013年5月31日のブログ。
超一流づくめの
ハーバード・リテール教室
「在庫は炭鉱のカナリア」

ハーバード大学の小売業研究の権威、
アナンス・ラーマン教授と、
結城義晴は共演した。
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この講演会でラーマン教授は強調した。
「在庫生産性は炭鉱のカナリア」

小売業は在庫を価値とみなし過ぎる。
事業生産性の向上のためには、
適切な在庫コントロールと、
それによるサプライチェーンマネジメントが必要だ。

複雑化する小売業において
アートとサイエンスを組み合わせた
オペレーション管理が、
一層重要である。

現コロナ禍でこそ、
アートとサイエンスの組み合わせは、
必須である。

一方、
4月コンビニ統計|
既存店前年比10.6%減/外出自粛で客数2割減

こちらは一般社団法人の、
日本フランチャイズチェーン協会調査。
㈱セブン-イレブン・ジャパン、
㈱ファミリーマート、
㈱ローソン、
ミニストップ㈱、
㈱セイコーマート、㈱ポプラ、
山崎製パン㈱デイリーヤマザキ事業統括本部。
いまや7社の統計が全体像を示す。

その4月のコンビニ既存店売上高。
前年同月比10.6%減。

来店客数18.4%減、
客単価は9.5%増。
とは言っても客単価は688.3円だ。

新型コロナ感染症拡大は、
スーパーマーケットに特需を生む。
だがコンビニには逆風となった。
セブンーイレブンが5.0%減、
ファミリーマートが14.8%減、
ローソンが11.5%減。

品揃えと価格。

両業態の差異が、
この1割ずつの明暗となった。

5月も6月も、この傾向は続く。

「在庫生産性は炭鉱のカナリア」である。

そして、
小売流通サービス業が、
21世紀の日本を救う。

〈結城義晴〉

2020年05月20日(水曜日)

「いのちの時間」とサミット桜木町コレットマーレ店開業

緊急事態宣言が残った8都道府県。
どうやら関西の3府県は、
今週中に解除される。
大阪府と京都府と兵庫県。

残るは東京都、神奈川県と、
埼玉県、千葉県。
そして北海道。

もう1週間待つのか、
それとも5月末まで続くのか。
6月も継続されるのか。

わからない。

高校野球の夏の甲子園大会も、
残念ながら中止となった。

私は小学生にソフトボールを教えていた。
チームの監督だった。

リーグの選抜合同チームには、
コーチとして参加した。

小学校でソフトボールを経験し、
中学から硬式ボールのシニアに上がり、
高校で硬式野球をやって、
甲子園を目指す。

小学校では3つの野球の道がある。
リトルリーグで最初から硬式野球をやる者、
軟式野球をやってから硬式に転向する者。
そしてソフトボールをやる者。

ソフトボールは、
実は硬式野球とボールの重さが似ている。
塁間も短いのでスピードは、
軟式以上だ。

だから私の地域では、
ソフト⇒シニア⇒高校野球が、
ひとつのルートだった。

10年以上も教えていたリーグのなかで、
高校生となって甲子園大会に出場できたのは、
たった二人だった。

そのうちの一人が、
幸運にもプロ野球投手になった。

千葉マリーンズの大谷智久。
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しかし大谷も異例中の異例のことだ。

どれだけ多くの子どもたちが、
甲子園を目指して研鑽し、
勝負に敗れて去っていったことか。

今年は初めからそれが望めない。
本当に残念だろう。

しかしCOVID-19は人の命を奪う。

たとえ野球と言えども、
命とは代えられない。

糸井重里さんのほぼ日。
巻頭言は「今日のダーリン」
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「いのちとは時間のことなのだ」

「いい時間を過ごすということは、
いのちをよろこばせるということになる」

「牢獄に入れられて、
身動きとれない時間。
つまり、それはいのちが
拘禁されているわけだ」

「テレビを見ながら、
悪態ついている時間。
つまりそれは、いのちを、
そういうふうにつかっている」

「あくびしている時間、
いのちがあくびしている。
眠っている時間、
いのちが眠っている。
おいしいものを食べている時間、
いのちが食べている。
だれかを思っている時間、
いのちが思ってる」

「”あ、もう時間がないね”というときには、
その場でつかえるいのちが、
もうないということ」

「たっぷり時間があって
なにかするときには、
たっぷりのいのちを
そこに込められるはずだ」

甲子園で野球をしている時間は、
いのちが野球をしている。

「年を取ると、
残された時間が少なくなる。
それはそのまま、いのちが
少なくなるということだ」

「手仕事のなにかを、
人がありがたがるのは、
そこにかけた時間のぶんだけ、
いのちを受けとるから」

「あっというまに
時間が経ったというときには、
いのちが余計なことを気にせずに
燃えたときだね。
大好きな人といて、
もっとずっといたいというのは、
たくさんの時間、いのちを
その人と費やしたいからだ」

「時間って、みんなに
同じくらい配られているのに、
ずいぶんもったいなく
つかっちゃうものだよねぇ」

「逆に、うまくたのしく
つかっている人もいる。
そういう、つかったいのちの記憶が
人生と呼ばれる」

野球でもラグビーでも、
ギターで絵画でも。
仕事でも勉強でも、
いのちの時間を燃やしたい。

そうすれば、
甲子園の時間は取り戻せる。

きっと。

さて今日は朝から、
横浜商人舎オフィス。
何時ものように車でやって来て、
㈱True Dataのオンライン役員会。IMG_66190

月刊商人舎5月号。
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True Dataに協力してもらって、
12ページの記事が出来上がった。
コロナ禍の日本商戦を
ビッグデータで読み解く
スーパーマーケットとドラッグストアの商売は変容した!

小売業にもメーカーにも、
大好評だった。

それも役員会で話題になった。IMG_66200

役員会の後は、
横浜の桜木町へ。

駅前のショッピングビル「コレットマーレ」
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奥はランドマークタワー。DSCN95170

JR桜木町駅から出てくる。IMG_66320

サミットの看板と地下へのエスカレーター。IMG_66240

今日はここからは入店できない。DSCN94970

実は私は個人的に、
月に2回ほど、
コレットマーレに通っている。DSCN94990
ここに今日、サミットストアがオープン。

サミットnews|
開業延期のサミットストア桜木町コレットマーレ店5/20開店

4月18日のオープン予定だった。
しかしコロナウイルス感染拡大のとき。

サミットはオープンを自粛した。

そしてほぼ1カ月後の今日。
満を持して、静かにオープン。

コレットマーレに入っていくと、
ガードマンがいて、
フィジカルディスタンシングをお願いしている。
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緑色の三角コーンが並んでいて、
そこに一人ずつ立って距離を保つ。IMG_66340

エスカレーターも、
フィジカルディスタンシングで、
地下1階の入り口へ。  IMG_66630
サミットの顧客は、
サミットの社風に似ているのだろうか、
とても規律正しくて行儀がいい。

だからコロナ禍のオープンだが、
混乱は全くない。

この入り口の配置がいい。
「サミット」の大きなロゴのうしろは、
一丁目一番地。
ホールフーズのような、
コーナーの組み合わせ。
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正面がインストアベーカリー。IMG_66620

その右に花と地場野菜。IMG_66540

そして本格的青果コーナー。IMG_66490

一番右が「フルーツ&サラダ」。
カットフルーツとカット野菜。IMG_66660

青果部門の中にバルクコーナーを設けた。IMG_66500

店は右側からぐるりと回れば、
青果⇒鮮魚⇒精肉⇒惣菜⇒レジとつながる。
その間に日配品とグロサリーが配置される。

一種のワンウェイコントロールで、
自然に回っているうちに全店を巡れる。

ヨーロッパのスーパーマーケットのようだ。

「Fresh Catch」と名づけられた、
鮮魚のシースルー売場。IMG_66510

天井はスケルトン。IMG_66520

スケルトンだから、
この紫色の屋根をつけるだけで、
一つのショップが出来上がる。IMG_66560

奥正面はGrill Kitchen。IMG_66590
GrillKitchenの隣に出入り口があって、
ここにもチェックスタンドが設けられている。
そしてこのレジはサッカーサービス付きだ。

惣菜売場には「おためし下さい」コーナー。
現在はサンプル商品は並べられていない。IMG_66430

惣菜売場のおにぎり。IMG_66450

冷凍食品は四角く仕切られていて、
ホールフーズのギルマン店のようだ。IMG_66460

こちらのレジはセミセルフ。
仕切り版が付けられて、
これもフィジカルディスタンシング。IMG_66470
サミットらしい、いい店だ。

入り口で宮島さんに会った。
ブロック/担当役員付。DSCN95060

それから赤迫伸一さん。
執行役員店舗サポート部マネジャー。DSCN95090
取材ではなくて、オープン日の買物。

スーパーマーケットでのショッピングは、
大切ないのちの時間である。

〈結城義晴〉

2020年05月19日(火曜日)

「自発的隷従論」と「社畜・グライダー商人」の「卵を割る」

ドナルド・トランプ大統領が、
ヒドロキシクロロキンを、
毎日、服用している。
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この薬は抗マラリア剤であり、
マラリアの治療や予防に用いられる。

投与された症例から報告も多い。
重篤な、生命を脅かす副作用がある。
失神、心停止、突然死、心筋症、
さらに網膜症などなど。

ただのMr.トランプならば、
あんたの勝手でしょ! で、
済むかもしれない。

しかしプレジデントとなると、
万が一、副作用が出たら、
一気に国家の危機がやって来る。

喩えは悪いかもしれないが、
テロリストをホワイトハウスに、
招き入れるようなものだ。

誰かすぐに止めさせられないのか。
大統領とはそんなにも裸の王様なのか。

もちろん当人の無知蒙昧ぶりは、
これまでも何度も報じられている。
コロナ治療法として、
「紫外線か非常に強い光を体内に当ててみてはどうか」
「消毒液を注射してみたらどうか」
「興味深いと思う」

驚くべき大統領だ。

日経新聞「大機小機」
コラムニストは辛口の一直さん。
安倍政権支える「自発的隷従」

「39県の緊急事態宣言が解除され、
政府の新型コロナ対策は
第2段階に入ったが、
横浜市の筆者宅には
いまだにマスクは届かず、
10万円一律給付の便りもない」

横浜市の拙宅にも、
どちらも届かない。

「これは政府の不手際を示す
ささやかな一例にすぎないが、
独りよがりの政策決定、
行政の緊張感欠如、
強権的な政策遂行など、
このところ安倍長期政権の問題点が
鮮明になってきているように思う」

同感。

「今回の検察庁法改正のごり押しは
最近の典型例であろう」

同感。

「それでも政権交代を求める強力な勢力は
どこからも現れてこない」

なぜだろうか。

ここで一直氏は、
「自発的隷従論」を持ち出す。
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ著。
(西谷修監修・山上浩嗣訳、筑摩書房)
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この本の著者は16世紀のフランス人で、
有名な思想家モンテーニュの親友だった。

なぜ人々は権力者に従うのか。
「彼の論理によると、
人々は強制されて従うのではなく、
自発的に従うのである」

その理由は、
「自分が得をするからだ」

なるほど。

「まず数人が権力者の信頼を得る。
この数人は権力者に尽くし、
それによって甘い汁を吸う。
この数人のそれぞれが、
甘い汁を吸う人間を数人抱える」

「この連鎖が続いて
圧制者の権力システムができあがる」

会社組織にも、団体組織にも、
このメカニズムが働くことがある。
いや会社や団体こそ、
この構造で動くことが多い。

一直氏はこの自発的隷従論を、
今の日本の政治に当てはめる。

まず「官僚」。
「2014年に、
安倍内閣の下で内閣人事局が発足、
審議官以上の高級官僚の人事が
官邸主導で行われることになった。
これにより官僚の自発的隷従システムが
完成したといってよい」

森友問題の官僚の忖度(そんたく)行為も、
加計問題や「桜を見る会」の役人たちの動きも
ここから発生する。

そして政治家も。
「実は政権与党の自民党の内部でも、
同様の行動原理が働いているのではないか」

「小選挙区制となって、
派閥はなくなったといわれる」

「かつては内閣の運営に問題が出ると、
自民党内部の派閥の有力者から
政権批判が出て、首相が交代する
というのが普通だった」

コラムニスト。
「こうした与党内部の自浄機能が消えうせている」

そして最後に、
「われわれ国民も、
自発的隷従から
自由な立場にいるのかどうか。
一人一人、真剣に問い直してみたい」

私も思う。

そのためには、
自分が属する会社において、
自分が属する部署において、
自分が属する団体において、
自発的隷従から自由でいるかどうか。

それをまず、問い直してみることだ。

アメリカ合衆国の政府や与党共和党でも、
この自発的隷従現象が起こっている。

だからプレジデント・トランプは、
誰に止められることもなく、
平気でヒドロキシクロロキンを飲んでいる。

自発的隷従が起こると、
隷属する者は、
隷属させられる者に対して、
意外なほど無責任だからである。

会社における自発的隷従を、
安土敏さんは、
「社畜」と呼んだ。

商売における自発的隷従を、
結城義晴は、
「グライダー商人」と言う。

ラ・ボエシは、
「なぜ、人は自由を欲さないのか」
という問いに解を与えている。

「自由は欲するだけで、
得られるから」

自由はだれでも、どこでも、
手に入れようと思えば得られる。
獲得があまりにたやすいから、
逆に人々は自由を欲しない。
パラドックス。

ラ・ボエシはこの本の最後に語る。
「圧政者とその共謀者に対する格別の罰を、
神が来世で用意してくださっていると、
私は確信している」

「私はまちがっていないだろう。
圧政ほど、完全に寛大で善なる神に
反するものはないのだから」

最後に日経新聞の最終面「私の履歴書」
今月は女優の岸恵子さん。
コロナ・パンデミックのなかでも、
読める。
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「君の名」「忘れえぬ慕情」「雪国」など、
女優としての地位を確立していたが、
フランス人監督のイヴ・シァンピと、
結婚するためにパリへと旅立つ。
25歳の1957年。

「女優としての私、祖国、両親、
愛してきたすべてのものへの決別」

そのとき、心に刻んだのが、
夫となるシャンピの言葉。
「人の一生には何度か
二者択一の時がある」

「卵を割らなければ
オムレツは作れない」

「オムレツは食べたいけれど
卵を割りたくないという未練がましさは
私にはなかった」

自由になるとは、
自ら卵を割ることだ。

欲するだけで、
誰にでもできる。

〈結城義晴〉

2020年05月18日(月曜日)

ハーバード大学提言の「命も経済も」の二兎戦略の意味

Everybody! Good Monday!
[2020vol⑳]

2020年第21週。
5月第4週。

今週も㈱商人舎はテレワーク実施。
ただし、私はほぼ毎日、車で出社して、
手紙やファックス、留守録の電話を、
チェックする。

そして、
商人舎流通スーパーニュース。
小売流通業の主だった企業が、
毎日のように発信するニュースリリースを
商人舎編集部が記事にする。

それを私が最終チェックし、
これはというニュースには、
【結城義晴の述懐】を書く。

この【述懐】は㈱商業界時代、
取締役編集統括を兼務して、
販売革新誌編集長を務めていたころ、
インタビューの最後に一言、
書いていたもの。

現在の月刊商人舎でも【述懐】を書くし、
流通スーパーニュースでも書く。

今日の商人舎スーパーニュースでは、
明治屋news|
高島屋横浜店内「明治屋横浜西口ストアー」5/18増床オープン

なんと今日、横浜高島屋に、
明治屋ストアーがリニューアルオープン。

早速、行ってみた。

ダイヤモンド地下街はまだ、
シャッター通り。

奥に横浜高島屋地下1階の売場がある。IMG_65960

その食品売場の一番先頭に、
明治屋横浜西口ストアー。
IMG_65910

43坪のグロサリーストア。IMG_65930

明治屋の高級加工食品と、
チルド食品、冷凍食品。IMG_65940
新たに設けられたのが、
「Tea & Coffee Cellar」。
紅茶・コーヒーの有料試飲コーナーもある。

高島屋横浜店食料品フロアも、
来2021年春に約1.5倍に拡張される。

横浜高島屋も今日から、
食品以外のフロアが営業開始。
徐々に様々な小売業でも、
営業が再開される。

さて今日もCOVID-19感染。

昨日の日曜日は全国で新規感染者29人、
これで国内感染者は1万6358人となった。
昨日のコロナ関連の死者数は8人で、
合計756人となった。

ご冥福を祈りたい。

大阪府が0人で3月9日以来。
東京都が5人、神奈川県も埼玉県も5人、
北海道だけが8人。

特定警戒都道府県の千葉県・京都府も0人。
も確認されなかった。

神奈川県は5人とも、
横浜市内の病院関係者だった。
つまり感染経路が特定された。

気分は少し、晴れやかだ。
しかし、油断は禁物。

コロナ軍はあくまで科学的、合理的。
弱いところを突いてくる。
隙があると責められる。

日経新聞「オピニオン」
上級論説委員の西條都夫さん。

「命か経済か」の
二者択一ではなく、

「命も経済も」の
二兎戦略。

ハーバード大学倫理センターが、
4月に提言している。
「パンデミックに強い社会への道」
HARVARD-UNIVERSITY
1日500万件以上の検査態勢を確立し、
社会基盤を担う職場から順に、
正常に近づけていく発想だ。

その職場の第1フェーズは、
エッセンシャル・ワーカー。
医療従事者や、
スーパーマーケットの店員、
電気・水道などライフラインを担う人、
警察官・消防署員など。

「全労働者の4割にあたる人に、
繰り返し各種検査を実施。
陽性者は公的な所得補償をした上で隔離し
職場には感染者がほぼおらず、
安心して働ける環境を整える」

第2フェーズは、
日用品の生産や食堂、公共交通など
日常生活に必要な機能を提供する人々。
約3割の人に検査対象を広げる。

その後、第3フェーズは、
美容院など遠隔では難しいサービス。

最後に第4フェーズが、
オフィスワーカー。

第1から第4へと、
徐々に検査範囲を拡大しつつ、
産業の機能を充実させていく。

ただし、ハーバード大学の提案は、
大量検査が軸になっている。

そのうえで行動変容を持続させ、
接触追跡アプリを活用すれば、
「感染の再爆発を招くことなく、
米経済は8月には回復軌道に戻せる」

このために必要な費用は、
検査の継続を含めて2年間で、
500億~3000億ドル。

しかし、
「都市封鎖と緩和を何度も繰り返し、
経済が徐々に衰弱していくシナリオより
はるかに安上がりで、
多くの命と経済を救える」

あくまでアメリカの場合だが、
日本でもこの考え方は当てはまると思う。

小林慶一郎慶応大経済学部客員教授。
「医療目的に加え、
社会の不安を取り除くためにも
大量検査と隔離を活用すべきだ、
というのがハーバード提言の主眼だ」

コロナ軍が、
科学的・合理的に攻めてくるからには、
こちらも科学的・合理的に、
大量検査で敵を突き止め、
隔離政策を徹底的に活用するしかない。

第1がエッセンシャルワーカー、
第2が日常生活に必要な機能。
第3がサービス業、
そして第4がオフィスワーカー。
この順に全検査をし、感染者は隔離する。

治療薬も少しずつ出てきた。
ワクチン開発は最短でも、
2年はかかるだろうが。

それまで一般の人々は、
フィジカルディスタンシング、
そしてマスクと手洗い。

つまり、
日常生活に必要な産業から、

順番に経済活動を活発にしていく。
金が儲かる産業から順に、
投資活動が進んだ時代とは違ってくる。

これが「命も経済も」の二兎戦略だ。
すなわち〈命に近い産業から〉
私はこれが21世紀の人類の軌道だと思う。

ハーバード大学は8月と提言する。
日米ともにそれは難しいかもしれないが、
二兎戦略こそポジティブ思考である。

では、みなさん、今週も、
命に近い産業を守ろう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


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