梅雨入りして雨。
緑の葉に雨粒が滴る。
梅雨の花。
アジサイは、
アジサイ科アジサイ属の落葉低木。
ホタルブクロも。
「蛍袋」はキキョウ科の多年草。
初夏に大きな釣り鐘状の花が咲く。
今日の朝日新聞「天声人語」。
「アジサイ、クチナシ、柿の花……。
どれも夏の湿潤な季節に咲く花である」
そして随筆家の増田れい子さんの文章。
梅雨の花々を表現する。
「思いをこめて
しかし決して
声高にではなく、
むしろ抑え気味に
花となるように
思えてならない」
コラム。
「ひそやかな感じが
逆に強い印象を人の心に刻む。
いわば”マイナスの効果”
というようなものを、
この季節の花たちは
身につけている」
いつもいつも、
花を観察し、愛でる。
そんな心の余裕を持ちたい。
自由が丘の花屋。
MONCEAU FLEURS。
傘の花も咲く。
東京アラートが解除され、
ステップ3となって、
傘の花も咲き乱れる。
東急ストア自由が丘店。
バナーは「フレル・ウィズ」に変わったが、
大繁盛。
それにしても小池百合子。
東京都知事。
小賢しいというか、
機を読み過ぎるというか、
それがまた見えてしまうというか。
このタイミングで、
都知事選挙への立候補を表明した。
来週6月18日に告示され、
来月5日が投票日だから、
ギリギリまで待ったのだと思う。
しかしそれでも、
コロナとの闘いの方が、
都知事の地位なんかより大事だ。
それがにじみ出るような態度が必要だ。
立候補の準備は入念にやるべきだ。
しかし18日の告示日に表明してもいい。
「小賢(こざか)しい」とは、
ずるくて抜け目がないこと。
そのためのアラート解除だったか。
ステップ3宣言だったのか。
そう思われてしまうし、
その通りなのだろう。
「希望の党」のときにも、
それが露わになって失速した。
別に、同じ年だからといって、
小池さんを支持しているわけでもないし、
不支持でもない。
私はいつも「是々非々」。
東京は昨日の12日も、
25人の新規感染者を出している。
全国56人の4割強。
まだまだ。
立候補のために、
アラート解除するとしたら、
コロナにとっては、
絶好の「敵失」となる。
政治家とはもともと、
小賢しいものなのかもしれない。
しかしこの小賢しさが、
知らず知らずのうちに、
小売業やサービス業に、
伝染してしまうことを、
私はいちばん恐れる。
人々は「店」を求めている。
MONCEAU FLEURSにも、
フレル・ウィズにも、
次々にお客がやって来る。
ありがたいことだ。
しかし店は、
小賢しくてはいけない。
機を読み過ぎてはいけない。
またそれが顧客に見えてしまっては、
なおいけない。
「思いをこめて
しかし決して
声高にではなく、
むしろ抑え気味に」
店とならねばいけない。
結城義晴著『Message』より。
嘘をつく店
「この店は滅びる」
倉本長治は言い放った。
よほど腹が立ったのか、
それともひどく悲しかったのか。
私も近頃、
そんな気持ちになることがある。
客を平気で待たせる店。
買いたい品が見つかりにくい店。
欲しいものが品切れしている店。
買った商品が傷んでいる店。
きたない店。
一番いけないのは、
嘘をつく店。
「安い」と「良い」とは、
突き詰めると同じことだ。
品質が同等で価格が低い状態を
「安い」といい、
価格が一定で品質が高い状態を
「良い」という。
ただし、「安い」も「良い」も、
嘘をつかない店でのことだ。
客を待たせない店、
分類と陳列の整った店、
欠品のない店、
品質のしっかりした店、
きたなくない店、でのことだ。
「安いよ、安いよ」と
大声を張り上げている者にかぎって、
嘘つきの店がある。
きたない店が多い。
そしてこんな店には、
「買物の得」はあっても、
「生活の得」はない。
「暮らしの得」を提供する店を、
「デスティネーションストア」と表現する。
競争はやがて、
賢い消費者を
多種多数、誕生させる。
逆に、競争者自身は
多産多死の状態に陥る。
しかし、それは
良いことなのだと思う。
進化を意味するのである。
だから私もこう言い切ろう。
嘘をつく店など、滅びてしまえ。
永遠に、この地上から無くなれ。
〈結城義晴〉