大阪にやって来て、今朝は9時から、
万代知識商人大学第5期の講義。
第1期は2015年にスタートした。
スーパーマーケット業界初の、
企業内大学だった。
将来の幹部候補生を30人ほど選抜して、
1年間、大学院レベルの教育をする。
すでに第4期まで終わって、
120人ほどの修了生を輩出。
修了生は営業本部や管理本部の、
中枢を担う職責についている。
第5期生も30人。
しかしコロナの影響で、
3月に開講講座を設けたあと、
4月と5月は休講して、
6月に再開した。
今日の第3回講義のテーマは、
「Human Resource Management」
私の言葉で言い直すと、
「戦略的人間力経営」
一番初めは学長の結城義晴の講義。
マネジメントの体系図を説明して、
万代知識商人大学の、
カリキュラムの本質を明らかにした。
今日の社内講師は河野竜一さん。
万代人事・監査部門担当取締役。
河野さんは、
万代で起こった様々な事件を事例にして、
労務管理の基本と応用を語った。
さらに管理職に求められる責任とその心構えを、
万代らしく講義してくれた。
講義が終わって、河野さんと写真。
ランチは5期生の8人と、
お弁当を食べながら懇談。
ここでも1年間の学び方をレクチャーし、
質問を受けた。
知識商人大学の司会は、
人事部マネジャーの津田睦さん。
津田さんは第1期生の級長でもあって、
この企業内大学の事務局を担当。
午後は結城義晴が、
出ずっぱりで連続講義4時間。
ヒューマンリソースマネジメント理論の、
歴史と変遷を整理する。
その中でヘンリー・フォードが、
オートメーションを発想したエピソードが面白い。
フォードは、
食肉の解体工場を見ていて、
自動車製造のオートメーションを思いつく。
手振り身振りで、
41年前にロサンゼルスで経験した、
パッカーの話をする。
1頭の牛が解体されて、
部位ごとのパーツに分けられ、
パッキングする。
フォードはその過程を、
反対に設計すれば、
自動車工場ができると発想した。
マネジメント理論を説明して、
最後はピーター・ドラッカーと、
ケン・ブランチャード。
そのコミュニケーションと、
リーダーシップの手法。
講義の中で、
自分のリーダーシップスタイルに関して、
手を挙げてもらう。
最後に指名して、
それぞれに発表してもらう。
まずは級長の磯部出さん。
ドライグロサリー部マネジャー。
そして長岡篤史さん。
惣菜部バイヤー。
途中から発表したい人に、
今日の講義に関して、
自分なりの理解や解釈を語ってもらう。
私の講義が全部終わると、
万代社長の阿部秀行さんに、
最後の講話をしてもらった。
コロナのなかでの仕事と学習に関して、
阿部さんは的確に動機づけをしてくれる。
お疲れ様。
Human Resource Management講義、
毎年、人気の講座だが、
無事、終了。
講義が終わると、
幹部の皆さんとの懇親。
料亭久恵へ。
万代の子会社で、生田区の今里新地にある。
まずは突き出し料理。
1品ずつテーブルに出てくると、
料理長がやって来て説明してくれる。
久恵の女将と万代副社長の不破栄さんが、
今日のためにコース料理を全部味見して、
1品ずつに注文をつけてくれた。
それを堪能した。
鍋は鱧のしゃぶしゃぶ。
メインは牛タン西京焼き。
河野さんと乾杯。
芝純常務取締役と女将の山下幸恵さん。
万代の秘書室勤務だが、
志願して子会社の料亭の女将となった。
これが絶品、鰻蒲焼天ぷら。
鮪の海苔巻きとトロロ梅肉かけ。
そして肉寿司と赤だし。
最後は久恵始まって以来のデザート。
すべて不破さんが食べて、
改善改革を試みた。
有難い。
その不破さんが後列真ん中で、
全員写真。
阿部さんにホテルまで送っていただいて、
腕組みで写真。
私は4日連続で、
4時間くらいずつの講義。
しかし体力には自信がある。
また、講義ができるようになった。
それがうれしい。
最後に朝日新聞「折々のことば」
今日の第1877回。
「地味なことは打たれ強い」
(福岡の惣菜店店主)
編著者の鷲田清一さん。
「近所の居酒屋は
“悔しさ”の滲(にじ)む張り紙をして
大半が休業」
「そんななか
“お酒の飲める惣菜屋”を営む夫婦は
テイクアウトでしのぎ、
別の店のそれを買って助けもする」
「ワイン一杯注ぐほうが稼ぎはいいが、
地道に惣菜や弁当を
つくり続けてきたことが
今は生きている」
(清掃員・薬剤師・漫画家ら多業種の人たちが
日々を綴った『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』から)
スーパーマーケットという業態にも、
万代という年商3583億円の会社にも、
当てはまることだ。
地味なことは打たれ強い。
それは一人ひとりの、
仕事と学習によって、
支えられている。
〈結城義晴〉