1週間前の土曜日。
7月25日の「ほぼ日」。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
巻頭エッセイは「今日のダーリン」
糸井重里さんが毎日、書き続ける。
この日は「モテたいの原理」をレクチャー。
「幼稚園児から、少年から、
青年から、中年から、
ひょっとすると老人にいたるまで、
男たちは、ずっと
“モテたい”という
とんでもなく太いテーマを
抱え格闘している」
この「モテたい」のテーマは、
一貫して「ほぼ日」が考え続けている命題だ。
そのためにカリスマホストと対談したり、
テレビプロデューサーと話し合ったり、
相当の努力をしてきた。
「”モテたいです”と言う青年に
たくさん会った。
じぶんだって、
“モテたい”ということに
ずいぶんのエネルギーを
つかってきたと思う」
人間が生きる動機の一つ。
「”モテたい”からサッカーやる
“モテたい”から野球やる
“モテたい”からバンドやるバカたちが、
結局、さまざまな”おたのしみ”やら
“文化”に貢献してきた」
三浦知良も、
長嶋茂雄も、
矢沢永吉も吉田拓郎も、
そんなバカたちの一人だった。
ところが糸井重里。
「ぼくは、”モテたい”の原理を
とっくに発見している」
「近所のバカたちには、
それを伝えているのだが、
それが、どれほど通じているかは
わからない。
もったいつけないで、
ぽんっと投げ出してしまおう」
ここでモテの整理法と方法論を披露する。
「”モテる”を考えるには、
まず白い紙に線を引こう。
縦軸上に、
“頼りになる・頼りにならない”を記す」
「”頼りになる”と”モテる”は、
ほぼ同義である。
地位やら才能やら誠実やら
体格やら資産やら、すべてが、
“頼りになる”という結果から
逆引きで見えてくる」
「『愛の不時着』の主人公が
とてもモテている。
彼には”頼りになる”の
すべての要素がある」
(結城義晴注:
糸井重里がはまった『愛の不時着』は、
『冬ソナ』以来の空前の人気韓ドラ。
突風によるパラグライダーの事故で、
北朝鮮に不時着した財閥の跡取り娘と、
彼女を隠して守るうちに愛するようになる
北朝鮮の将校の極秘ラブストーリー)
糸井のモテの整理法。
「そして、こんどは横軸に線を引く。
“じぶんを受け容れてくれる”と
“くれない”を両端に」
つまり「頼りになる」と、
「自分を受け入れてくれる」の、
マトリックスをつくる。
「どれだけ”頼りになる”男だとしても、
じぶんを受け容れてくれなければ、
意味がない。
人気者が結婚してファンを失うのも、
そういうことだ」
「過去のじぶんも含めて、
男たちよ、バカたちよ。
“モテたい”なら、
モテようと
がんばってはいけない」
「”頼りになる”やつに
なるしかないのだ」
「やっても無理なこと以外で
“頼りになる”努力をする」
これはドラッカーの言う「強み」と同じだ。
「ただ、”頼りになる”を歩みはじめると、
“モテたい”を忘れてしまうこともあるので、
要注意」
年を取るということは、
“頼りになる”を歩み続けるということだ。
「以上が、
世界一シンプルな”モテの原理”である」
「ただし、
“モテる”と”愛される”は
別だからね!」
最後に付け足しのひとこと。
「この原理、
たいてい女性のほうが
理解しているんですよね」
矢野顕子がツイッターで、
すぐに反応した。
「わかってましたぜ。」
糸井重里の「モテの原理」に対する執念。
そしてそのマトリックス。
商売繁盛に直結している。
とくに女性相手の商売に。
〈結城義晴〉