香港のアグネス・チョウ(周庭)さん。
8月の5日に香港の西九龍裁判所から、
有罪判決を受けた。
警察本部を包囲するデモに参加し、
デモ参加者を扇動した罪。
さらに一昨日の10日、
香港国家安全法違反の容疑で、
自宅で逮捕された。
しかし香港では、
逮捕から48時間以内に保釈される。
チョウさんも昨日の夜、保釈されたが、
再び起訴される可能性はある。
「引き続き、
香港の民主化と民主主義、
そして自由のため、
闘っていきます」
チョウさんは23歳の大学生。
民主活動家で、流暢な日本語を話す。
もちろん親日家でもあるが、
日本のポップスやアニメを愛好して、
独学で日本語を学んだ。
それも中国当局は気に入らないらしい。
メディアが好みそうなキャラでもあって、
逮捕中はずっと、
日本のアイドルグループ欅坂46の
『不協和音』を口ずさんでいたとか。
僕はyesと言わない
首を縦に振らない
まわりの誰もが
頷いたとしても
僕はyesと言わない
絶対 沈黙しない
最後の最後まで
抵抗し続ける
香港問題、台湾問題は、
日本と中国、ひいては日本と世界の、
関係性を示す問題だと思う。
COVID-19パンデミックは、
資本主義や共産主義などよりも、
民主主義をこそ優位に立たせる。
私はそう考える。
COVID-19にとっては、
資本主義も共産主義もない。
しかし新型コロナウイルスは、
人間一人ひとりをターゲットにして、
その細胞にヤドカリのように寄生し、
生命力を維持・拡大する。
つまりターゲットは一人ひとり。
ウイルスにとって、
その人間の貧富の差は関係ない。
地位も権力もイデオロギーも関係ない。
ややフィジカルな差異を別にすれば、
男女の差、年齢の差も関係ない。
つまりウイルスの前では、
人間は平等で、公平な立場である。
だからあくまでもデモクラティックに、
対峙せざるを得ない。
そんなCOVID-19パンデミックの中で、
香港や台湾のデモクラシーが、
理不尽にも侵害されている。
国境や民族を超えて、
反意を表さねばならない。
21世紀はデモクラシーの時代だ。
その民主的な社会でこそ、
私たちの商業は花開く。
社会貢献できる。
岡田卓也さんがつくった、
イオン㈱の三つの経営理念。
平和産業、
地域産業、
人間産業。
これは商業の本質を言い当てている。
そしてこの三つの産業であるためには、
「デモクラティック産業」
でなければならない。
今日、商人舎は夏季休暇。
東横線に乗って、多摩川を渡る。
平和な日本だ。
自由が丘。
いつもの花屋”MONCEAU FLEURS”。
モンソー・フルール。
花屋はいつだって平和。
デモクラティック。
その隣の壁にペインティング。
美しい母と娘。
平和なデモクラティックな日本だ。
さて朝日新聞の第二神奈川版。
「元気のひけつ」に、
㈱スズキヤが登場。
朝日新聞の社会面や地方版に、
地域のスーパーマーケットが載る。
とてもいい。
中村洋子社長がコメントする。
「スーパーは楽しくなきゃ」
これがまた、
いかにも洋子社長らしくて、いい。
「抜群の味のもの、面白いものは、
店に出したい」
「電話でダメなら手紙を書く。
直接会いに行く。
そうするうちに、
自分も欲しくなっちゃうのよね」
そうそう、その通り。
結果として、
「ここだけで買える味」が生まれる。
「価格競争では大手にかなわない。
勝負は独自開発だ。
旬のときしか買えない限定品など、
毎月100店ほどが入れ替わるから、
目が離せない」
「おいしい!」を共有するスズキヤの試食会。
従業員休憩室などのほか、
社長宅でも頻繁に開催される。
これもとてもいい。
集まるのは店長やバイヤーら約40人。
スズキヤは1920年創業。
1957年にセルフサービス方式を導入して、
いち早くスーパーマーケットを開業。
県内にスーパーマーケット12店を展開。
神奈川の名門老舗企業だ。
スターバックスコーヒージャパン㈱、
㈱サザビーリーグなども、
親戚筋に当たる。
長兄の鈴木安之さんが、
スズキヤの先代社長、
逗子市議会議長などを務めた。
次兄の角田雄二さんは、
スターバックスコーヒージャパン創業者。
三兄の鈴木陸三さんが、
サザビーリーグの設立者。
洋子社長はその妹で、
男勝りのところもあるが、
きわめて女性らしい細やかさがある。
それがスズキヤの店によく表れている。
スズキヤは逗子、葉山、鎌倉といった、
神奈川のセレブが住まうエリアで、
欠かせない地域の店だ。
まさに地域密着の地域産業であり、
同時に人間産業である。
そしてもちろん、
デモクラティック産業でもある。
「スーパーは楽しくなきゃ」
これ以外には何もない。
〈結城義晴〉