少しずつ少しずつ、
秋めいてくる。
毎年のことだけれど、
今年はとくにそれを感じる。
朝日新聞「折々のことば」
第1915回。
心とは揺れ動くもの萩芒(はぎすすき)
〈内山章子(あやこ)『看取りの人生』から。〉
内山章子さんは、
明治生まれの政治家・鶴見祐輔の次女。
夫は法学者の内山尚三さんだが、
その夫が病に伏した時をふり返って、
その動揺を詠んだ。
「どれほど激しく風に煽(あお)られても、
止(や)めばすぐ元の姿に戻る萩や芒」
その萩や芒やとわが身を比べて、
「心とは揺れ動くもの」と表現した。
この句を詠んだ4年後、
75歳にして大学に入学する。
凄い人だ。
今日はロピア研修会2日目。
商人舎主催。
今回も私は、
大学院レベルの内容を盛り込む。
立教大学大学院や、
コーネル大学RMPジャパンで、
教材に使い、教授した講義を、
ロピアのチーフ以上の人材仕様にして、
3日間、語り続ける。
朝一番の講義は、
昨夕の理解度テストの解答の解説。
解説しながらそれは講義につながる。
その後、「悪い組織の兆候」。
一言で言えば、
会社が大企業病にかかってしまう理由。
そしてそれへの処方箋。
午前中の2時間を使って、
ピーター・ドラッカーのマネジメント、
そのエッセンスを講義する。
「管理原則の父」といわれた、
アンリ・ファヨール。
その5つの「管理原則」。
「管理とは
⑴計画し、
⑵組織し、
⑶指揮命令し、
⑷調整し、
⑸統制する
プロセスである」
これに対してドラッカーは、
マネジャーに共通する仕事を五つ上げる。
①目標を設定する
②組織する
③動機づけとコミュニケーションを図る
④評価測定する
⑤人材を開発する
指揮命令、調整、統制に対して、
モチベートとコミュニケート。
この違いがカギを握る。
午後からは高野保男講師。
作業システムとLSP。
レイバースケジューリングプログラム。
最も重要な作業改善のエッセンスを、
豊富な経験をもとに、
実践的に講義する。
動画もふんだんに使って、
高いレベルのオペレーションを提示。
そして最後に質疑応答。
活発な議論が展開された。
高野先生に感謝したい。
そして夕方からはまた結城義晴の講義。
今日は3時間30分。
初めにホワイトボードに書いた。
「商人の本籍地と現住所」。
ロピアには転職者が多い。
その一人ひとりに、
商人としての本籍地がある。
そしてロピアという会社が現住所だ。
本籍地の強みを活かして、
現住所に適応する。
私はアメリカに多くの友人をもつ。
その日本人であり米国人である人たちは、
本籍地の日本人であることを「強み」に、
アメリカで働き、生活している。
本籍地の強みと、
現住所での躍動。
これからM&Aも増える。
雇用流動性も高まる。
そのなかでの商人の考え方。
それが「本籍地と現住所」だ。
そのあと、
ドラッカーの「責任の組織化」、
そして「コミュニケーション」
講義はあっという間に終わって、
各自の復習タイム。
そして最後に理解度テスト。
理解度テストが待っていることもあって、
実に真剣に講義を聴講してくれる。
冒頭の句を詠んだ内山章子さんは、
75歳にして大学に入学した。
ロピアの研修生たちも、
それぞれに真摯に学んだ。
少(わか)くして学べば、
すなわち、
壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。
老いて学べば、
すなわち死して朽ちず。
江戸の儒学者・佐藤一斉。
COVID-19パンデミックの今、
学ぶことこそが尊重されねばならない。
一喜一憂していては、
「コロナは時間を早める」に、
追いついていけない。
〈結城義晴〉