経済はもとより、商売に関しても、
今、日本経済新聞が圧倒的な情報力をもつ。
私が駆け出しのころには、
讀賣新聞に麻生さん、国政さんといった、
名物記者がいた。
もちろん渥美俊一先生も、
讀賣出身だから、その同僚や後輩に、
著名な記者が育っていた。
朝日にも毎日にも、
流通記者として名の通った人がいた。
日経には長谷川、桐山、矢作と、
凄い三羽ガラスの記者がいた。
今も編集委員の田中陽さんをはじめとして、
力のある流通専門記者が目白押しだ。
そして他の一般紙を圧倒する。
私が商業界に入社したころ、
上司も先輩も日経には負けまいと励んでいた。
編集長になって、取締役や社長に就任して、
自分自身に対しても後輩たちに対しても、
日経に負けるなと叱咤した。
もともとの知見と人脈と行動力、
取材力、構成力、文章力、
そして何よりも「商売への愛」。
その商業界も、今はない。
残念だが、終わりごろには、
負けじ魂もなくなったように感じた。
その日経新聞の昨日の記事。
「外食の客足 復活の3条件」
結論だけ引用すると、
全体に客数が激減したフードサービス業で、
その減少幅が少なくなっている店の条件。
⑴客足がランチ帯にシフトしている
⑵立地はオフィス街よりも住宅周辺
⑶人数は1~2人の少人数での来店
小売業にも同様のトレンドが現れている。
「人間のニーズ」の変化こそが、
マーケティングで最重視されねばならない。
時間帯、立地、客数の変化である。
「常連の大事さも浮かび上がってくる。
8月10~16日の客層を分析すると、
その店を訪れるのが
3回目以上のリピート客の数は
前年同期比18%減にとどまった。
逆に初めて訪れるいちげん客は
40%減となっている」
藤村広平記者の結論。
「苦境にあるときこそ、
なじみの店を支えたくなるのが
消費者心理だ」
「今後は広告宣伝を投じて
新規顧客を開拓するより、
つながりを深めて
常連になってもらう努力が重要になる」
ポストCOVID-19の時代になっても、
常連を増やす商売は、
ますます重要になる。
全国の美容院や理容院。
徹底的なディスカウンター以外は、
ほとんど固定客だけのビジネスとなった。
それも美容師、理容師に、
顧客がついている。
百貨店も総合スーパーも、
スーパーマーケットもコンビニも、
ドラッグストアもホームセンターも、
やがて美容院のようになる。
私の観察だ。
つまりポストコロナは、
ロイヤルカスタマー時代である。
さて今日もロピア研修会。
3日目の最終日。
朝10時から夕方6時まで。
最初の講義は菊池孝利講師。
ロピア神奈川店舗運営部部長兼システム室室長。
テーマは「ロピアの計数」
ロピアの経営理念を丁寧に語り、
「ロピアライン」は経営戦略。
そしてロピアの計数のルール。
高木秀雄会長が始めた「日の丸管理」。
菊池さんのような幹部がいる企業は、
底力があって、強い。
実にいい講義だった。
ありがとうございます。
続いて浜野仁志講師。
利恵産業㈱社長兼㈱丸越醸造社長。
どちらもロピアの子会社の製造業。
そして浜野さんのテーマは、
「クイズで読み解く決算書」
パワーポイントを駆使して、
損益計算書と貸借対照表の原理を、
本当にわかりやすく講義してくれた。
手振り身振りも交えて、大奮闘。
クイズ形式で受講生たちに設問を出し、
回答を答えさせた。
ありがとうございました。
社内講師がいい講義をしてくれる。
これが実は一番いい。
昼食休憩の後、夕方までの3時間は、
結城義晴講師。
昨日の理解度テストの解答を確認し、
そのあと菊池・浜野両講師の講義に、
私なりの補足をしつつ、
簿記や会計の重要さを強調した。
それからケン・ブランチャードづくし。
リーダーシップの手法から、
チームワークの手法。
リーダーシップに関しては、
自分がどのタイプのリーダーかを、
答えてもらった。
最後はロピアのミドルマネジメントが、
どうしても理解しておかねばならない、
経営戦略のガイダンス。
実はシンプルなチェーンストアの原則、
そしてマクネアの小売りの輪仮説、
業態&フォーマット論。
最後の総括講義は「自ら、変われ」
3日間の清聴を感謝したら、
会場から拍手が沸いた。
そして最後に事務局で写真。
右からロピア人事部の源田百合子さん、
取締役管理本部長の内田貴之さん。
私の隣は浜野仁志さん、亀谷しづえさん。
ロピアは、理念やビジョンや経営戦略が、
コーポレートアイデンティティの刷新と、
フォーマットの確立とに結びついて、
急成長を果たしている。
それはフォーマットに、
ロイヤルカスタマーがついているからだ。
講義をしながら、
私自身もそれを再確認した。
〈結城義晴〉