自民党総裁選挙の候補者討論会。
日本記者クラブが主催。
投開票は月曜日。
9月14日。
国政選挙は日曜日だが、
自民党の総裁選挙だから月曜日。
立候補している菅義偉官房長官、
石破茂元幹事長、
岸田文雄政調会長。
2時間を超える質疑応答。
それぞれの候補の主張、
顔つき、声、話し方、考え方。
くっきりと出て、面白かった。
私は自民党の党員でもないし、
自民党を支持しているわけでもない。
かといって、
他の政党支持者でもない。
いわゆる無党派層。
いつも是々非々で判断する。
自分で投票するときには、
人を見て、その考え方を知って、決める。
ただし岡目八目で見ていた、
この討論会に関しては、
石破茂が勝利した。
だからと言って、
石破が総裁になれるか、
総理大臣としてふさわしいかは、
別の話だ。
討論会だけ見て感じたのが、
石破の勝利だ。
岸田文雄は相変わらず、
主張に意志が感じられなかった。
存在感がなかった。
問題の菅義偉は、
討論会であるにもかかわらず、
手元の資料を見ながらの語りで、
官房長官の記者会見と同じだった。
裏方の人なのだろう。
総裁候補になるほどの人物だから、
それぞれにいいところもあるに違いない。
国民もそれぞれに好き好きがあるだろう。
しかしドナルド・トランプや習近平と、
一対一で渡り合えるリーダーが、
日本国の総理大臣にならねばいけない。
日中両国以外のすべての国のリーダーが、
日本の首長を頼りにするような、
そんな総理大臣が登場してほしいと思う。
もっともっとかっこいい、
若い人がいいかな。
女性の総理大臣も欲しいな。
もちろん抜群の能力は必須だが。
トランプも習近平も、
粗末に扱わないだろうな。
討論した候補者も、
質問したジャーナリストも、
司会のTBSテレビ・川戸惠子さんを除いて、
全員が中年以上の男性だった。
ちなみに3人のネクタイを比較すると、
石破・ブルーのストライプ、
菅・無地のクリーム色、
岸田・無地の紅色。
ディンプルをつくっていたのは、
岸田文雄だけだった。
ディンプルはくぼみですね。
つまりおしゃれということ。
現上皇は必ず、
ネクタイにはディンプルをつくる。
好きな政治家ではないが、
安倍晋三も麻生太郎も、
スタイリストがいるのだろう、
ディンプル派。
私もくぼみ派。
まあ、総裁選とは関係ないことだけど。
さて、日経新聞の「私の履歴書」
今月は寺田千代乃さん。
アートコーポレーション㈱名誉会長。
アート引越センターの創業者。
昨年12月20日に社長から名誉会長へ。
この連載、面白い。
9月9日の第9回は「引っ越し業へ」
「引っ越し貧乏」という新聞記事の見出し。
引っ越し費用が家計を圧迫している。
大阪だけで年間100億円の支出がある。
実際にどの程度引っ越しがあるのか。
政府の統計を調べた。
住民基本台帳人口移動報告では、
当時年間800万人程度が移動していた。
「驚きとともに、何か
鉱脈を探り当てたような気になった」
新聞記事からでもヒントを得る。
そして運送業のかたわら、
引っ越し事業を始めた。
消費者はどのようにして、
引っ越し業者を選ぶか。
「電話帳で調べるという人が多かった」
そこで、「アピールするために、
電話帳で最初の方に載る社名を考えた」
「掲載は五十音順で、
ひらがなよりカタカナが先、
文字より音引き『ー』が先」
「アー」で始まる社名。
そこから「アート引越センター」の名称が生まれた。
電話帳で一番前。
今はほとんど関係ないけれど、
創業当時は効果があった。
第11回は、
「0123 かけやすく覚えやすい番号」
社名と同時にこだわったのが電話番号。
かけやすく、覚えやすい番号。
「尻上がりの番号は縁起が良く、
ゼロから始める自分たちにぴったりと思い
0123にすることにした」
「全国展開を終える頃には150以上、
最終的には500以上の0123を所持できた」
「この統一電話番号戦略は、
“アート”という社名とともに
会社が大きく成長する原動力になった」
現在はウェブ注文が多いが、
フリーダイヤルの番号も、
問い合わせの番号も、
0123。
この番号はその後、
単なる数字ではなく、
会社の象徴になっていった。
つまりコーポレートアイデンティティー。
米国進出の際には、
もちろん0123の電話番号を入手し、
会社名に「the0123」を使った。
インターネットのURLも「the0123」
もちろん引っ越しトラックには、
0123の数字を目立つようにデザイン。
社名と電話番号。
それがCIにつながる。
それ以外のサービスに関しても、
女性ならではの発想が満載だ。
「日本の人口は男性が49%、女性が51%」
石破茂候補がすらすらと発言したが、
ビジネス社会はもう、
女性抜きには前に進まない。
〈結城義晴〉