総務省の発表資料。
「統計トピックスNo.126」
「統計からみた我が国の高齢者」
サブタイトルは「敬老の日にちなんで」。
2020年9月15日現在の推計値。
65歳以上の人を「高齢者」と定義するが、
その人口は3617万人。
私もこの中に入る。
イオンの岡田卓也名誉会長が95歳、
セブン&アイの伊藤雅俊名誉会長が96歳。
岡田さんの姉上の小島千鶴子さんは、
なんと104歳。
すごい。
65歳以上の高齢者は、
前年比で30万人増えている。
男女別では男性の高齢者が1573万人、
全世代の25.7%。
女性が2044万人で31.6%。
「団塊の世代」は1947~49年生まれだが、
彼らを含む70歳以上は2791万人で、
前年に比べて78万人増。
後期高齢者の75歳以上人口は、
21871万人で4万人増。
日本の総人口は1億2586万で、
前年に比べて29万人減。
総人口が減って、
高齢者人口が増える。
これが大潮流だ。
その総人口に占める高齢者の割合は28.7%。
前年よりも0.3ポイント上昇。
高齢者人口もその比率も過去最多。
高齢化も進んでいるが、
高齢者社会である。
国立社会保障・人口問題研究所の推計。
高齢者の割合は今後も上昇が続く。
1971~74年誕生の第2次ベビーブーマーが、
65歳以上になる2040年には、
高齢者は35.3%になる見込みである。
国別に見た65歳以上の人口の割合は、
世界201の国・地域の中で、
日本が28.7%で最も高い。
2位のイタリアは23.3%、
3位のポルトガルが22.8%。
日本は圧倒的な高齢社会で、
その意味で世界のモデルとなる。
アメリカの高齢者は16.6%、
韓国が15.8%、中国が12.0%だ。
高齢者の就業者数は2004年以降、
16年連続で前年よりも増加して、
2019年は892万人と過去最多となった。
高齢就業者数の対前年増減を見ると、
2013年から2016年までは、
主に65~69歳が増加した。
団塊世代の高齢化が理由。
2017年以降は団塊世代が70歳を迎えて、
主に70歳以上で増加。
15歳以上の就業者総数に占める、
高齢就業者の割合は、
2019年に13.3%(赤い折れ線)で過去最高。
そして産業別高齢従業者は、
小売業・卸売業が最多で126万人。
農業・林業が108万人、
サービス業(他に分類されないもの)が103万人。
製造業は94万人。
産業別就業者に占める高齢就業者の割合は、
農業・林業が52.2%と半分以上を占める。
第一次産業は高齢者産業である。
不動産業・物品賃貸業が26.4%、
サービス業が22.6%、
生活関連サービス業・娯楽業が18.2%。
小売業・卸売業は11.9%だ。
主要国における高齢者の就業率は、
2019年では韓国が32.9%、
日本は24.9%、アメリカが19.6%。
2009年と2019年の10年間を比較すると、
日本のプラス5.3ポイントが一番多い。
カナダがプラス4.3ポイント、
アメリカが3.5ポイント、
韓国が2.9ポイントだ。
高齢社会で高齢者が就労する。
菅義偉政権では、
少子化対策・地方創生担当大臣は、
坂本哲志衆議院議員だ。
少子化対策と同じように、
高齢化対策も考えねばならない。
とくにCOVID-19禍の現在、
それは最大のテーマの一つだろう。
高齢者の命を軽く見てはいけない。
いつも引用するが、
江戸の儒学者・佐藤一斉の言葉。
少(わか)くして学べば、
すなわち、
壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、
すなわち老いて衰えず。
老いて学べば、
すなわち死して朽ちず。
高齢者自身も学び続け、
伸び続けねばいけない。
岡田卓也さん、伊藤雅俊さん、
そして小嶋千鶴子さんはそのモデルだ。
〈結城義晴〉