今日の10月8日、
大阪府寝屋川市に、
㈱さとうの986㎡店舗がオープン。
業態はスーパーマーケット。
バナーは「フレッシュバザール」
その「寝屋川公園駅前店」
JR西日本の学研都市線寝屋川公園駅の前。
住所は寝屋川市打上高塚町。
話題のロピア寝屋川店(略称)や、
アル・プラザ香里園とは、
ずいぶん離れていて、
直接競合はしない。
さとうのフレッシュバザールは、
むしろ寝屋川のもう一つの激戦地、
寝屋川南地区に近いし、
イオンモール四条畷とも競合する。
寝屋川南地区には、
平和堂・バロー・万代が並んでいる。
平和堂は「フレンドマート」で、
「ビバモール寝屋川」に入居する。
それからバロー寝屋川店、
さらに万代寝屋川宇谷店。
いずれにしても競合の激しいエリアへの、
さとうの勇気ある出店である。
京都府福知山市に本部を置くさとうは、
食品スーパーマーケットを66店、
大阪府にはもう5店出ている。
ローカルチェーンは、
県単位に収まっていては、
成長を見込むことはできない。
もうリージョナルチェーンの時代である。
そして異なる商勢圏に出店していくとき、
わが社、わが店の他との違いが必須となる。
それを「ポジショニング」という。
そして2020年の今、
「ポジショニング戦略」は必須である。
この戦略に関しては、
誤解も多いのだけれど。
さて昨日今日と、
上半期の決算発表が相次いでいる。
「第2四半期」と呼ぶことが多くて、
その営業収益や売上高は、
第2四半期までの累計で公開されることが、
これまた多い。
私は「上半期」と呼ぶのも好きだ。
昨日の10月7日は、
イオン㈱の上半期決算発表。
コロナ禍でオンライン記者会見。
もう当たり前になった。
吉田昭夫社長は、
このオンラインでの発表もうまい。
イオンnews|
営業収益4兆4705億円・純損失575億円/6~8月利益改善
3月から8月までのイオンは、
営業収益4兆2705億万円で、
前年同期比0.5%減。
私は最近は、
「コングロマーチャント」と呼んでいるが、
それだけにコロナの影響が出た。
営業利益は39億200万円で60.7%減、
経常利益は279億7600万円で64.9%減。
当期損失は575億5600万円。
前期は37億9100万円の当期利益だった。
吉田さんの発言。
「新型コロナウイルスの影響で
変化が早くなった」
「スピード感を持って対応し、
変化からチャンスを見出したい」
これこそ「コロナは時間を早める」である。
右端が井出武美イオンリテール㈱社長。
「仕入れと在庫の適正化を進めて、
粗利益率が改善できた」
井出さんの着眼点もとてもいい。
コロナ禍の中では「入りと出」を把握し、
「在庫」の動きをしっかり察知して、
そのうえで「適正化」を目指す。
「適正」とは何か、
適正値は何か。
それらをしっかり議論してほしい。
その根拠を知覚してほしい。
一方、今日は、
セブン&アイ・ホールディングス。
こちらは電話記者会見。
ええっと思ったが、
あらかじめメールで教えられた、
〈050〉から始まる電話番号に、
こちらから電話する。
そのあとパスコードとピンコードを打つ。
これもメールで教えられている。
すると電話で声が聞こえてくる。
ビジュアルはない。
資料だけ示されているから、
これはネットで見る。
延々と井阪隆一社長が、
電話の向こうから説明する。
原稿や資料を読んでいるようでもあり、
時々は自分の言葉が加わる。
しかし残念ながら、
その表情などが見えない。
写真は去年のこの時期の上半期決算発表。
米国スピードウェイの買収の時も、
電話記者会見だった。
私はそれを聞くことができなかったが。
しかし余計なおせっかいだろうが、
これはすぐにオンラインに変えたほうがいい。
日本を代表する上場企業。
イオンと並ぶコングロマーチャント。
トップは自分の顔を見せて、
コミュニケーションしたほうが、
絶対にいい。
そうしなければいけない。
そのセブン&アイの上半期決算。
セブン&アイnews|
第2Q 収益2兆7884億円15.8%減/国内コンビニ10%減
営業収益2兆7884億円で、
前年同期比15.8%減。
営業利益1797億3800万円で12.4%減、
経常利益1752億4100万円で13.8%減。
親会社に帰属する当期利益は、
34.5%減ながらも725億1900万円。
イオンは当期損失だったから、
よく頑張った。
私はスピードウェイの買収を評価した。
一度、挫折しかかったときには、
「もったいない」を繰り返した。
この電話会見でも井阪さんは、
日米のセブン-イレブンを、
グループのコアとすると表明。
前から言っているが、同感だ。
その日米セブン‐イレブンなどの総売上高は、
上半期で5兆4211億6700万円。
これは9.6%減だったが、
セブン&アイの半期営業収益の1.94倍。
しかも米国のコンビニは、
いまだ寡占状況まで時間がある。
つまり伸びシロがある。
成長軌道を描くことができる。
もちろんイトーヨーカ堂や、
ヨークベニマルとヨーク、
そごう西武なども見放していいわけではない。
現時点で強化するのは、
「首都圏での食品販売」らしいが、
この計画には成長性のビジョンが足りない。
ずっと先の、長いスパンで見れば、
やがてヨークベニマルも、
統合していくのだろうが、
このあたりの井阪さんの説明は、
用心深すぎるか。
イオンとセブン&アイ。
オンラインと電話。
コミュニケーションにこそ、
何よりも神経を使わねばいけない。
〈結城義晴〉