今日は大阪へ。
横浜は雨模様だったが、
静岡に入ると晴れ間が見えて、
名古屋以西は爽快な秋。
新大阪駅に、
中尾徹さんが迎えに来てくれた。
スリーエスコーポレーション㈱、
業務部企画室室長。
昨年の10月に開催されたのが、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
その第16回で、S級の成績を獲った。
去年は主任だったが、
もう室長になった。
仕事も成果を上げているようだし、
自信もついたのだろう。
顔つきが変わっていた。
うれしい限りだ。
そのまま西天満の浄信寺へ。
商業界ゼミナール近畿女性同友会。
ずっと西端春枝先生が会長だった。
その西端先生が今年6月6日に永眠された。
私はその日のブログに訃報を書いた。
西端春枝先生 ご逝去
それから4カ月。
商業界近畿女性同友会は、
今日、活動を再開した。
㈱商業界は自己破産したが、
その同友会活動は衰えない。
今日は結城義晴が講師。
会場は西端先生が副住職だった浄信寺。
12年前にこのお寺の本堂で、
商人舎主催「寺子屋研修会」を、
開催させていただいた。
到着すると平澤範雄さんから、
先生が逝去されたときのお話を聞いた。
西端先生のご長男で、この浄心寺ご住職。
商業界スパークルの第一期生だとか。
お話を聞いてから、
焼香させていただいた。
様々な思いが胸に去来した。
控室には渡部裕子さんの見事な書。
魚は水を知らず
人はくうきを知らず
そして三人の先達の写真。
真ん中が西端行雄さん。
左が倉本長治先生、右が倉本初夫先生。
西端行雄さんはニチイ創業者。
もちろん春枝先生のご主人。
その西端行雄さんの胸像。
今日の講義でも話したが、
私は「integrity」という言葉をよく使う。
ピーター・ドラッカーが、
最も大切にした概念だ。
「真摯さ」と上田惇生先生は訳した。
私は「真っ正直」と意訳している。
そして小売商業の世界で、
最もintegrityの言葉がふさわしいのが、
西端行雄さんだった。
午後4時、近畿女性同友会開始。
今日は40名ほどの会員が参集。
さらに十数名の方がZOOMで参加する。
冒頭のご挨拶は暮部恵子さん。
㈱クレコスという化粧品会社の社長。
まず西端先生の遺影の前で、
「商売十訓」の朗読。
コロナ禍で全員の唱和は中止。
暮部さんが講師をご紹介してくださった。
私が㈱商業界の社長だったころ、
商業界ゼミナール(2月ゼミ)に、
ミュージカルを組み込んだことがある。
「パパの明日はわからない」
劇団ふるさときゃらばん。
暮部さんはそのことを話してくれた。
「商業界は変わると思った」
ありがたい。
そのご期待に沿えなかったが、
今日はその分まで語ろうと決意した。
はじめはコロナ禍と、
その中の商人の生き方。
そして商業界精神の本質。
「店は客のためにある。
店員とともに栄える」
さらに「商売十訓」とその謎解き。
最後は新保民八。
「正しきによりて
滅ぶる店あらば、
滅びてもよし。
断じて滅びず」
新保はまず、正しくあれ、と諭す。
そして正しくあるならば、
滅びてもよし、と言い切る。
現実を顧みると、正しくないものは、
即座に、滅びる。
しかし、正しさを唱える者が
滅びてしまうことも、ままある。
なぜか。
なぜ、
正しくあることを目指しているのに、
滅びるのか。
それはイノベーションがないからである。
イノベーションとは、
「自ら、変わる」ことである。
「店が客のためにある」ことに向けた、
自己変革である。
原点を貫くための原則を新保は、
「滅びてもよし。断じて滅びず」
と、心意気を示すように訴える。
だが私は、
「滅びてもよし」と「断じて滅びず」の間に、
「自ら、変われ」「自己革新せよ」という、
強い意志が横たわっていると考える。
経営の革新と技術の革新は、
滅びぬために不可欠だからである。
商人の原点と原則は、
「正義」を貫き、
「革新」を続けることにあるのだ――。
この新型コロナウイルス禍でも、
革新は必須だ。
それはイノベーションであり、
「自ら、変わること」である。
講義が終わって拍手をいただいた。
最後に長澤政代さんが、
西端先生の思い出を、
とつとつと語ってくださった。
ナガサワ食品㈱会長。
西端先生をもっともよく知る人。
私のことも褒めてくださった。
恐縮至極。
最後に長澤さん、暮部さんと写真。
ありがとうございました。
講演会が終わったら交流会。
女性同友会の中心メンバーの皆さんと、
意義のある、楽しい交流。
撮影の一瞬だけ奥に集まって、
マスクを外してポーズ。
國場佳代さん(㈱アトリエ・カヨ代表取締役)
井坂美佐さん(スリーエスコーポレーション社長)
岡田真希さん(花LINKS㈱社長)
橋本由紀子さん(安心堂白雪姫取締役)
岩橋成子さん(㈱日之出屋岩橋会長)
細畠美鶴さん(キャリアコンサルタント)
女性経営者の皆さんのパワーに煽られた。
ありがとうございました。
壮にして学べば、
すなわち、
老いて衰えず。
老いて学べば、
すなわち、
死して朽ちず。
西端春枝先生に、合掌。
〈結城義晴〉