万代知識商人大学。
Mandai Knowledge Merchant College。
2016年に開校して今年第5期。
企業内大学として、
日本のスーパーマーケットで初のものだった。
世界で初めて、
企業内大学が創設されたのは、
1956年。
米国ゼネラルエレクトリック(GE)。
通称「クロントンビル」。
現在の名称は、
「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」。
幹部教育と次世代のリーダー教育。
端的に言えば、次の社長や取締役をつくる教育。
毎年、全米から選抜された30人ほどが、
毎月、クロントンビルに参集して、
トップマネジメントや超一流の講師から、
様々な講義を受け、ディスカッションし、
互いに研鑽し合う。
「Big Thinker」を育てる。
これがクロントンビルのコンセプト。
万代もそれをスタートさせて、
毎年30人が修了した。
今年の30人でおよそ150人。
その知識商人大学の講義が行われるのは、
万代本社横の会議棟。
大ホールでソーシャルディスタンシング。
朝9時、いよいよ開講。
津田睦人事部マネジャー。
津田さんは第一期の級長。
今日のテーマは、
サプライチェーンマネジメントと、
オペレーションマネジメント。
冒頭の講義は、
学長の結城義晴。
サプライチェーンの意義を説明し、
オペレーションマネジメントの重要性を説く。
店舗オペレーションは、
サプライチェーンの最終工程である。
会社組織の機能を図示して、
サプライチェーンの位置づけをする。
第1講座が終わると、
歩いて3分の渋川畜産プロセスセンターへ。
全員が参集。
渋川センターは精肉の工場。
だから万代畜産部チーフバイヤーが説明。
吉田秀史さんは知識商人大学3期生。
第5期生が第3期生の解説を聞く。
次に万代渋川センター長が全容を説明。
田村将吾さんは知識商人大学第2期生。
㈱日本アクセス渋川PTLセンター長は、
田中雅道さん。
同社西日本営業部門大阪支店所属で、
万代のセンター運営にコラボしている。
1時間半、2班に分かれて、
渋川畜産センターを見学。
店舗のバックヤードよりも、
断然、スピードのあるオペレーションを、
じっくり視察した。
講義会場に戻って、津田マネジャー。
津田さんも講義をつなぎつつ、
自分の経験や知見を話す。
それがまた、とても的確だ。
そしてまた吉田チーフマネジャーの講義。
プロセスセンターの設立と投資、
オペレーションマネジメントとの関係性。
第3期生の先輩として、
いい講義をしてくれた。
高野保男先生と一緒に講義を聴講。
午前中の講義が終わって、
渋川センターの三人と写真。
ランチのあとは、特別講師。
高野保男先生。
サミット㈱取締役として、
同社の作業システムを構築した。
テーマは作業システムとLSP。
商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
常連講師として、
このテーマで講義をお願いしている。
オペレーションシステムに関して、
日本で一番のコンサルタント。
万代の店舗を視察して、
的確なアドバイスもしてくれた。
万代の阿部秀行社長と三人で写真。
今日の第5講義テーマは、
「店舗オペレーションの改善」
講師は小宮秀友さん。
万代八尾曙川店店長。
小宮さんも万代大学第3期生。
運営部部長から店長に戻って、
売上高前年対比145%の実績を上げている。
その経験をもとに、
作業システムの改善提案をしてくれた。
いい講義だった。
万代知識商人大学の修了生が、
次々に講師となって、
後輩に講義をする。
これこそ私の目指す理想の姿だ。
最後の結城義晴。
全員が集中して受講している。
フレデリック・テイラーから、
ウォルター・アンドルー・シューハート、
ウィリアム・エドワーズ・デミング、
そしてトヨタの大野耐一まで。
科学的管理法から、
品質管理と作業システム、
そしてトヨタかんばん方式まで、
スーパーマーケットのエッセンスを講義した。
作業システムの改善改革をするには、
その原理原則を知らねばならない。
津田さんも、吉田チーフバイヤーも、
田村センター長も、
そして小宮店長も、
みな、同じ講義を聴講している。
そこから万代の作業改善も生まれている。
原理原則から外れたイノベーションは、
存在しない。
講義が終わって、全員起立。
礼。
そして最後の最後の講義。
いつも阿部秀行社長。
コロナ禍中にも万代は絶好調だった。
しかしその今、さらなる改革を目指す。
阿部社長の講義はいつも以上に、
丁寧で熱が入った。
最後のツーショット。
お疲れ様、ありがとう。
万代知識商人大学。
やがては社内講師が中心となって、
カリキュラムを運営していくのがいい。
“政府”からも干渉を受けない、
“自立”した教育機関になってほしいものだ。
〈結城義晴〉